精錬とはどのようなもの?どのように高純度の銀を取り出すのかを解説!
皆さんは、精錬とはどのようなものかご存知ですか?普段の生活では耳にすることがない言葉であるため、ご存知の方は少ないと思います。ここでは、精錬とはどのようなものなのか、また、どのように高純度の銀を取り出すのかを解説いたします。
精錬とは?
はじめに、精錬とはどのようなものなのか、概要を解説いたします。
精製とも呼ばれる
精錬は「せいれん」と読み、英名では「refining」、そして、精製とも呼ばれます。
純度の高い生成物を抽出する方法
精錬とは、原材料や鉱石から有用な成分を取り出し、不純物を取り除いて純度の高い生成物を抽出する方法です。具体的にどのような方法でおこなうのかは、抽出する金属などによって異なり、化学的な反応や電気分解などを用います。
精錬と製錬との違いは?
精錬と混同されがちな言葉に製錬というものがあるため、この2つの違いをご説明いたします。
同じ読みで金属加工に関わる言葉なため混同されがち
まず、精錬と製錬は「せいれん」というように同じ読みで、どちらも金属加工に関わる言葉になります。そのため、混同されがちですが下記のような点が異なってきます。
工程や内容が異なる
精錬と製錬は何が異なるのかというと、工程や内容です。
精錬は特定の金属の純度を上げる過程の方法
精錬とは、「製錬」によって取り出した不純物が多い金属から不純物を取り出して、特定の金属の純度を上げる過程の方法です。
製錬は鉱石から金属を取り出す過程の方法
一方で製錬は、金属の還元反応を利用することで、鉱石中から金属を取り出す過程の方法です。
銀の精錬として古くから知られる「灰吹法」とは?
次に、銀の精錬として古くから知られる「灰吹法(はいふきほう)」の概要をご説明いたします。
日本では1533年に朝鮮半島から石見銀山に伝わる
灰吹法は、東地中海地域や西アジアでは、金や銀の純度を高める方法の一つとして紀元前約1500年より前からすでに用いられる方法です。日本では1533年に朝鮮半島から、今や世界遺産で有名な石見銀山に伝わったとされています。
銀を吸着する鉛を使用して、銀の純度を上げる
灰吹法は銀を吸着する鉛を使用して、さらに灰の上で熱することで純度の高い銀を抽出します。
「灰吹法」の具体的な方法を解説!
では、具体的に灰吹法とはどのような方法になるのでしょうか。その工程をご紹介いたします。
- 鉱石を細かく砕く
- その鉱石を水の中でゆすり、比重の重い銀を含む沈んだ鉱石を取り出す
- 銀を吸着する鉛の合金を溶かして混ぜ合わせて、その塊を取り出す
- その塊を灰の上で熱すると、鉛は灰に吸収されるため、高純度の高い銀を取り出すことができる
はじめに、土台とする石(要石)の上で鉱石を細かく砕きます。
その鉱石を水の中でゆすりながら成分をより分けます。比重の重い銀を含む鉱石は沈むため、それを取り出します。
銀を吸着する性質をもつ鉛の合金を溶かして混ぜ合わせます。そうすると、その他の物質と区別できるため、銀と鉛の塊のみを取り出します。
鉛は灰に吸収される性質をもつため、取り出した銀と鉛の塊を灰の上で熱すると、高純度の高い銀を取り出すことができます。
「灰吹法」は危険?現在の銀の精錬方法とは?
最後に、現在どのような銀精錬の方法が用いられているかをご説明いたします。
「灰吹法」は危険
鉱石中には有害な重金属が含まれており、これらの金属が作業者に吸収されて中毒症状を引き起こすことがありました。また、灰吹法では鉱石の加熱により有毒なガスが発生してしまうため危険です。
現在は「電解精錬」などに移行
上記で述べたとおり、灰吹法は危険であるため、現在の銀精錬は作業者の安全に配慮された、電解精錬などに移行しています。電気分解を利用する銀の精錬法は、日本では1901年から開始しています。
まとめ
ここでは、精錬とはどのようなものなのか、また、どのように高純度の銀を取り出すのかを解説いたしました。精錬とは、原材料や鉱石から有用な成分を取り出し、不純物を取り除いて純度の高い生成物を抽出する方法です。銀の精錬としては、古くから知られる「灰吹法」というものがありますが危険なため、現在では「電解精錬」などに移行しています。
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