ガーネット/Garnet
ガーネットと言えば、ブラウン系の石でリーズナブルな天然石と思われることが多いのですが、実は“ガーネット”は鉱物グループの総称で、実際には多種多様なガーネットが存在しています。
青以外のほとんどの色を有し、種類によっては高級宝石にも引けを取らない価値ある宝石なのです。
中でも、ビビットな緑色でダイヤモンドに匹敵する輝きを有するデマントイドガーネットは、セレブをも魅了する美しさを誇ります。
ガーネットの名称の由来や個別名称、その特徴や価値、石にまつわる言葉の意味などをご紹介します。
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ガーネット宝石の属性
名前 | ガーネット |
英語名 | Garnet |
和名 | 柘榴石(ざくろいし) |
色 | 無色透明、黄、黄褐色、オレンジ、茶、茶褐色、赤茶、赤、緑、黄緑、黒 |
グループ(種・変種) | アルマンディンガーネット(アルマディンガーネット/アルマンダイト)、パイロープガーネット、スペッサタイトガーネット(スペサルタイトガーネット/スペサルティンガーネット/スペッサルト)、グロッシュラーガーネット(グロッシュラーライトガーネット)、アンドラダイト、ウバロバイト、デマントイドガーネット、グリーングロッシュラーガーネット(ツァボライト/サボライト/グリーンガーネット)、ロードライトガーネット、ヘソナイトガーネット |
硬さ(モース硬度) | 6.5 – 7.5 |
光沢 | ガラス光沢 |
化学成分 | A3B2(SiO4)3もしくはA3B2C3O12 ※ A・B・Cのそれぞれにガーネット種の特性に合わせてCa・Mg・Al・Fe等の元素記号が入ります。 |
結晶系 | 等軸晶系 |
誕生石 | 1月 |
ガーネット宝石言葉・意味
- 宝石言葉
- 真実、繁栄、実り、友愛、情熱
- 意味
- 人生に忠実であれば実り多く繁栄が約束される
ガーネット産出国・産地
- ナイジェリア:インセン/Iseyin、イバダン/Ibadan
- タンザニア:メレラニ/Merelani、ロリオンド/Loliondo
- ケニア:ツァボ/Tsavo
- チェコ:ボヘミア/Bohemia、テプリツェ/Teplice、プラハ/Praha、カルロビ・バリ(カルロヴィ・ヴァリ、カールスバート、カールスバッド)/Karlovy Vary(Karlsbad,Carlsbad)
- マダガスカル:トリアラ(トリアリィ)/Toliara(Toliary)
- スリランカ:ラトナプラ/Ratnapura、モネラガラ/Moneragala
- アメリカ:カリフォルニア/California、アリゾナ/Arizona、ネバダ/Nevada、マサチューセッツ/Massachusetts、ノースカロライナ/North Carolina、ジョージア/Georgia、ニューハンプシャー/New Hampshire、アメリア郡/Amelia、サンディエゴ郡/San Diego、ラモナ(ラモーナ)/Ramona、ペンシルベニア州/Pennsylvania、ニューメキシコ州/New Mexico
- イタリア:ピエモンテ/Piemonte、マレンコ/Malenco、ヴァルマレンコ(キエーザ・イン・ヴァルマレンコ)/Valmalenco(Chiesa in Valmalenco)、マルティニアナ・ポー/Martiniana Po
- カナダ:ケベック/Quebec
- ナミビア:エロンゴ/Erongo
- イラン:ケルマーン/Kerman
- ミャンマー:モゴック(モゴク)/Mogok、ヤメシン/Yamethin
- ロシア:ナザムスキー/Nazyamskie、ウラル(ウラール)/Ural
- アフガニスタン:カンティウォウ/Kantiwow、ムンジャガイ/Munjagai
- ウクライナ:ドニプロペトロフスク/Dnipropetrovsk
- ノルウェー:ドラメン/Drammen、ボーデ(ボードー)/Bodo
- メキシコ:ソノラ/Sonora
- 日本:奈良県吉野郡天川村、福島県塙東白川郡塙(はなわ)町、福島県石川郡、愛媛県四国中央市、長野県、新潟県糸魚川市
- オーストリア:ツィラー/Ziller、エッツタール/Ötztal
- インド:ラージャスターン/Rajasthan
- 南アフリカ共和国:ケープ/Cape
- 中国:福建省(ふっけんしょう)
- パキスタン:アザド・カシミール/Azad Kashmir
- ブラジル:ミナスジェライス州/Minas Gerais、セアラー州/Ceará、アラスアヒ/Arassuahy
- マダガスカル:全域
- ジンバブエ:全域
- マリ共和国:全域
- クイーンモードランド(ドローニングモードランド):全域
- パキスタン:全域
- ドイツ:全域
- 韓国:全域
- トルコ:全域
- ザイール:全域
- スイス:全域
ガーネット特徴・特性
ガーネットは、ひとつの宝石名ではなく、似た化学成分を持つ鉱物のグループ名として存在しています。
アルミニウムが含まれるパイラルスパイト系と、カルシウムが含まれるウグランダイト系の2種があり、さらにパイラルスパイト系3種(アルマンディンガーネット、パイロープガーネット、スペッサタイト)、ウグランダイト系3種(デマントイドガーネット、アンドラダイト、ウバローバイト)に分かれます。
この6種のうちの2種が混ざり合うことで(固溶体 ※1)特徴のあるガーネットが生まれたり、色によって別名が作られたりすることがあるため、コマーシャルネーム(※2)も含めてガーネットには多くの名称があります。
カラーも豊富で、青以外のほとんど全ての色を有しています。
また、2条以上の光の筋が見られるスター効果のあるものや、バイカラーのもの、光源によって色が異なって見えるアレキサンドライト効果のあるものもあります。
ガーネットの名称の由来
結晶の形が柘榴(ざくろ)の実(種子)に似ていたことから、ラテン語で種子という意味の「Granatum」を語源として、名付けられました。また、同じ理由から、和名も柘榴石となりました。
ガーネット価値
ガーネットは、産出量の多いものから希少なものまで様々あるため、同じ高品質のものでも種類によっては10倍以上、資産的価値が異なる宝石です。
その中でも最も高評価になる種が、デマントイドガーネットです。
その他、グロッシュラーガーネットであるグリーンガーネット(ツァボライト)、ミントガーネット、リューコガーネット、ヘソナイト、スペッサタイトの中でもビビットなオレンジ色を誇るマンダリンガーネットなども、人気があり希少なことから高評価が得られる種となります。
ガーネットの種類
パイラルスパイト系
アルマンディンガーネット
ガーネットの代名詞としても知られ、まれにスター効果のある石も見られる、ワインレッド色のアルマンディンガーネットの詳細はこちら
アルマンディンガーネット(アルマディンガーネット/アルマンダイン/アルマンダイト)/Almandine Garnet(Almandine/Almandite)
パイロープガーネット
ヨーロッパの一国である帝国の繁栄の礎としても貢献した、ルビーにも匹敵する美しい赤い色を誇るパイロープガーネットはこちら
スペッサタイト
ビビットな明るいオレンジが特徴のマンダリンガーネットや、チェリーレッドのカシミリンなどが高く評価されているスペッサタイトの詳細はこちら
スペッサタイトガーネット/Spessartine garnet
カラーチェンジガーネット
2つの光源の元で、アレキサンドライトに肩を並べるほどのはっきりとしたカラーチェンジ効果が見られるカラーチェンジガーネットの詳細はこちら
カラーチェンジガーネット/Color change garnet
ロードライトガーネット
アルマンディンガーネットとパイロープガーネットの成分が混ざり合うことで生まれたロードライトガーネットの詳細はこちら
マラヤガーネット
パイロープとスペッサタイトの成分が混ざり合うことで生まれたマラヤガーネットの詳細はこちら
マラヤガーネット(ウンバライト、マヘンゲガーネット)/Malaya Garnet(Umbalite、Mahenge Garnet)
ウグランダイト系
グロッシュラーガーネット (グロッシュラーライトガーネット)
色によって、グリーンガーネット(ツァボライト)やミントガーネット、無色透明のリューコガーネットやオレンジ色のヘソナイト等の別名を持つグロッシュラーガーネットはこちら
グロッシュラーガーネット(グロッシュラーライトガーネット)/Grossular Garnet(Grossularite Garnet)
グリーンガーネット(ツァボライト)
バナジウムとクロムによって、緑色に発色するグリーンガーネット(ツァボライト)はこちら
グリーンガーネット(ツァボライト)/Green Garnet(Tsavorite)
ミントガーネット(ライムガーネット、ミントグリーンガーネット)
濃い緑色のグリーンガーネットとは異なり、パステル調や蛍光色を思わせる、青や黄の含まれた緑色をしたミントガーネットはこちら
ミントガーネット(ライムガーネット、ミントグリーンガーネット)/Mint Garnet(Lime Garnet,Mint Green Garnet)
ヘソナイト
マンガンや鉄によってオレンジやオレンジブラウンに発色する、ヘソナイトガーネットについてはこちら
ヘソナイトガーネット(ヘッソナイト)/Hessonite Garnet
リューコ/ホワイトガーネット
透明無色のことからホワイトガーネットと呼ばれることもある、リューコガーネットはこちら
リューコガーネット(ホワイトガーネット)/Leuco Garnet(White Garnet)
マリガーネット
アンドラダイトとグロッシュラーの成分が混ざり合うことで生まれたマリガーネットの詳細はこちら
アンドラダイト
カルシウムと鉄が主成分で、ガーネットの中でも最も価値の高い緑色のデマントイドガーネットや、遊色効果のあるレインボーガーネットも同種の、アンドラダイトの詳細についてはこちら
アンドラダイト(アンドラダイトガーネット)/Andradite(Andradite Garnet)
デマントイドガーネット
緑色のアンドラダイトで、ガーネットの中で最も価値が高く、透明度もあり美しいデマントイドガーネットの詳細はこちら
デマントイドガーネット /Demantoid garnet
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