プラチナの価値がなくなる可能性は?2022年以降の価格予想も掲載
近年、プラチナの価格は上下しており、金に比べて安すぎるような状況も訪れました。今後、プラチナの価値はどのように変化していくのでしょうか?そこで今回は、将来的にプラチナの価値はなくなるのか?2022年以降の中長期的な価格推移はどうなるか?といった疑問について、解説をしていきます。 関連記事【更新:2024年11月】プラチナの見分け方は?刻印や磁石を使った鑑定方法をご紹介
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2024.11.06
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プラチナの価値はなくならない
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2024.03.27
結論から言うと、プラチナの価値が今すぐになくなる、ということは考えられません。プラチナは実物資産であり、それ自体に価値があるからです。需要と供給のバランスが変化することで価格が上下することはあっても、ゼロになることはありえないのです。
プラチナの需要と供給
プラチナの基礎知識として、需要と供給の特徴についても把握しておきましょう。
プラチナは金と比較して供給量が1/15と圧倒的に少なく、さらに産出地も南アフリカとロシアに偏っているという特徴があります。そのため、供給は南アフリカの情勢に大きく影響され、値動きにも反映される傾向にあります。一方、需要の多くが工業分野(約7.5割)であり、残りは装飾品です。とくに自動車産業での需要が大きく、影響も大きいと言えます。
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2024.07.30
近年の値動きを見ていくと、金は高騰しプラチナは低下傾向にあります。そのため、プラチナの価値が落ちて、安くなったと考える方も少なくありません。しかしこの実態は、世界情勢の変化によるところが多いと考えられます。
そもそもプラチナは優れた触媒作用と化学的安定性から、ディーゼル車の浄化触媒に多く利用されてきました。しかし、世界的な脱炭素気運の高まりでディーゼル車の需要が減ると、それに連動してプラチナの需要も低下。結果、価値が低下傾向となったのです。
一方、金は宝飾品・投資需要が中心で、工業分野での需要はわずかなもの。さらに、世界情勢の悪化時には「安全資産」として捉えられます。近年の新型コロナウィルスまん延やロシアによるウクライナ侵攻といった状況は、金の価格高騰につながりました。
こうして見てみると、プラチナ自体の価値は低下傾向ではあるものの、大きな下落とは言えません。一方、金が世界情勢の悪化によって高騰したため、見え方としてプラチナの価値が下落したように感じられるのです。
プラチナの価値に関わる要因
プラチナの売買や保有を検討される場合には、その価値に関わる要因について把握しておくことが大切です。以下で、主立ったファクターをまとめました。
自動車産業
プラチナと自動車産業には密接な関係があり、業界の動向によって価格に大きな変動を及ぼします。
注目すべきトピックはいくつかあります。まずはすでにご紹介した脱ディーゼル車の流れによる需要低下です。実際に、これが原因でプラチナの価格は低下傾向にあります。
一方、ガソリン車の浄化装置触媒をパラジウムからプラチナへ置き換える動きもあります。これは、パラジウムの供給をロシアに頼り切っている状況打破という狙いがあります。加えて、燃料電池車(FCV)の需要増加も、プラチナの価格上昇につながるトピックスのひとつです。
水素社会への気運
主燃料・エネルギーを水素化する動きは、日本や欧州で盛んになってきています。上記の燃料電池車も、水素エネルギーを使っています。
水素からエネルギーを生成するためには、プラチナが触媒として利用されます。そのため、水素社会が実現された場合にはプラチナの価格が高騰すると予想されます。
ただし、研究によってプラチナの代替触媒が見つかった場合には、需要が新触媒に置き換えられる可能性もあります。
消費国の景気
プラチナの主要消費国は欧州・北米・中国・日本です。これらの国の景気がよくなればプラチナの需要も増え、価格が上昇しやすくなります。一方、景気悪化は価格下落の要因にもなり得ます。実際に、新型コロナウィルス感染拡大によって、プラチナの価格も下落しました。
南アフリカ情勢
プラチナの主な産出国である南アフリカの情勢は、価格の上下に直結します。過去には、南アフリカの鉱山会社が電力不足に陥り、生産停止に追い込まれた際に、プラチナの価格急騰が起こりました。そのほか、南アフリカの通貨「ランド」の為替によって、プラチナの価格に影響が及ぶ可能性もあります。
2024年以降のプラチナ価格予想
次に、今後のプラチナの価格推移について予想をしていきましょう。
WPIC(World Platinum Investment Council )のレポートによれば、2026年までにプラチナの供給は不足する予定です。これは、ガソリン車の浄化装置触媒がパラジウムからプラチナに置き換わってきたことで、プラチナの需要が増えるからです。さらに、排ガス規制への対応のために、触媒の使用量が増えることも予想されています。
上記を踏まえると、中期的にはプラチナ価格は上昇すると予想できるでしょう。
20年後のプラチナの価値は?
長期的な目線で見た場合のプラチナの価格推移についても考えてみます。
すでにご紹介したとおり、自動車産業におけるプラチナは存在感を増してきています。とくに燃料電池車(FCV)の需要増は、大きなプラス要素となるでしょう。
一方、次世代車として注目を集める電気自動車(EV)の台頭は、プラチナの需要低下につながる可能性があります。
- ノルウェー:2030年からEVとHV(ハイブリットカー)のみを販売
- オランダ:2025年からEVのみを販売
- インド:2030年からEVとHVのみを販売
- 中国:将来的にEVとHVのみを販売
- イギリス:2035年からガソリン車とディーゼル車の販売を禁止
- フランス:2040年からガソリン車とディーゼル車の販売を禁止
上記のように、世界的には電気自動車とハイブリットカーがトレンドの模様。この状況が続いた場合、20年後のプラチナの価格は大きく下落しているかもしれません。