2030年の金価格はどう動く?今日以降の推移を予想
金価格の歴史的高騰が続く中、2030年に向けてどのように推移するのか気になっている方も多いでしょう。今回は、現在までの金価格の推移や上昇・下落の要因、2030年に向けた見通しをお伝えします。
現在までの金価格の推移について
金価格の相場は過去40年間で大きく上昇しています。1970年代には1,000円前後だった金の平均価格が、2022年には7,000円を超えており、7倍以上の上げ幅です。ただし、特定の期間を切り取ってみると下落が続くタイミングもあり、常に上がり続けていたわけではないことがわかります。
各年代で金価格がどのように変動したのかについて、具体的な出来事と合わせて以下の年表にまとめました。
年代 | 出来事 | 金価格の推移 |
1970年代〜1980年前後 | 金輸出の自由化 ソ連のアフガニスタン侵攻 イラン革命 第2次石油危機 |
資産を金に替える動きが活発化し、金価格が高騰 |
1980年〜2000年まで | 原油価格の大幅な値下げ バブル経済 米ソの緊張緩和(デタント) |
経済不安が軽減されたことで現金(特に米ドル)の信用がアップし、金価格が下落 |
2000年代前半 | 世界同時多発テロ イラク戦争 サブプライムローン問題 リーマンショック |
世界的に金融不安が蔓延し、金価格が急騰 |
2010年以降 | 新型コロナウイルスの流行 ウクライナ有事 |
米経済の回復とともに金価格は下落していたが、新型コロナウイルスの流行やウクライナ有事をきっかけに再び高騰 |
金価格上昇の要因は?
金価格の上昇には、さまざまな要因が影響しています。こちらでは、代表的なものをいくつかご紹介します。
経済状況の悪化
一般的に、戦争や金融危機により、経済状況が悪化すると金価格は上昇するといわれています。現金や株式など、従来の資産に対する信頼が低下し、代わりに金を購入する方が増えるためです。近年の金価格の高騰は、新型コロウイルスの流行による経済状況の悪化がもっとも大きな要因とされています。
ドルの価値低下
金価格は、基軸通貨であるドルの価値に強く影響を受けます。具体的には、ドルの価値が低下すると金価格が上昇し、ドルの価値が高まると金価格は下落します。そのため、金価格が上昇するタイミングを見極めるには、アメリカ経済にも目を向けることが重要です。
用途の拡大
金の新たな使い道が見つかれば、需要が拡大し、価格の上昇が見込めます。近年では工業製品や医療機器分野でのニーズが高まっており、金価格を押し上げる要因となっています。
低金利政策
各国が低金利政策を実施すると、預金によって利息を得ることが難しくなり、資産を別のものに替える動きが活発化しやすくなります。金は、実物資産の中でも価格が安定しやすいことから選ばれやすく、ニーズが高まることで価格も上昇します。
金価格が下落する主な要因
次は、金価格の下落につながる要因を3つご紹介します。
金利上昇
景気の過熱を抑制するために金利が引き上げられ、経済が安定すると、多くの方が資産を預金や株式などに回すようになります。少ない元手で高いリターンを得られやすくなるためです。これにより金の需要が低下し、価格も下落します。
金の流通量増加
市場に出回る金の量は、新たな採掘手法の確立や鉱山の発見などにより増加する可能性があります。この場合、人々が金を入手しやすくなるため、価格は下落するでしょう。
社会情勢の安定
冷戦化におけるデタントのように、社会情勢の不安が取り除かれるような出来事が起こると、金価格は下落します。ウクライナ有事や台湾有事、米中貿易摩擦など、世界的な影響が考えられる問題がどのような結末を迎えるのか、常にチェックしておく必要があるでしょう。
2030年の金価格はどうなるか?
最後に、2030年の金価格がどうなるのかを考えます。
長期的には上昇傾向と見るのが一般的
2030年に向けた金価格の推移としては、一般的には上昇傾向にあるとの見方が優勢です。実際、金価格は2022年に一時的に停滞したものの、2023年には再び高値を目指して上昇しています。
また、コロナ禍は収束しつつあるものの、ウクライナ有事や台湾有事、米中貿易摩擦など、アメリカ経済を含む世界経済に影響を与える問題が多く残されています。これらが契機となり、実物資産である金の需要が高まれば、金価格も上昇するでしょう。
急落の可能性を考えた売却もおすすめ
一方で、短期的に見れば、ある地点において金価格が急落する可能性もあります。例えば、コロナ禍の収束によって消費行動が活発化し、経済が安定することで金価格が下落するケースなどです。
歴史的に見ても、金価格の下落が長期にわたって続く可能性もあります。もし金製品の売却を検討している場合は、価格が上昇傾向にあるうちに売却する方法もおすすめです。買取店のホームページなどを定期的に確認し、金価格の変動をチェックしておくと良いでしょう。
まとめ
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