金は加工しやすい貴金属!金地金の分割加工やジュエリーのリフォームとは
貴金属の中でも特に加工しやすいとされる金。この特性を生かした金地金の分割加工やジュエリーのリフォームについて、その方法やメリット、デメリットを詳しく解説していきます。
金は加工しやすい金属
金の優れた性質の一つに展延性の高さがあります。展延性とは、物質が割れたり壊れたりせずに、柔軟に変形する限界を表す言葉です。金は銀やプラチナなどのほかの金属と比べても特に展延性に優れており、細工や加工のしやすい金属として広く認知されています。この性質を生かして、細い金糸や薄い金箔などに加工することも可能です。そのため、装飾品や芸術作品はもちろん、電子機器などの多様な分野で金が活用されています。
しかし、金の高い展延性や柔軟性は、ジュエリーやアクセサリー製作のシーンでは逆に問題となることがあります。純金の場合は柔らかすぎるため、身につけるアイテムに使用すると傷つきやすくなったり、変形しやすくなったりしてしまうのです。
そのため、ジュエリーやアクセサリー製作に金を使用する場合は、ほかの金属を混ぜて合金にするのが一般的です。銀や銅といった金属を混ぜることで、硬度を高め、耐久性を向上させることができます。
なお、合金にすると金の純度が低くなる分、基本的には金額も下がってしまいます。しかし、その分変形や傷などに強くなり、アクセサリーとしての実用性がアップするといえるでしょう。
金地金の分割加工とは
地金(インゴット)を所有している人の中には、分割加工をするケースもあります。こちらでは、金地金の分割加工の特徴やメリット・デメリットを解説します。
金地金の分割加工の特徴
金地金の分割加工とは、インゴットを溶かして小さなインゴットに再加工する方法です。例えば、1kgの金を100g×10個のインゴットに分割加工することを指します。
分割加工は、単純にインゴットを特定の大きさに切り分けるのではなく、一度液体状に溶解した後で所定の型に流し込み、分割します。専門的な機器や知識、熟練の技術が必要となる加工方法です。
分割加工のメリット
金地金の分割加工は、金を少しずつ売却したい人や、子どもや孫に1人ずつ資産を渡したい人などに向いています。例えば、5人の子どもに生前贈与をする場合、分割していなければ1人にインゴットを渡し、残りの4人にはインゴットを受け取った1人が現金を支払うことになります。この点、分割加工をすれば、5人に均等に金のインゴットを渡すことができるようになり、効率的に資産を移動することが可能です。家族間におけるトラブルの防止にもつながるでしょう。
また、金地金の分割加工は税金対策にも有効です。金を売却して利益が出た場合は税金がかかります。一度に大量の金を売却すると、その分利益も大きくなり、納めなければならない税金の額も高額になります。そこで、金地金の分割加工をすることで、少量の金を少しずつ売却することができ、税金の負担を抑えやすくなります。
分割加工のデメリット
金地金の分割加工を行う場合の最大のデメリットは、加工料金が必要な点です。分割加工によって金の価値が高まるわけではありませんが、作業には一定のコストがかかります。また、相場がわかりづらく、依頼する業者によって金額が異なるのもデメリットといえるでしょう。
また、金地金の分割加工では、作業工程の中で金が目減りするリスクもあります。金は、2023年に過去最高値を記録しており、わずかな目減りも避けたいという場合には分割加工は適さないでしょう。特に、何度も分割加工をしている場合は注意が必要です。
このほかに、分割加工は高度な技術が必要とされるため、完成までに一定の時間がかかります。分割してすぐに売却したい、というケースには向かない可能性があるため注意しましょう。
金のジュエリーを加工して再生するリフォームとは
近年、金の加工方法として注目されているのが、ジュエリーのリフォームです。ここでは、金のジュエリーリフォームの特徴とメリット・デメリットをご紹介します。
金のジュエリーを加工して再生するリフォームとは
ジュエリーのリフォームとは、既存のゴールド製ジュエリーを溶かし、新たなデザインや形状のジュエリーに再加工する方法です。古くなったり壊れたりしたジュエリーに新しい命を吹き込む手段として広く利用されています。元になる金属の量が少ない場合には、新しく金や割金を足すこともあります。
金のジュエリーリフォームのメリット
ジュエリーのリフォームは、思い出のアイテムを現代的なデザインやスタイルに再加工できるのがメリットです。例えば、家族から受け継いだジュエリーは、「使いたいけどデザインが古くて使いづらい」「変色・変形してしまっていて使えない」というケースもあるでしょう。そのような場合にジュエリーのリフォームを行うことで、思い出の品を売却することなく、再び身に着けたり、きれいな状態で保管したりしやすくなります。費用面を考えた場合にも、新たなアイテムを購入するより安価なケースが一般的です。
金のジュエリーリフォームのデメリット
ジュエリーリフォームを依頼する場合は、大幅な形の変更が難しい点に注意しましょう。必ずしもイメージした通りのデザインになるとは限らないため、事前に業者と丁寧な打ち合わせを行うことが大切です。
また、元となるジュエリーにロウ材やメッキなどが含まれている場合、完成後のジュエリーがきれいに仕上がらない可能性もあります。変色してしまったり、思ったような輝きがなくなったりするリスクも踏まえて依頼するかどうかを検討しましょう。
金製品の買取は「なんぼや」にお任せください!
金はその加工のしやすさから、さまざまな形で私たちの生活に溶け込んでいます。金地金の分割加工やジュエリーのリフォームは、金の特性を活かした便利な方法ですが、メリットとデメリットをしっかりと理解したうえで、最適な選択をすることが大切です。
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