パレスチナ・イスラエル戦争で金が高騰中?イスラエルの金相場をご紹介
2023年10月に始まったパレスチナ・イスラエル戦争によって世界経済が大きな影響を受けています。戦争が勃発して金相場の高騰につながっているのでしょうか?
当事国であるイスラエルについての概要から、同戦争による影響、金価格や金相場の世界的状況、イスラエルの為替相場、今後の金相場について詳しくご紹介いたします。
イスラエルとはどのような国?
イスラエルは地中海に面した西アジアの国で共和政国家です。総面積は日本の四国程度で、東にヨルダン、南にエジプト、北にレバノン、東北にシリアと接していて、ガザ地区を含むパレスチナ自治政府とは南西と東に面しています。
国連の決議ではテルアビブが首都ですが、イスラエルの基本法ではエルサレムを首都としています。公用語はヘブライ語で、総人口のほぼ3/4がユダヤ人、約2割がアラブ人(大半はムスリム)です。イスラエルでは宗教の自由が認められ、エルサレムにはユダヤ教、イスラム教、キリスト教の聖地があります。
イスラエルのハイテク産業と紛争
イスラエルの経済を支えているのがハイテク産業です。中東のシリコンバレーと呼ばれ、国内外を問わずハイテク分野や研究開発への投資が盛んです。また東地中海にガス田があるイスラエルは、ウクライナ情勢が原因のエネルギー不足の対策として、EU向けに輸出などを実施しています。
また、イスラエルのパレスチナ問題は世界で最も解決が難しい紛争と言われています。2023年10月7日にパレスチナ・イスラエル戦争は勃発。パレスチナのガザ地区を制圧していたハマス側がイスラエルを攻撃したことが発端で、同日ハマスはガザ地区に近いイスラエル南部で戦闘員が多数の民間人を拉致/殺傷。これを受けてイスラエルはガザ地区を閉鎖して地上侵攻や空爆を開始し、ハマスに対して正式に宣戦布告したのです。
金高騰中!パレスチナ・イスラエル戦争が金相場に与えた影響とは
パレスチナ・イスラエル戦争の勃発で中東情勢が悪化した結果、経済市場に大きな変化が現れています。円安傾向の中、金の価格の上昇に拍車をかけています。
イスラエル・パレスチナ情勢の緊迫化に影響されて、安全な資産として金を買う投資家が増加し、国内での金の価格が大幅に上昇しました。10月7日に同戦争が始まると、10月26日時点で金の国内小売価格が10,569円/gに達し、最高値を記録しました。
今後の円相場の動きにもよりますが、投資家の間では安全策として金を買う動きが強くなる可能性があると予想されます。
金相場や金価格は国により異なる?
金相場や金価格は国によって差があるのでしょうか?金相場と金価格が決まる仕組みについて簡単に説明いたします。
世界全体の金相場は共通
金は世界各地の市場で取引されていますが、4大市場(ロンドン/ニューヨーク/香港/チューリッヒ)における金の取引が最も多いです。世界の金相場に一番影響を与えるのがロンドン市場で、金の取引価格を1日に2回公表します。ロンドンの公表値が基になって各国の金相場が定まるため、世界全体で金相場がほぼ統一されることになります。
金の取引価格は一般的に需要と供給のバランスで決まりますが、世界の金融政策などの条件によっても金相場が変動します。
特に世界情勢が不安定になると、安定資産である金を買う人が増えるため、金相場は上昇しやすいとされています。
金価格は国により異なる
金相場は世界共通にもかかわらず、実際には国により金価格が異なります。
最大の理由は、為替相場の影響です。金は米ドルで売買されますが、他の通貨で金を取引する際は、その時点の為替レートで計算するため、金価格が国により変わります。例えば、日本円で金を購入する場合、円安ドル高なら金価格が上昇し、円高ドル安だと金価格が下がります。
現在のイスラエルの為替相場は?
イスラエルの通貨はシュケル(Shekel)ですが、2023年初頭からの下落傾向に加えて、ハマスとの軍事衝突が原因で続落しました。その後は急回復して、同年11月金融政策の決定後は、対米ドルが2.7%、対ユーロ1.7%、名目実効為替レートが2%上昇に転じました。
2024年、イスラエル中央銀行は政策金利を0.25ポイント下げて4.5%に決定しました。新型コロナウイルス感染が広がった2020年4月以来初の利下げでした。政策金利決定は次回2024年2月26日に予定されていて、この先の動きにも注目が集まります。
金価格はさらに上昇する?今後の金相場にも注目
世界経済の先行きへの懸念が高まり、安全資産としても金が買われています。今後もさらに中東情勢が悪化すれば、先の見通しが不安定になり、金価格はさらに上昇する可能性があります。
金は世界中どこでも信頼度の高い資産と考えられます。「有事の金」と例えられるように、不況・戦争など世界情勢が安定しない時ほど、金の需要が増し金相場も上昇する傾向があります。
日本の金相場は為替相場に左右されやすい特徴がありますので、金取引するならタイミングが大切です。今後も引き続き動向を見守っていきましょう。
まとめ
2023年10月パレスチナ・イスラエル戦争の影響で、資産価値が安定している金の取引は活発になっています。金相場は世界共通ですが、実際の金価格は各国の為替相場によって大きく異なります。今後も金相場の上昇が見込まれるため、為替相場の動向により、取引のタイミングを見計らいましょう。
「なんぼや」では、金の買取実績が豊富で査定眼に優れたバリューデザイナーが多数在籍中です。どんな金でも、その価値をしっかりと見極め、その時々で可能な限り高額買取をいたします。また、現在「なんぼや」では金の買取強化中です。お手持ちの金の状態に関わらず、まずは一度「なんぼや」にご相談ください。