316Lとは?特徴や使われている製品も解説
金属製のアクセサリーには、K18やPGなど素材を示す刻印がされています。所有しているアクセサリーに316Lと刻印されており、どういう意味なのか分からない、素材の特徴を知りたいという方もいるのではないでしょうか。
本記事では、316Lの意味や特徴、316Lが使われている製品を解説するので、ぜひ参考にしてください。
316Lとは?
316Lとは、JIS規格で表記したものであり、サージカルステンレスのことです。サージカルステンレスには鉄やクロム、ニッケルなどが含まれており、いくつかの種類がありますが、316Lはその特性からアクセサリーに多く使われています。
ステンレスのハイグレード素材と呼ばれており、通常のステンレスよりも腐食に強い素材です。
316L(サージカルステンレス)の特徴
316L(サージカルステンレス)の特徴には、以下が挙げられます。
- 変色が少なく錆びにくい
- 傷つきにくい
- 金属アレルギー対応素材である
- 価格が安い
ここでは、それぞれの詳細を解説します。
変色が少なく錆びにくい
サージカルステンレスの表面は「不動態皮膜」で覆われているため、変色が少なく錆びにくい特徴があります。不動態皮膜とは、ステンレスに含まれるクロムが酸素と結びついてできる薄い膜のことです。表面に傷がついたとしても、大気中の酸素によって膜が再生・修復されるので、錆の発生や変色を防げます。
シルバーや真鍮などの素材は汗や空気によって変色・錆が発生してしまうこともありますが、サージカルステンレスならプールや海などでも気にせずつけられます。ただし、温泉の場合は成分によって錆びてしまう可能性もあるため、注意が必要です。
傷つきにくい
サージカルステンレスには、傷つきにくい特徴もあります。ステンレスのモース硬度(硬さの尺度で、1~10段階で示される)は6.0であり、ナイフで傷つけられず、刃が傷むほどの硬さだといわれています。また、「降伏」という現象が起こらないのも特徴です。
降伏とは、力を加えたときに急激に著しい変化が起こり、もとに戻らなくなることをいいます。サージカルステンレスは、特別な手入れを必要とせず、日常的に使っていても傷だらけになる心配はほとんどありません。
金属アレルギー対応素材である
シルバーアクセサリーを身に着けると、かゆみや腫れ、発疹などのアレルギー反応が出てしまうという方もいるのではないでしょうか。金属アレルギー反応は、汗や唾液などで金属が腐食されて金属イオンとなり、それが体内のタンパク質と結合してできた結合物を、体が異物とみなすために起こります。
サージカルステンレスは、不動態皮膜で覆われているので腐食しにくく、金属アレルギー反応も起こりにくいとされています。ただし、体質や使用状況によってはアレルギー反応が起こる恐れもあるため、身に着けているときに肌に異常を感じた場合は、着用を控えるようにしましょう。
価格が安い
金属アレルギーを起こしにくい素材には、金やプラチナなどもありますが、価格が高いのでなかなか手が出せない場合もあるでしょう。しかし、サージカルステンレスはほかの金属製品と比べて安いので手に取りやすい傾向にあります。サージカルステンレスは人工的に作られた合金で、貴金属には分類されないためです。
アレルギー反応が起こりにくく傷がつきにくいので普段使いしやすい素材でありながら、リーズナブルなところもサージカルステンレスの大きな魅力といえるでしょう。
316Lが使われている製品
サージカルステンレス(316L)が使われているのは、ピアスやネックレス、リング、腕時計などさまざまです。腕時計に多く使われているサージカルステンレスは、日本の規格では「SUS316L」と呼ばれており、医療用のメスやハサミにも使われています。
腕時計は磁気を嫌うため、クロム・ニッケル・モリブデンからなる非磁性体(磁石につくほどの磁力がないもの)ステンレスであるSUS316Lが機械式時計に多く採用されているといわれています。SUS316Lを使用しているブランドには、オメガやゼニス、ブライトリングなどがあります。
まとめ
316L(サージカルステンレス)は、変色しにくく、錆びにくい、傷つきにくい特徴があります。金属アレルギー対応であり、安価であるため、日常的に使いやすく手に入れやすいのも魅力です。
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