金相場のドル建てと円建ての関係｜金価格の今後の見通しを解説
金相場の今後を把握するには、円建てだけでなくドル建ての価格についても理解することが重要です。そこで今回は、金相場におけるドル建てと円建ての関係や、金価格の今後の見通しを解説します。
金相場にはドル建てと円建てがある
金相場のチャートを確認すると、ドル建てと円建ての2種類があることがわかります。これは文字通り、米ドルベースの金価格と円ベースの金価格の2つを表しています。なぜ2つのチャートが必要なのでしょうか。
金相場にドル建てと円建てがある理由
金は通常、国際市場ではドル建てで取引されます。そのため、金価格の基準となるのはドル建ての価格です。
一方で、ドル以外の通貨が流通している国では、国内で金製品を取引する際にその国の通貨を基準にした価格が用いられます。そのため、日本の場合は円建ての金価格が必要になります。
金相場におけるドル建てと円建ての関係
円建ての金価格は、ドル建ての金価格とドル/円の為替レートによって決定されます。ここで重要なのが、円建ての金価格がドル建ての価格だけでなく為替の影響も受けるという点です。
具体的には、ドル安/円高になると円建ての金価格は下落し、ドル高/円安の局面では円建ての金価格は上昇する傾向にあります。そのため、ドル建ての金価格が上昇すると円建ての価格も基本的には上がるものの、為替の値動きによっては異なる動きをする可能性もあるのです。
実際、2023年6月に円建ての金価格は最高値を更新（9,876円/1g）しましたが、ドル建ての金価格は同じような結果に至っていません。これは、急速な円安によって円建ての金価格のみが高騰したためです。
ドル建ての金相場が変動する要因
円建ての金価格は為替の影響も受けるものの、基本的にはドル建ての相場と連動しています。そのため、金製品の購入・売却の適切なタイミングを把握するには、ドル建ての金相場がどのような要因で変動するかを理解しておくことが重要です。
アメリカの経済状況
アメリカの経済状況は、ドル建ての金相場に大きな影響を与えます。具体的には、アメリカ経済が好調で好景気になると、人々はハイリスクハイリターンな投資を好むようになり、金以外の投資商品の需要が増すのが一般的です。その結果、ドル建ての金相場は下落する可能性があります。
反対に、アメリカ経済が不調で不景気になると、安全資産である金の需要が高まり、金相場は高騰する傾向にあります。
米国金利
アメリカ国内における金融政策も、ドル建ての金相場が変動する要因です。具体的には、米国金利が引き上げられると、インカムゲインのない金に対する投資の魅力は低下します。その結果、ドル建ての金価格が下落する傾向にあります。反対に、米国金利が引き下げられると、現物資産として価値の高い金の需要が増し、価格も上昇するのが基本です。
米ドルの価値
米ドルの価値が変動すると、ドル建ての金相場も影響を受けます。具体的には、米ドルが強くなると米ドルを保有する価値が高くなるため、金への投資意欲が失われます。その結果、ドル建ての金価格は下落するのが通常です。反対に、米ドルが弱くなると人々は米ドルを手放そうとするため、現物資産の金の需要が高まり、相場も上昇します。
ドル建て金価格の今後の見通し
アメリカでは、経済活動の再開やウクライナ危機による食糧供給網の混乱などの影響で、急激なインフレが発生し、その対応策として金利の引き上げを実施しました。その結果、ドル建ての金価格は、コロナ禍における急騰や2022年に過去最高値に接近したタイミングと比べると落ち着きを見せています。
一方で、ウクライナ危機の長期化や大手銀行の破綻などにより、アメリカの景気後退に対する懸念はなくなっていません。「長期的にはドル建ての金価格は上昇する」「過去最高値を更新する可能性がある」といった予想もあります。円建ての金価格にも影響が出る可能性があるため、常にドル建ての相場にも注目するようにしましょう。
まとめ
円安の影響もあり、金価格が高騰している今は、金製品を高値で売却するチャンスです。お手元に使っていない金製品がある場合は、ぜひ「なんぼや」までお持ちください。経験と実績の豊富なプロが丁寧に査定し、できる限りの高価買取を実現いたします。
