金投資は危険？そのリスクとポイントを解説
金は「有事の金」と呼ばれていることからもわかるように、大切な資産を守る投資先の一つとして確固たる地位を確立しています。一方で、「金投資は危険」との噂も絶えません。この記事では、金投資のリスクとあわせて、投資初心者の注意点と金投資が向いていない人や、これから金投資を始める人に向けたポイントを解説します。
市場価格の変動リスク
金投資が危険といわれる理由の一つが、市場価格の変動リスクがあることです。金の価格は常に変動しており、投資家はこの変動性と損失の可能性を受け入れる必要があります。金の価格は株式と同じく需要と供給によって変動するため、購入時よりも売却時の価格が低いと損をしてしまいます。
具体的には、以下のようなポイントを試乗変動リスクとして意識する必要があります。
価格の予測不可能性
国際情勢や経済指標によって変動するため、予測は非常に困難です。
高値掴みのリスク
市場が上昇傾向にある時に高値で購入してしまうと、価格が下落した際に損失を被ります。金の価格が上昇し続けるとは限らないため、判断は難しいでしょう。
売却タイミングの難しさ
投資で利益を得るには、購入時よりも高い価格で売却する必要があります。価格が下落する前に売却しなければなりませんが、タイミングを見極めるのは容易ではありません。
通貨価値の変動リスク
ドルで行われる金取引は、為替レートの変動が収益に直接影響を与えるため、通貨価値の変動リスクもあります。
ドル依存
ドルの強弱が直接的に金投資の収益に影響を与える「ドル依存」も、金投資のリスクの一つです。
金の価格は、円安ドル高で上昇することが一般的です。円高ドル安で購入し、円安ドル高で売却すれば利益を得られます。ただし、金の価格の動きと同じく、社会情勢や市場変化など様々な要因に左右されるため、予想することは難しいでしょう。
為替変動の影響
金の価格が上昇していても、円高が進むと円建て収益は減少します。売買のタイミングによっては、金の価格が上がっているにも関わらず、為替相場によって利益が減ったり損失を被ったりする恐れがあります。
為替管理の必要性
金とドルの動きから影響を受ける金投資で収益を上げるには、金投資と為替の2つの動向を注視し、管理しなければなりません。
管理するには手間と時間を要するため、軽い気持ちで金投資を始めると失敗してしまいます。
金投資におけるその他のリスク
上記以外にも、金投資には以下のようなリスクが考えられます。
市場分析の複雑さ
金の投資家には、複数の要因によって動く市場を理解する力が求められます。特に、アメリカ経済の動きは世界に波及するため、アメリカの雇用統計や政策金利の動きのデータや、世界各国の社会情勢などの地政学的な情報の収集も必要です。
保管と保険
世界共通の投資対象である金は、多くの人に狙われています。そのため、現物金を保有する場合は、盗難や紛失のリスクを避けるために、適切な保管場所と保険が必要です。
例えば、管理機関に依頼する場合は保管や出し入れに手数料がかかり、万が一に備えて保険をかける場合は保険料がかかります。余計なコストや手間をかけたくない人は、金投資には向いていません。
流動性の問題
現物金の売却は市場の流動性に依存しているため、売りたい時にすぐに売れないリスクがあります。流動性リスクは有事の際に発生しやすいことが特徴です。
投資初心者の注意点と金投資が向いていない人
金投資は伝統的な投資手法ですので、決して悪い投資ではありません。しかし、金投資は特有の知識や経験が必要で、初心者や特定のタイプの投資家には不向きです。
短期的利益を求める人
金は短期間での大幅な値上がりは期待出来ません。そのため、短期的な利益を追求するトレーダーには不向きです。短期的な利益を求める人には、株式や投資信託をおすすめします。
定期的な収入を求める人
金は、株式を保有していると受け取れる「配当金」や、預貯金をしていると発生する「利息」を生まないため、定期的な収入を求める人には不向きです。保有していることで継続的に得られる利益である「インカムゲイン」はないため、購入時よりも高値で売却して手に入れられる「キャピタルゲイン」を得るしかありません。売却益でしか利益を得られないため、売却のタイミングが非常に重要です。
これから金投資を始める人に向けたポイント
金投資をこれから始める人に押さえてもらいたい、4つのポイントをご紹介します。
分散投資を心がける
金は安定資産ですので、金投資をポートフォリオの一部として考え、他の資産クラスと組み合わせてリスクを分散させましょう。資産を守るためには金投資、利益を得るためには株式と、役割を分けて投資する方法をおすすめします。
長期的な視点を持つ
金投資は長期的な資産保全に適しているため、短期間での大きなリターンを期待するのではなく、安定した資産成長を目指しましょう。
今後も金の需要がなくなるとは考えられないため、短期間の売買で利益を上げるような取引ではなく、リスクを回避するための資産として長期保有することをおすすめします。
長期的な視点を持って運用すれば、取引にかかる手数料などもかからないため、収益率の向上につなげられます。
知識と情報の収集
金市場に影響を与える要因について学び、最新の市場動向や分析を追いかけることで、より賢明な投資判断が可能となります。
適切な情報収集を常に行わなければ、購入・売却のタイミングを見極められません。
専門家の意見を参考にする
投資初心者の場合、専門家の意見やアドバイスを参考にすることで、不確実性を減らし、より安全な投資判断を下すことが出来ます。
専門家は投資のプロです。投資の目的や資産状況、リスクの許容度などに応じて、それぞれの投資家に適切なアドバイスをしてくれるため、ぜひ一度相談してみましょう。
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