ロシアの動きで金相場はどうなる?金採掘の歴史と値動きについて解説
ロシアの近年の動向が世界の金市場に与える影響と、金採掘の長い歴史を通じて見られる値動きの傾向について詳しく解説します。投資家や金の売買をお考えの方は、是非参考にしてみてください。
ロシアにおける金採掘の歴史
ロシアの金採掘の歴史は長く、旧ソ連成立以前から東部のコルィマ川中流域で砂金が採れることが知られていました。しかし、厳しい気候と過酷な環境が金採掘の進展を妨げていました。本格的な金採掘事業は、1917年のロシア革命以降に始まります。政治犯とされた者はシベリアへ送られ、コルィマ川上流のコルィマ鉱山で金採掘に従事させられました。1928年には港が建設され、鉱山への物資や労働者の輸送体制が整備され、金採掘が本格化します。
流刑者たちは、永久凍土が広がる極寒の地で重労働を強いられ、十分な防寒具や食料も与えられず酷使されました。シベリアの強制収容所は、ナチスドイツのアウシュヴィッツと並ぶ史上最悪の施設の一つとされています。スターリンの恐怖政治が終わった1953年以降、政治犯の名誉は回復しましたが、金採掘は続けられました。
ソ連崩壊後、ロシアは製造業の低迷と経済の不振に見舞われましたが、金採掘は縮小しつつも続行されました。2000年代以降、特に2007年以降の金産出量は増加し、2013年以降はオーストラリアと並び、世界第2位又は第3位の金産出国として競い合っています。このように、ロシアの金採掘の歴史は、経済発展だけでなく、人類の負の遺産としての側面も持ち合わせています。
ロシアに対する金輸出の制裁
ロシアのウクライナ侵攻に対する国際的な非難の一環として、G7はロシア産金の輸入制限を検討しました。経済制裁の目的は、ロシア政府に対する経済圧力を強化し、ウクライナ侵攻の抑制と国際法の尊重を促すことです。実際に2022年6月、イギリス、アメリカ、カナダ、日本はロシア産金を禁輸対象としました。
インベスコの調査によれば、世界中の中央銀行やソブリンウェルスファンドが金準備を本国に戻す動きが広がっています。この動きは、ロシアの6400億ドルに及ぶ金・外貨準備のほぼ半分が凍結されたことが契機となっています。インベスコの公的機関責任者、ロッド・リングロー氏によると、中央銀行の多くが前例ができたことを懸念し、自国での金保有比率を増やしています。2020年の50%から68%への拡大が見られました。
また、地政学的懸念に伴い、「ドル離れ」の動きも観察されています。米国の債務増加に対する懸念を持つ中央銀行が増加しており、人民元が基軸通貨候補としての支持は低下したのです。投資先として、インフラ、特に再生可能エネルギー関連のプロジェクトが注目されています。中国に対する懸念を背景に、インドが魅力的な投資国として選ばれており、ニアショアリングの動きがメキシコ、インドネシア、ブラジルを後押しするようになりました。一方で、英国やイタリアは魅力的な投資先ではないと見られています。
金利上昇や新型コロナウイルス禍の影響で、不動産は最も魅力のない資産クラスとなっています。
リングロー氏によると、昨年運用成績が良かったSWFは、資産価格高騰がもたらすリスクを認識し、ポートフォリオの大幅な変更に積極的でした。これは中央銀行やSWFが、インフレ率の上昇に対処しようとしている大きな変化の一環です。ロシアの金輸出制裁は、金市場に大きな影響を与え、地政学的緊張やインフレ率の上昇への対応策に大きな変化をもたらしています。
ロシアの動向により金相場はどうなる?
近年、金相場はリーマンショック以降の世界的な経済不況や、2020年に始まった新型コロナウイルスの流行といった要因によって高騰しています。2023年9月には史上最高値を記録し、その後も高い水準を維持しているのが現状です。新型コロナウイルスの収束に伴い、世界経済が活発化することで、金相場が一時的に落ち着くとの見方も出ています。
しかし、長期的には金相場が上昇する可能性が高いと考えられています。経済が復調する一方で、それに伴うインフレの急激な加速や、ウクライナ有事、米中貿易摩擦など、金相場を押し上げる要因が残っているからです。また、歴史的に見ても、金の価格は一時的な下落を経験しながらも長期的に上昇してきました。
特に、ロシアのウクライナ侵攻に関連して、国際的な経済制裁が実施されており、これが金相場に影響を及ぼしています。ロシアと欧米諸国の間の緊張状態が続くことによるエネルギー価格の高騰も、金相場の不安を加速させています。このような地政学的なリスクや、インフレへの懸念から、金相場が更に高騰する可能性もあるとされています。
ただし、金相場は様々な要因によって変動するため、急激に下落する可能性も考慮されるべきです。金製品の売却を考えている場合は、世界情勢や経済状況に関する最新のニュースに注意を払うことが重要です。また、変動が激しい状況で金を売却する際には、適切な鑑定眼を持つ買取店を選ぶことが重要となります。
金相場の将来の動向は、世界情勢や経済状況に大きく左右されるため、金の投資を行っている方は、市場と世界的な情勢について注目しておきましょう。ウクライナ有事や米中貿易摩擦など、金相場に影響を与える可能性のある国際的な情報を見極めることが、投資家にとっては重要です。
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