日本や世界の銀山について|買取価格への影響とは
世界各地には、さまざまな銀山があります。銀の購入や売却を考えている場合、どこの国で多くの銀が採掘されているか気になるかもしれません、また、産出量が買取価格に影響するか確認しておけば、売却のタイミングを検討するとき参考になるでしょう。そこで今回は、産出量の多い世界の銀山・日本で有名な銀山や銀相場への影響をご紹介します。
産出量の多い世界の銀山
世界で銀の産出量が多い国々は、アメリカ大陸のメキシコ・ペルーやユーラシア大陸の中国です。
銀生産量の国別ランキング
近年の国別ランキングで銀の生産量が多い国は、メキシコ・中国・ペルーなどです。
銀について調査・研究しているSilver Instituteによると、銀生産量に関する国別ランキングにおいて、2021年の1位はメキシコでした。年間の生産量は、19,670万オンス(約5,576トン)と発表されています。
その後は、2位中国・3位ペルーと続いています。それぞれの年間生産量は、11,290万オンス(約3,200トン)と10,790万オンス(約3,059トン)です。2021年、世界全体の銀生産量は約8億2300万オンスであり、上位3カ国が約半分を占めたといわれています。
※100万オンスは約28.350トン(1トン=35,273オンス)で換算しています。
銀埋蔵量の国別ランキング
近年の国別ランキングで銀埋蔵量が多い国は、ペルー・オーストラリア・ポーランドなどです。
米国にある地質調査機関のU.S.Geological Surveyによると、銀埋蔵量の国別ランキングでは、ペルーが2021年の1位になりました。具体的な埋蔵量は、385,800万オンスと報告されています。
2位はオーストラリア(289,400万オンス)、3位はポーランド(215,400万オンス)が続きました。現在、世界全体の埋蔵量は約170億オンスと見られ、そのうちペルーは約20%の銀を埋蔵していると理解されています。
なお、世界トップクラスの銀山としては、メキシコのSaucito・Penasqito・Fresnillo銀山やペルーのAntamina・Uchucchaucua銀山が知られています。
日本の銀山について
日本の銀山は、石見銀山・生野銀山・延沢銀山が有名です。これらは日本三大銀材に数えられ、かつて多くの銀を産出しました。
石見銀山
石見銀山は、現在の島根県太田市にある銀山です。
文献資料によれば、戦国時代の1527年に発見されたと伝えられています。また、明確な記録ではありませんが、鎌倉時代末頃の1309年、地表に露出した自然銀が採掘されたとの伝承も残っています。
最盛期といわれる時期は、戦国時代後期から江戸時代前期です。17世紀前半、年間の産出量は約1万貫(約38トン)に及んだと推定されています。この推定値から、当時、世界の銀の3分の1を占めたともいわれています。
17世紀末頃から衰退が始まり1943年に閉山しますが、遺跡は文化的な価値が高いと認められ、2007年に世界遺産(文化遺産)として登録されました。
生野銀山
生野銀山は、現在の兵庫県朝来市に残る銀山です。
古くは、平安時代初頭の807年に銀が産出したとの伝承があります。また、本格的な採掘が始まったとされる時期は、戦国時代の1542年です。但馬守護職の山名祐豊が銀石を掘り出し、これが開坑の起源と伝えられています。
その後、日本最大といわれる鉱脈が見つかると、「銀の出ること土砂のごとし」と表現されました。江戸時代の最盛期には月間150貫(約562kg)を産出し、江戸幕府の重要な財源になったといわれています。
1973年に閉山しますが、翌年には史跡として再スタートしました。また現在は、近代化産業遺産に選ばれています。
延沢銀山
延沢銀山は、現在の山形県尾花沢市に所在する銀山です。
伝承によれば、室町時代の1456年、儀賀市郎左衛門が発見したといわれています。儀賀市郎左衛門は、加賀国金沢出身とされる人物です。延沢で見つけた石を生野銀山の山師に鑑定してもらい、銀が含まれると分かり採掘を始めたと伝えられています。
最盛期とされる時期は、江戸時代の1630年頃です。幕命を受けた鳥居忠政は、積極的に採掘を進めたと見られています。その後、採掘量が増えるにつれ日本三大銀山として数えられるようになったといわれています。
1689年、大規模な崩落により廃山となりますが、その名は尾花沢市の銀山温泉に受け継がれました。現在は銀山遺跡が残され、現地では坑道などが見られます。
銀山以外からも銀は採れる?
現在、銀は、銀山以外からも採取できる貴金属になりました。具体的には、リサイクル品から採取する方法が知られています。
実際に銀が採取できるリサイクル品としては、貴金属製品や電子機器・家電製品が挙げられます。携帯電話は1台あたり銀0.26gほど、ノートパソコンであれば銀0.84gほどが使われているとのことです。
他にも、さまざまな製品に多くの銀が含まれていると見られています。日本の場合、国立研究開発法人の計算により、リサイクル品から採取可能な銀の量は約60,000トンになるとの推定値が示されました。
この計算結果をふまえ、現在の日本は、不要になった電子機器や家電製品を上手にリサイクルすれば豊富な銀を得られると見込まれています。
銀山の採掘量は銀相場に影響する?
銀山の採掘量は、銀相場に影響すると見られる要素のひとつです。実際、採掘量が増減すれば、銀相場も上下する可能性があるとの声が聞かれます。
一般的に、銀価格が影響を受けやすい要因としては、金の価格・需要の有無・景気動向が知られています。このなかで銀の産出量が深く関係してくる項目は、需要の有無や景気動向でしょう。
景気が上向いて銀の需要が増えた場合、採掘量が足りず供給が追いつかなければ、銀の価格は上がると予想されます。逆に、不景気で需要が減るなか多くの銀が採掘されると、今度は銀の供給過多で相場価格は下がるかもしれません。
このように、銀の産出量は、需要の有無や景気動向と連動して銀相場に影響すると考えられます。そのため、銀の売却を検討するときは、産出量に目を向けることも大切になってくるでしょう。
銀・銀製品の買取査定は「なんぼや」へ
「なんぼや」は、さまざまな銀・銀製品を幅広く高価買取しています。多少の汚れや傷みが見られても、丁寧に査定いたします。ご不要のお品物も、査定に出せば高評価を得られるかもしれません。いつ銀を売るとよいか悩まれているときは、ぜひ一度、当店の無料査定を活用して銀の価値をお確かめください。