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歴史的背景から見る金の普遍的価値

歴史的背景から見る金の普遍的価値

太古の昔から富の象徴であったと言われている金は、その美しさと希少価値の高さから世界中の人々を魅了してきました。
人類の歴史上、その価値を失ったことがないといわれている金ですが、金はいつから使われ始め、価値はいつごろから認められ、どのような扱いをされてきたのでしょうか。金の歴史や、金にまつわる逸話をご紹介します。

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金の歴史

世界初の貴金属である金は、古くはどのような使われ方をしていたのでしょうか。普遍的価値のある金の歴史をご紹介します。

メソポタミア文明

初めて金を使用した人類は、紀元前6000年頃、チグリス川とユーフラテス川の間に栄えたメソポタミア文明を生きたシュメール人だといいます。
金は単体のまま自然界に存在する金属であるため、精錬が必要な鉄などに比べると早くから使用されていたことも当然と言えるかもしれません。

その使用方法は、王となった者の身を飾り立てるためでした。簡単に手に入るものでない上に、いかなる環境でも光を放つ金は、見る者に畏敬の念を抱かせるため理想的な材料だったのです。人類史上最古の文明のひとつであるメソポタミアの時代から、金は人類にとって価値のあるものとして扱われていたと言えるでしょう。

古代エジプト

紀元前2600年頃、古代エジプトの文献には金に関する記述が残されています。有名なツタンカーメンの黄金のマスクを筆頭に金の遺物が多く発見されており、正に黄金時代と呼ぶにふさわしい時代ではないでしょうか。
この時代の権力者は一般市民にナイル川の砂金の採取を命じるなどしてこぞって金をかき集め、一般市民には金の所持すらも禁じました。ごくわずかな金をも献上させ、莫大な量を確保していたようです。

こうして集められた金は、冠・耳飾りや首飾り・腕輪や足輪・指輪など装飾品の素材として使用されたほか、王の棺(ひつぎ)や仮面の材料としても加工されました。この当時の金は、権力を象徴するものであったようです。
また、太陽神ラーをはじめとした神々は金の肉体を持っているとされていたため、永遠の生命の象徴であったとも考えられています。

金に魅了された人々

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過去には、金に狂わされた方も少なくないようです。多くの人々を魅了してやまない金にまつわる逸話をご紹介します。

錬金術の誕生

中世ヨーロッパ時代人類は、その希少さから常に不足していた金を得るために、身近な物質・金属などから金を作り出そうとしました。いわゆる「錬金術」と呼ばれる学問の誕生です。

価値のない石や鉄などを希少な金に変えて大もうけしようと、学者たちがこぞって錬金を試みましたが、金を作り出すことはできませんでした。
しかし、その工程で考え出された製法や成果は現代化学・物理学の基礎となるものもあり、思わぬ副産物をもたらしたようです。

現在は金を人工的に作る方法は確立されていますが、膨大なエネルギーと費用、時間を要するため実験目的以外では現実的ではありません。

人工的に作れず採掘するしかない金は、埋蔵量も少なく、その希少価値は高まる一方です。
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ゴールドラッシュ

19世紀になりますと、アメリカのカリフォルニアやオーストラリアで相次いで金が発掘されます。人々は一獲千金を狙って、次々に金を求めて発掘作業に没頭しました。この金捜索時代を「ゴールドラッシュ」と呼びます。
しかし、実際に金を発掘できたのはごくわずかの人のみで、残りは安い報酬で過酷な労働に耐えただけの結果に終わりました。

皮肉にもこの時代一番もうけたのは、金を発掘できた一握りの人ではなく、金の採掘道具を売っていた商人だったといいます。一獲千金は夢のまた夢だったようです。

黄金の国ジパング?

お金とインゴットの画像
13世紀末、マルコ・ポーロの「東方見聞録」で黄金の国として西洋に紹介された日本は、金に富める国として世界中から羨望のまなざしを受けていました。

日本最大の金鉱だった佐渡(さど)の金山は約300年もの間、最盛期には年間400キロの金が採掘されましたが1898年に枯渇しました。

現在日本で産出される金の多くは、日本最大の金鉱山である鹿児島県の菱刈(ひしかり)鉱山産です。この地で採掘される金鉱石は非常に高品位であり、埋蔵量は300tほどと言われています。
それでもこれまで日本で産出してきた金の量は約1600tで、全世界の総産出量の約1%です。黄金の国と呼ぶには少々物足りない数字かもしれません。

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水野崇

水野様

キャリア20年超の株式トレーダー。講演・講師、取材協力、テレビ出演など多方面で活躍する独立系FP。LEC専任講師(法人事業本部)。学校法人専門学校東京ビジネス・アカデミー非常勤講師。テレビ朝日『グッド!モーニング』、BSテレ東『マネーのまなび』などに出演。日本FP協会「2021年FP広報センター」スタッフ。

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