銀は磁石につく?つかない?本物と偽物を見分けるポイント
今回は、銀に磁石を近づけたときの反応や本物と偽物を見分けるポイントをご紹介します。銀はその美しい輝きで、古くから人々を魅了してきました。しかし、その人気ゆえに偽物も多く出回っています。銀製品を正しく評価するためには、本物と偽物を見分ける方法を知ることが重要です。
銀は磁石につく?反応する金属の種類
銀は磁石にくっつくことはないとされます。もし、お持ちの銀アクセサリーが磁石に反応する場合は、鉄やニッケルなどの別の金属が混ぜられている可能性が高いです。
また、金属のなかには、磁石に反応するものとしないものがあります。ここでは、それぞれの具体例と理由を簡単にご紹介します。
磁石につかない金属の種類
金や銀、銅、プラチナ、アルミニウムなど多くの金属は、磁石につかない性質を持ちます。これらの金属は「磁性」を持たないためです。磁性とは、磁場に反応する性質のことです。磁性を持つ物質のことを「磁性体」、持たない物質のことを「非磁性体」と呼び、多くの金属は非磁性体に分類されます。
例えば、金や銀は電気伝導性が高い反面、磁性はほとんど持ちません。プラチナやアルミニウムも同様に磁性を持たないため、磁石に反応することはありません。ただし、非磁性体の金属に別の金属を混ぜると磁石に反応する場合があり、その性質を生かして金や銀が合金かどうかを判断するケースもあります。
磁石につく金属の種類
磁石につく金属は、鉄やニッケル、コバルトなどに限られます。基本的には、磁石につく金属のほうが少ない傾向にあります。合金の場合、鉄やニッケル、コバルトなどの含有量が多いと磁石につく可能性があります。例えば、ステンレスは磁石につくことがありますが、これは鉄の含有量が多いためです。ただし、ステンレスの種類によっては磁石につかないケースも見られます。これは、合金の組成によって磁性が異なるためです。
また、磁性体のなかでも、磁石につくものは「強磁性体」を持つといわれます。強磁性体は、磁場に対する反応が強く、磁石が近づけられるとすぐにくっつく性質を持っています。鉄やニッケル、コバルトも強磁性体を持つのが特徴です。磁石に反応する金属は工業的にも重要で、モーターや発電機、トランスなど、電磁気を利用する多くの装置に使用されています。
銀の偽物を見分けるときに活用できる磁石
銀製品が本物か偽物かを見分ける際には、磁石を利用する方法が有効です。純銀は非磁性体であり、磁石には全く反応しません。そのため、磁石が銀製品につく場合、その製品が純銀ではないことが示唆されます。ほかの金属で作られているか、あるいは銀メッキが施されている可能性が高いです。
ただし、銀の合金の場合には注意が必要です。銀の合金は、銀とほかの金属を混ぜ合わせて作られるため、割金に使われている金属の種類によっては磁石に反応することがあります。例えば、銀と銅を合わせた合金は一般的ですが、この場合銅は非磁性体なので磁石には反応しません。しかし、銀とニッケルの合金では、ニッケルが強磁性体であるため磁石に反応する可能性があります。このように、銀の合金はその成分によって磁性が大きく変わるため、磁石を使ったテストには一定の限界があります。
銀の本物と偽物を見分けるその他の方法
銀製品の本物と偽物を見分けるためには、磁石を近づける方法以外にも効果的な手段がいくつかあります。ここでは簡単なものを3つご紹介します。
ただし、ご自分でできる範囲の方法では、正確に判断するのが難しい場合も多いです。確実に見分けたい場合は、銀買取の実績豊富な買取店などへ査定依頼に出してみることも一つの方法です。
刻印を調べる
銀製品には通常、品質を示す刻印が施されています。「Silver1000」や「SV900」などの表記が一般的です。前半部分の「Silver」や「SV」は、その製品に銀が使用されていることを示しています。そして、後半の数字部分は銀の含有量を表します。1000の場合は純銀100%、900の場合は銀が90%、別の金属が10%含まれています。
刻印を確認すれば、銀製品が本物かどうかやどの程度銀が含まれているのかを調べることができます。ただし、偽物の中にはこのような刻印を模倣しているものもあるため、刻印だけで完全に判断するのは難しいのが現状です。また、古い銀製品や一部の手作り製品では、刻印がないこともあります。
氷を置く
銀製品の上に氷を置くことで、簡易的に本物かどうかを見極めることができます。銀は熱伝導率が非常に高い金属です。この特性を利用して、氷を銀製品の上に置いてみると、氷が通常よりも速く溶け始めます。銀が周囲の熱を効率的に吸収し、氷を素早く溶かすためです。例えばメッキ製品の場合、銀よりも熱伝導率の低い金属が使用されるため、氷を乗せても急速に溶けることはありません。
ただし、銀製品の形状によっては氷を置くことが難しく、本物かどうかを見分けられない場合もあります。コインやインゴットなどの平らで均一な形状のアイテムに適した方法といえるでしょう。
輪ゴムを当てる
銀製品が本物かどうかを見分けるには、輪ゴムを使用するのも有効です。銀製品に輪ゴムを巻きつけたり、一緒に保管したりすると、銀製品が本物であれば黒ずみが発生する場合があります。これは、銀の表面が輪ゴムの硫黄成分と反応して、黒く変色する現象です。
しかし、この方法も万全ではありません。新しいシルバーアクセサリーの場合は、コーティングによって変色しにくいケースがあります。また、一部の偽物やほかの金属でも同様の反応が起こる可能性があります。
なお、黒ずみ部分は専用のクロスなどで拭き取ると、きれいな状態に戻ります。
比重を調べる
銀製品の比重から本物かどうかを見分ける方法もあります。ただし、正確に判断するには比重計を用意する必要があり、手間がかかります。また、内部が空洞になっているアクセサリーは数値に誤差が生じるため、正確に測定できません。
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銀製品は基本的に磁石に反応しないため、その性質を生かせば本物かどうかを見極めることができます。ただし、より正確に判別したい場合は、銀製品の買取専門店に査定を依頼するのがおすすめです。
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