金の価値が下がらないのは本当なのか…金取引の前に知るべき基礎知識
金製品の購入を検討したときには、「金は価値が下がらないから」と勧められるケースは少なくありません。
また金製品の売却を検討する際には、「今は価値が高まっているから売り時ですよ」なんて営業されるケースもあるでしょう。金と言えば、「安心・安全な資産」として、これまで広く親しまれてきました。
なぜ金は「価値が下がらない」と言われているのでしょうか。また、「金の価値が下がらない」というのは、本当のことなのでしょうか。金の売買を検討する際に、気になるポイントについて解説します。
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金の価値は下がらないわけではない
金の取引でよく言われるのは、「金の価値は下がらない」というフレーズです。
投資対象としての金だけではなく、ジュエリーや高級ブランド時計を購入する際に、このようなフレーズを耳にした経験がある方も多いのではないでしょうか。
本当に「金の価値は下がらない」のであれば、所有しておいて損はありません。しかし残念ながら、それほどうまい話は存在していません。
金の価値は比較的安定していると言われていますが、「金の価値が下がる」ということもあるのです。
過去の値動きをチェックしてみよう
年 | 金価格年次平均(円/g) | 年次最高金価格(円/g) |
---|---|---|
2000年 | 1,014円 | 1,140円 |
2001年 | 1,105円 | 1,229円 |
2002年 | 1,296円 | 1,402円 |
2003年 | 1,399円 | 1,510円 |
2004年 | 1,472円 | 1,548円 |
2005年 | 1,619円 | 2,088円 |
2006年 | 2,287円 | 2,562円 |
2007年 | 2,659円 | 3,070円 |
2008年 | 2,937円 | 3,339円 |
2009年 | 2,951円 | 3,475円 |
2010年 | 3,477円 | 3,807円 |
参考:田中貴金属工業
金の価格は、2000年代以降急激に上昇しました。様々な経済的な不安が原因となり、資産が金に流れたことが、金価格上昇の要因だと言われています。
わずか10年の間に金の価格は4倍以上も値上がりしましたから、確かに「2000年代初頭に購入した金製品は、価値が下がっていない」ということになります。
しかし直近の数年間のデータをチェックしてみますと、緩やかながら金の取引価格も上下に揺れ動いていることがわかります。
年 | 金価格年次平均(円/g) | 年次最高金価格(円/g) |
---|---|---|
2015年 | 4,564円 | 4,985円 |
2016年 | 4,396円 | 4,655円 |
2017年 | 4,576円 | 4,751円 |
2018年 | 4,543円 | 4,827円 |
2019年 | 4,918円 | 5,343円 |
2020年 | 6,122円 | 7,063円 |
2021年 | 6,402円 | 6,897円 |
2022年 | 7,649円 | 8,154円 |
2023年 | 8,834円 | 9,935円 |
参考:田中貴金属工業
2015年には1グラム当たり4,500円以上で取引されていた金ですが、翌年の平均は4,300円代というデータもあります。2015年の金価格の1g平均が4,564円で年最高値が4,985円であり、翌年の2016年の金価格の1g平均が4,396円で年最高値が4,655円と1年で金価格が下がって例もあることがわかります。
2015年に高い価格で金を購入した方が2016年に金を売却しようとしたら、「金の価値が下がった」ということになります。 関連記事金の価値と価格の推移~覚えておきたいチャートの見方
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2024.03.13
なぜ金価格が下落したのか?
では、金価格が下落した理由はどこにあるのでしょうか?
2015年から2016年の例をとってみてみると、金価格の上昇は2008年秋のリーマンショックによる世界経済の不安定な状況で資金が金市場に流入し、2015年までに一気に金価格が上昇しました。事実、2009年から2015年までに金価格の1g平均は2,951円から4,564円と1,500円もの値上がりをしています。
2015年あたりから金融市場も落ち着きだし、世界経済も好転しだしたこともあり、金投資の需要も減り、金価格が低下したといえます。事実、2015年の12月にアメリカは利上げを行い、加熱した景気を抑える動きをしています。つまり、経済などの世界情勢が安定していると金価格は下がったり、安定した動きを見せるということがわかります。
ほかの資産と比較して、安定性が高いのは事実
金の価格も上下しますが、そのほかの資産と比較して安定性が高いのは事実です。
株式や債券は会社や国が破たんした場合、その価値は「ゼロ」になってしまいます。
一方で資産を金に換え、手元に置いておけばそのような事態は回避できます。金には金属としての高い価値があり、世界中どこへ行ってもその価値は通用します。
「価値が下がらない」というわけではありませんが、不安定な情勢においても「価値が下がりにくい」のは事実。こうした面で、金は投資家たちの注目を集めているのです。
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金に価値がある理由とは?
金の価値が下がりにくい理由は、「金」という素材が持つ特徴に起因しています。
- 地球上に存在する量が決まっており、希少価値が高い
- 見た目が美しく、求める人が多い
- 加工のしやすさと耐久性の高さで、あらゆる場面で活用しやすい
- 人工的に作り出すことが難しい
使い勝手がよく見た目も美しい金は、様々な場面で活用されます。それにも関わらず、地球上に存在している金の量は定まっており、これまでに採掘された量を合わせますと、17万トン程度だと言われています。
まだ地球上には6~7万トンの金が眠っていると言われていますが、それらを掘り起こすためにはばく大なコストがかかってしまいます。
限られた流通量を求める人が多くなれば、その価値は自然と高まるということ。
特に2000年代以降は、不安定な経済状況から金を購入する方が増え、その価値をどんどん上げてきたのです。ここでは、金の価値が下がらないと言われる理由について深堀りします。
地球上に存在する量が決まっており、希少価値が高い
地球上に存在する金の量は限られており、World Gold Council による2023年までのデータによると、すでに採掘された金の総量は約21万トンとされています。
また、地下にはまだ約5万トンの金が眠っていると推定されていますが、年間の採掘量が3,000トン程度であり、採掘可能な金の残量は急速に減少しています。さらに、金は再生可能な資源ではないため、一度採掘されるとその量は減少する一方です。
地球上での金の存在量は、他の多くの資源と比べても非常に少なく、金の希少価値は高まる一方です。
そのため、金は投資家や消費者にとって、価値の保持や向上という点で魅力的で、経済が不安定な時期でも価値を維持しやすい傾向にあります。
金の希少性が、長期的に価値が安定している理由の一つであり、投資対象として魅力を高めているのです。
見た目が美しく、求める人が多い
金の美しさは古代から現代に至るまで人々を魅了し続けています。金の輝きは他のどの金属にも見られない特別なもので、この輝きによる美しさが金に対する高い需要の一つの理由です。
また、金の光沢とその特有の色は、装飾品としてだけでなく権力や富の象徴としても広く認識されています。金は、人々が身につけることで自己のステータスを示す手段として用いられることが多く、純金製のアイテムは社会的な地位や成功の象徴です。
金製のジュエリーは、その耐食性と美しさから、結婚指輪や記念品などの特別な瞬間を祝うアイテムとしても選ばれます。
非常に柔らかく加工しやすいため、ジュエリー業界でも人気の素材です。熟練した職人によってさまざまな形状やデザインに加工され、個性的な作品が生み出されています。
また、金の美しさは文化や時代を超えて広く認められており、全世界で求められ続けている貴金属です。金製のアイテムは、贈り物としても高く評価され、記念日や特別なイベントでの贈り物として選ばれることが多く、人々に喜びや幸福感を与えています。
人々が金を求める理由は多岐にわたりますが、その根底には金の美しさとそれが象徴する価値があるわけです。
金が持つ美しさと希少性は、これからも人々の心を捉え続け、金の価値を支えていくことでしょう。
加工のしやすさと耐久性の高さで、あらゆる場面で活用しやすい
金は、加工がしやすく、かつ非常に耐久性が高い貴金属であるため、装飾品から工業製品、医療用具まで、幅広い用途で利用されています。
金の展延性は非常に高く、あらゆる金属の中で最も延性があり、一オンスの金(約28グラム)からは約2,000Kmの長さ(太さ1ミクロン)のワイヤーを作ることができます。この性質が、細かいジュエリーの製作や、電子製品の微細な配線などに活用される理由です。
また、金は他の金属と比較しても酸化しにくく、長期間にわたりその輝きを保ち続ける、高い耐久性を持っています。
そのため、金製の製品は世代を超えて家族で受け継がれることが多く、その価値を長く保てるのです。
また、金は非常に柔らかい金属であり、他の金属と合金を作ることで硬度を調整して用途に応じた製品を作り出すこともできます。例えば、ジュエリー業界では純金(24K)よりも、純金よりも硬く日常使用に耐えられる18Kや14Kの金合金の方が利用頻度が高いです。
金の耐久性と加工のしやすさは工業分野でも重宝されており、特にスマートフォンやパソコンなど、私たちの身の回りの多くの電子機器に使われています。
金の加工のしやすさと耐久性の高さは、金が単なる装飾品の素材にとどまらず、科学技術や医療分野でも価値ある材料となっている理由です。
人工的に作り出すことが難しい
金は、その希少性と特有の物理的性質から、人工的に作り出すことが非常に困難です。
自然界で生成される金は、星の内部で起こる核融合反応や超新星爆発など、宇宙の壮大なプロセスを経て地球に存在するようになりました。
しかし、金の自然生成のプロセスは数十億年におよぶ時間スケールで発生するため、人工的にこれを模倣することは現代の科学技術では不可能です。また、金を化学的に合成することも、現在のところ実現できていません。
金の原子番号は79であり、これを作り出すためには、他の元素の原子核を変化させる必要がありますが、これは原子核変換という、非常に高度でコストがかかるプロセスを要します。
実際に原子核変換で金を生成する試みは過去に行われていますが、生産される金の量は微量であり、そのコストは金の市場価値をはるかに超えてしまいます。
自然界での生成が非常に稀であり、かつ地球上ですでに採掘されている金の量も限られているため、金の希少性はそのまま価値に直結しているというわけです。
金の価値 日本における金の価値は為替相場にも影響される
日本国内における金の価値は、為替相場にも影響されます。ドル建てで取引される金を「輸入する」と考えますと、両者の関係性ははっきりと見えてきます。
円高が進めば、その分金を安く輸入できることになります。国内における金の販売価格は下落し、その分だけ価値が下がるというわけです。
反対に円安が進めば、その分金の価格は高くなります。これまでよりも価値が高まり、売却に適した時期を迎えるというわけですね。
この先円高に振れるか円安に振れるか、短期的な目線で予測するのは難しいでしょう。長期的な目線で日本のこれからを予測し、その他の投資手法と金購入のバランスを意識することが重要だと考えられます。
その他の金価格に影響を与える要因
金価格に影響を与えるその他の要因は、需要と供給のバランス、世界情勢の安定性、金利の変動、インフレの動向などです。たとえば、2022年3月のロシアによるウクライナ侵攻は、安全資産としての金への需要を高め、価格を押し上げました。
金利の上昇は金に対する投資の魅力を低下させますが、アメリカの金利上昇は特に金価格に大きな影響を及ぼします。
インフレ懸念が金に対する需要を高める一方で、インフレの鎮静化はその逆の効果をもたらします。金の市場はこうした要因によって形成されるため、金投資の際のリスク管理にはこれらの要因の理解が不可欠です。
2024年現在、金価格が高騰している理由
2024年現在、金の価格は1gあたり10,000円を超え、10年前に比べて価格が2倍以上になりました。
2024年7月17日には金価格の史上最高値である1gあたり13,879円となりました。
この高騰の背景には、円安や地政学リスクの高まり、新型コロナウイルスの大流行による経済の不確実性、金の供給と需要のバランスの逆転、さらには低金利環境が続いていることが挙げられます。
円安の影響で国際価格が上昇する一方、地政学リスクや経済の不確実性も高まり、投資家は安全な避難先としてより好んで金を選択するようになりました。その結果、需要が供給を上回り価格が上昇しています。
今後の金相場予想
金価格の将来に関しては、短期的には金利上昇などの要因で価格が停滞したり、下落する可能性がありますが、長期的には価格上昇の傾向が続くと見られています。
金は限りある資源であり、その希少性と幅広い用途により、需要は持続的に高まります。
また、2022年のロシアによるウクライナ侵攻など、地政学的な不安は高まっており、金への投資需要は増加傾向です。
ただし、金価格は為替レートや世界経済の状況に左右されるため、予測は困難と言えます。
将来の金価格を予想する際は、為替相場や地政学リスク、経済政策の動向など、多角的な視点から分析するようにしましょう。
2024年は金を売るのにオススメの年
史上最高値を記録した2024年は金を売るオススメの時期ともいえます。10年純金積立を行ってきた場合、金売却で10倍の利益が出ているという計算も出ています。
インフレの影響を受けにくい金資産を保有しておくことが大事という見方もありますが、金は株式などと異なり、保有しておくことによる利息や配当金などの利益などが得られることはないため、保有しておくだけで利益がでるというものでありません。
金投資を行っている方は間違いなく、2024年は金の売り時であることを覚えておくとよいでしょう。
金の価値を正しく知って取引しよう
金の取引を行う際には、金の価値がどのように決定されるのか、基本的な仕組みだけでも頭に入れておくのがオススメです。あとから「こんなはずじゃなかったのに!」と思うような失敗を、予防できることでしょう。
比較的安全性が高いと言われている「金」ですが、その価値は「これからずっと下がらない」というわけではありません。
株や債権と違って急激に「ゼロ」になることはなくても、その価値が下落する可能性はあるということを、しっかりと頭に入れておいてください。
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