【税理士監修】プラチナを売却すると税金がかかる?計算方法と気になる疑問点を解説!
プラチナの価格が高騰している現在、多くの人々が投資や資産運用の一環としてプラチナを保有しています。しかし、プラチナを売却する際には、税金の問題を懸念される方も多いのではないでしょうか。本記事では、プラチナを売却した場合にかかる税金や計算方法についてご紹介します。また、税金を回避する方法はあるのか、確定申告を行わないとどうなるかなど、気になる疑問点についても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。 この記事を監修した専門家
1979年東京都生まれ。早稲田大学社会科学部卒業後、関東信越国税局採用。税務大学校を首席卒業(金時計)し、中央官庁勤務や大手証券会社の投資銀行部門勤務を経て、2023年公認会計士・税理士事務所開設。法人・個人の税務顧問を務める。
プラチナ売却における譲渡所得の計算方法
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2024.11.06
金やプラチナを売却するとき、一定の条件を満たす場合は譲渡所得税と住民税の2つの税金がかかります。譲渡所得税は売却益に課税されるものであり、住民税は所得税の一部として地方自治体に支払われるものです。金売却に伴う譲渡所得の計算方法は、以下の手順に基づいて行われます。
1.売却益の計算
売却益は、売却価格から取得価格を差し引いた金額です。取得価格とは、プラチナを購入した際の価格や手数料などの諸費用の総額を指します。売却益が出ていない場合は、課税されません。
売却益=売却価格-取得価格(購入金額+手数料) |
2.特別控除を引く
譲渡所得には、年間で最大50万円までの特別控除が受けられます。つまりプラチナを売却した際の売却益が、50万円以下なら課税されません。
譲渡所得=売却益-特別控除50万円 |
3.長期譲渡所得の計算
購入後、5年以内で売却した場合は短期譲渡所得、5年超で売却した場合は長期譲渡所得となります。長期譲渡所得の場合、特区別控除50万円を引いた額からさらに半額になります。
ただし、短期譲渡所得と長期譲渡所得のどちらもある場合は注意が必要です。特別控除の50万円は、先に短期譲渡所得から控除され、その後残った金額分で長期譲渡所得を控除する流れになります。
長期譲渡所得=(売却益-特別控除50万円)÷2 |
プラチナ売却時のシミュレーション
実際にプラチナを売却したら課税金額はどれくらいになるのか、気になる方も多いでしょう。金の保有期間によって、算出方法は2種類に分けられます。ここでは、先ほどの計算式に具体的な金額を入れて、シミュレーションしてみましょう。売却金額は200万円、購入金額と取得価格は合わせて100万円とします。
短期譲渡所得(保有期間5年以内)の場合
売却金額-(購入金額+取得価格)-特別控除=短期譲渡所得
200万円-100万円-50万円=50万円
課税対象額は50万円となります。
長期譲渡所得(保有期間5年超)の場合
{売却金額-(購入金額+取得価格)-特別控除}÷2=長期譲渡所得
(200万円-100万円-50万円)÷2=25万円
購入から5年以上経っている場合、課税対象額は短期の半額になります。保有期間によって課税額が大きく変わるため、節税対策として必ず保有期間を確認しておきましょう。
プラチナ売却の気になる疑問点
プラチナを初めて売却する際は、さまざまな疑問が発生するでしょう。ここでは、プラチナを売却するにあたり、気になるポイントについてご紹介します。
プラチナの売却で税金を回避する方法はある?
プラチナの売却で利益が出ても、特別控除の金額以下の売却益であれば課税されない場合があります。ただし、特別控除額は年間で最大50万円のため注意が必要です。また、5年以上長期保有すれば課税対象額が半分になるため、節税対策として覚えておくと良いでしょう。
プラチナを売却したら確定申告は必要?
プラチナの売却で利益が出た場合は、確定申告が必要です。課税対象額に満たない場合は必要ありませんが、ほかにも所得(給与所得や事業所得)がある場合は、合算して確定申告を行う必要があります。複数の所得がある場合は、総合課税方式に基づいて税金が計算されます。ただし、給与所得者で年収が2000万円以下の場合、20万円以内の利益であれば確定申告は不要です。
200万円以下なら税務署にバレない?
金やプラチナを売却して200万円以上の買取となった場合、店側に支払い調書の提出義務があります。しかし、200万円以下の売却だったとしても、利益が出た場合は確定申告が必要であるため税務署にバレないとは限りません。申告漏れがあった場合、追微課税が発生するため注意しましょう。
まとめ
プラチナを売却した際の気になる税金問題について、譲渡所得の計算方法や気になる疑問点についてご紹介しました。基本的にプラチナの売却で利益が出た場合は、譲渡所得税がかかることを認識しておきましょう。特別控除や長期保有の特例措置などの活用で、税金負担を軽減することができます。具体的な税金額や節税対策については、専門家に相談することをおすすめします。プラチナの売却を検討中の方は、ぜひ一度「なんぼや」にご相談ください。 関連記事金とプラチナの買取相場を知ろう!
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