ウクライナ有事で金相場の見通しはどうなる?ロシアとの衝突で相場が高騰している理由
ウクライナ・ロシア間で勃発した戦争は、金相場にも大きな影響を与えました。2023年9月現在、金相場は上昇傾向にあります。史上初めて1万円を超えた金価格のニュースに驚いた方も多いのではないでしょうか。
ウクライナショックをはじめ、さまざまな理由で金価格は高騰しています。金売却のタイミングを見極めるためには、金相場が高まる理由について知ることも大切です。今回は、ウクライナ有事による金相場への影響や、金相場が上昇した理由、今後の見通しなど、さまざまな情報を解説します。
ウクライナ有事による金相場への影響
ウクライナ有事は、2022年2月24日にロシアがウクライナに侵攻したことで勃発した戦争です。NATO(北大西洋条約機構)による東進(加盟国を増やす動き)から、ウクライナに住むロシア系住民を守ることを口実にしています。この戦争は、2023年9月時点でも終結しておらず、長期戦の様相を呈しています。
ウクライナ有事で金相場はどう変動した?
2022年2月のウクライナ有事以降、金相場は高騰を続けています。2023年8月29日には、日本における金価格が10,001円/1gとなりました。この時点での史上最高値であり、初の1万円越えを果たしたことでも話題となりました。2023年9月現在も上昇傾向にあり、史上最高値を着々と更新しています。
ちなみに、日本では1gあたりの金価格が基準となりますが、国際的には1トロイオンスあたり何ドルになるかが基準とされます。1トロイオンスは約31.1035gです。2023年8月の海外ドル建て価格の平均値は、1トロイオンスあたり1,920.03ドルでした。これは2023年9月15日時点で283,680.59円に相当します。基本的に金の世界相場が上がれば日本の金相場も上がりますが、ドル円の為替相場も関係してくる点に注意が必要です。
この歴史的な金相場の高騰はウクライナ有事の影響も大きいとされますただ、それだけではなく、新型コロナウイルスの流行による経済不安の蔓延や、米国大手銀行の相次ぐ経営破綻など、戦争と複数の要因が関係していると考えられます。
金相場が上昇する要因
そもそも、金相場はどのような要因で上昇するのでしょうか。ウクライナショックによる金相場高騰の理由を見る前に、基本的な内容をチェックしておきましょう。こちらでは、主な要因を5つご紹介します。
地政学的なリスク
戦争やテロ、政治的な混乱などにより地政学的な緊張が高まると、金相場は上昇します。先行きが不透明な状況を案じた投資家が、リスクを回避する目的で現金を安全資産である金へと換えるためです。
経済不安
金相場は、世界経済にも大きな影響を受けます。金融危機や株価の大幅な下落、景気の後退などにより経済不安が生じると、金相場は上昇します。現金の信用度が低下し、安全資産である金に交換する動きが活発化するためです。
インフレ
インフレも、金相場が上昇する要因の一つです。インフレとは物価の上昇を意味します。インフレになると、同じお金でも購入できる商品の量が減るため、実質的に現金の価値は低下します。そこで、リスクヘッジとして金を購入する人が増え、金価格を押し上げる仕組みです。
中央銀行の低金利政策
中央銀行が低金利政策を実施すると、金相場の上昇につながります。金利が引き下げられると、現金を銀行に預けているだけでは資産が増えません。そこで、投資商品としての金の需要が高まり、相場が高騰します。実際、2008年に起きたリーマンショック以降、世界的な低金利時代が到来し、金の価格は大きく上昇しました。
米ドルの値動き
基軸通貨である米ドルと金相場の値動きには、相関関係があります。具体的には、米ドルの価値が上がると金の価格は下がり、米ドルの価値が下がると金の価格は上がります。つまり、米国内の経済が不安定になると、金相場は上昇するのが一般的です。近年では、2023年に起きた米大手銀行の相次ぐ経営破綻により、金の価格は高騰しました。
ロシアとウクライナの衝突によって金相場が高まった主な理由
ロシアによるウクライナ侵攻によって金価格の高騰につながった主な理由の一つとされるのが、戦争による不安で世界各地に有事の雰囲気が漂っていることです。このような状況に陥ると、株式や不動産などの資産に代わって、不変の価値を持つとされる金が人気となります。ウクライナ有事が長期化することで不安は高まり、ますます金の需要が上がることも考えられるでしょう。
ロシアとウクライナの緊張状態が続くなかでの金価格の見通し
リーマンショック以降の世界的な経済不況や、2020年に始まった新型コロナウイルスの流行などの影響を受け、近年は金相場の高騰が続いています。2023年9月に史上最高値を記録し、それ以降も高い水準をキープしているのが現状です。
しかし、今後の金相場は一時的に落ち着くとの予想も出ています。新型コロナウイルスが収束しつつあり、世界中で経済活動が活発になっているためです。
長期的には上昇する可能性が高い
上記のような予想がある一方で、長期的に見ると金相場は上昇する可能性が高いともいわれています。経済は復調しつつあるものの、それにともなう急激なインフレやウクライナ有事、米中貿易摩擦など、金相場を押し上げる要因がまだ残されているためです。また、歴史的に見ても、金の価格は一時的な下落を経験しながら上昇しています。
また、世界的なエネルギー産出国であるロシアと欧米各国との緊張状態が続いており、エネルギー価格高騰につながっていることも不安を加速させています。上記をはじめ、さまざまな要因による世界的なインフレへの懸念から、金相場はより高騰していくとも考えられています。
ただし、金相場はさまざまな要因によって変動します。急に下落する可能性も考えられるため、金製品の売却を考えている場合は、世界情勢や経済に関するニュースもチェックすることが大切です。
金相場が高騰しているうちに売るべき?
ロシアとウクライナの問題を筆頭に、地政学リスクが高まっている昨今。2023年9月現在では、金相場は上昇傾向を保っています。
長期的に見ると金相場は上昇する見通しですが、実際にどうなっていくのかを的確に予想することは、金投資のプロであっても困難です。現在、金を保有している方のなかには、売り時を迷っている方も少なくないでしょう。資産として長期的に金を保有しておきたい場合は別ですが、そうでない場合はいつ売れば良いのか判断に迷ってしまう方が多いはず。金相場に関するあらゆる情報を収集しながら、買い時を見極めることが大切です。
金売却のタイミングにはさまざまな考え方がありますが、価格が上昇しているうちに売ってしまうことも選択肢の一つです。迷った際はお持ちの金・貴金属製品を査定に出し、どの程度の価値がつくかを把握してから売却を検討しても良いでしょう。「この程度の価格であれば売っても良い」「購入時の金額より良い値がついたら売る」など、自分なりの基準をつくっておくこともおすすめです。
また、保有している金を売りたいと思ったときは、金買取に詳しい買取店を選び、査定を依頼すると良いでしょう。現在は多くの買取店が金を買い取っていますが、なかには金買取に不慣れな店もあります。そういった店では、相場に見合わない低価格の査定金額を提示する可能性も。高価買取を目指すなら、金買取実績が豊富な店を選びましょう。
まとめ
ロシアのウクライナ侵攻をはじめ、さまざまな要因で金の価格は上昇しています。買取専門店の「なんぼや」では、金相場の高騰につき、金製品の買取を強化しています。査定の際は直近の金相場を参考に、できる限りの高価査定金額をご提示。アクセサリーや工芸品などのアイテムは、デザインやブランドなどの価値も加味して価格をおつけします。大切なアイテムを下落前に最適な価格で売却したい場合は、ぜひ当店までお気軽にお越しください。