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貴金属比とは?黄金比や白銀比について解説

貴金属比とは?黄金比や白銀比について解説

黄金比や白銀比という言葉を聞いたことはありませんか? いずれもゴールドやシルバーといった金属の名前が付けられていますが、これはデザインや数学の分野で使われる「特定の比率」のことです。
貴金属比はデザインの美しさやバランスを考える際の重要な要素であり、私たちの日常にも様々な形で存在しています。この比率を意識し、適切に取り入れることで、洗練されたデザインを生み出せます。ここからは、そんな貴金属比について詳しく解説していきます。

貴金属比とは?

考える女性
デザイン分野における貴金属比(METALLIC RATIO)」とは、長さや大きさなどを決定する際に用いられる「特定の比率」を指します。
優れたデザインには、一定の比率や形状があると言われます。この比率で作られたものは、見る人の美しさや安定感、心地よさを与えるのです。
私たちが日常で接する多くのデザイン、たとえば名刺やハガキにも、貴金属比の一種である「黄金比」が用いられています。その他、有名企業のブランドロゴにも貴金属比は採用されています。このように、貴金属比を取り入れることで、デザインはバランスの取れた印象を持ち、より魅力的に映るとされています。
なお、数学の領域では、貴金属比は「逆数との差が自然数となる実数」として定義されることが多いです。また、貴金属数を奇数乗した場合もその結果が貴金属数になるという、興味深い特性も持っています。

貴金属比の種類は?

貴金属
貴金属比にはいくつかの種類があります。前述の黄金比以外にも、以下の比率が知られています。
・黄金比
・白銀比(大和比)
・白銀比(第2金属比)
・青銅比
・白金比
・第2黄金比
上記のなかから、代表的なものについて解説します。

黄金比

「黄金比」(第1貴金属比)の正確な比率は1:(1+√5)/2で、近似値として1:1.618が使用されます。貴金属比のなかではもっともポピュラーで、この比率を持つ物体やデザインに対しては、多くの人間が美的感覚や安らぎを感じる傾向があります。
「貴金属比」は1:(n+√n^2+4)/2の数式で表される比率を示します。nには自然数が入るため、様々な貴金属比が存在しますが、中でも黄金比が最も美しく、安定して見えるとされています。
歴史的には、黄金比が初めて使用されたとされるのは古代ギリシアの彫刻家ペイディアスが設計したパルテノン神殿です。以降、その美しさと安定感から、世界中の建築物やデザイン、たとえばミロのヴィーナスやモナリザ、サクラダファミリア、金閣寺などに取り入れられています。
また、黄金比は自然界にも広く見られます。松ぼっくりのかさや花びらの数、葉の配置など、自然が創り出す美しさの中にもこの比率が隠れていると言われています。この比率は「フィボナッチ数列」という数の並びに関連しており、デザインの応用だけでなく、細部の配置の基準としても活用されています。
なお、黄金比を視覚的に理解する際に参照されるのが「黄金長方形」です。この長方形は縦と横の比率が1:1.618となり、内部にはさまざまな大きさの正方形が描かれています。大きな正方形を取り除くと、再び黄金比の比率を持つ長方形が現れ、この繰り返しが特徴となっています。

白銀比

「白銀比」には第2貴金属比と大和比の2種類があります。
第2貴金属比の名前の由来としては、周期表で「黄金」に続く貴金属という意味が込められています。具体的な数値で言うと、白銀比は1:1+√2(1:2.414)となり、整数として近似すると5:12となります。代表的な使用例は正八角形で、時計や鏡などに用いられています。
一方、大和比は1:√2(約1:1.414)で、第2貴金属比は微妙に異なりますが、多くの場合、これら二つの比率は同等として扱われます。特に日本においては、この「大和比」は非常に親しみやすい比率として知られます。
実際に、この比率は和風のデザインや日本の伝統的な建築に頻繁に見受けられます。仏堂や法隆寺などの歴史的な建造物において、この比率を基にしたデザインが採用されていることが特徴的です。また、日常生活においても、A版やB版のような印刷用紙のサイズ規格において、この1:√2の比率が採用されています。

青銅比

青銅比は、1:(3+√13)/2、つまり近似値として1:3.303で表されます。この比率を形成する数、(3+√13)/2、は「青銅数(bronze number)」と呼ばれるものです。周期表における「銅」の位置が、金や銀とともに縦に並んで3番目になるため、「青銅比」の名がついています。
黄金比や白銀比と並び、青銅比も人間にとって美しく感じられる比率として知られています。たとえばWebデザインでは、メインビジュアルやキービジュアルと呼ばれる大きな写真エリアの縦横比として利用されるケースがあります。とは言え、デザインの実用例としては、黄金比や白銀比に比べると頻度は低めです。

白金比

白金比(プラチナ比)は1:√3として数学的に表され、近似値は1:1.732となります。この数値は、正三角形の底辺の1/2の長さとその三角形の高さとの比に等しい定数を示しています。名称の由来は、美しい光沢を持つ宝石や装飾品として用いられる「白金」からきており、これは人々がこの比率に美感を感じることを示唆しています。
「黄金比」や「白銀比」が多くのデザインや芸術作品で使われているのとは対照的に、白金比を明示的に利用した作品やデザインはそれほど多くはありません。しかし、デザインにおける複数の要素の配置に用いると、全体の収まりやバランスが向上することが知られています。

まとめ

ポイント紹介する女性
今回は貴金属に関する豆知識として、貴金属比を取り上げました。実際に、ジュエリーやブランドロゴデザインなどには、黄金比をはじめとする貴金属比が使われていることも少なくありません。
「なんぼや」では、こうしたデザイン性の高いジュエリー・アクセサリーの買取にも力を入れています。売却をご検討中の方は、ぜひ当店までお持ち込みください。

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水野崇

水野様

キャリア20年超の株式トレーダー。講演・講師、取材協力、テレビ出演など多方面で活躍する独立系FP。LEC専任講師(法人事業本部)。学校法人専門学校東京ビジネス・アカデミー非常勤講師。テレビ朝日『グッド!モーニング』、BSテレ東『マネーのまなび』などに出演。日本FP協会「2021年FP広報センター」スタッフ。

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