シルバー製品の黒ずみは何が原因?落とし方や予防方法
シルバー製品は美しさと高級感を兼ね備えた素材ですが、時間と共に黒ずんでしまうことがあります。この独特な変化には、さまざまな要因が絡んでいます。その原因や対処法を知れば、シルバーアクセサリーの美しさを保ちながら、より長く愛用できるでしょう。この記事では、シルバー製品がなぜ黒ずんでしまうのか、そして黒ずみを落とす方法や予防法についてご紹介します。
シルバー製品の黒ずみが生じる理由
シルバー製品を長く愛用していると、どうしても黒ずみが生じてしまうことがあります。まずは、シルバー製品が黒ずんでしまうメカニズムからご紹介します。
硫化
シルバー製品が黒ずむ主な原因の一つは、「硫化」です。銀と硫黄が結びつくことで硫化反応が起こり、表面が黒く変色してしまいます。空気に触れた状態で長期間放置しておくと黒ずんでしまうことがあるのは、空気中にも硫黄が含まれているためです。興味深いことに、この性質を利用して行われる「いぶし加工」という技術もあります。シルバーをあえて硫化させることで、表面を黒くしたり、立体感を表現したりする技術です。
また、硫黄の含まれる温泉や入浴剤を使うことで、銀製品が黒ずんでしまうことも。さらに、皮脂や汗に含まれる硫黄も黒ずみの原因になり得ます。シルバーアクセサリーを着用後、そのまま放置しておくと、付着した皮脂や汗が硫化して黒ずみが生じてしまうのです。
塩化
シルバー製品が黒ずんでしまうもう一つの原因は「塩化」です。銀は、塩素と反応して、表面が黒く変色する性質があります。塩化による黒ずみは、硫化による黒ずみよりも落としにくいのが特徴です。塩素系漂白剤や次亜塩素酸水などがシルバー製品に触れると、黒ずむ可能性が高まります。プールや海水などに含まれる塩素にも反応するため、プールや海水浴を楽しむ際は注意しましょう。
シルバー製品の黒ずみを落とす方法
硫化や塩化でシルバー製品が黒ずんでしまった場合、ご家庭でも簡単にきれいに落とすことができます。ここでは、シルバー製品の黒ずみを落とす方法をご紹介します。
重曹を使う方法
重曹を使った黒ずみの落とし方は、直接こすりつけて磨く方法と、化学反応を利用して落とす方法の2種類あります。直接磨くときは、少量の水と混ぜ合わせて、ペースト状にしてから磨きましょう。
化学反応を利用する際は、以下の手順を試してみてください。用意するものは、耐熱容器とアルミホイル、重曹、お湯のみです。化学反応を起こすことで、銀よりも硫黄と結びつきやすいアルミに黒ずみを移すことができます。
- 耐熱容器にアルミホイルを敷き、スプーン1杯程度の重曹を入れます。
- きれいにしたいシルバー製品を入れ、かぶるくらいの熱湯を注ぎ、化学反応が起こるまで待ちましょう。
- 汚れが落ちたらシルバー製品を取り出し、水でしっかり洗い流した後タオルなど柔らかい布で拭き取れば完了です。
塩を使う方法
重曹がない場合、塩でも代用可能です。ただし、シルバーアクセサリーのなかには、塩分に弱い金具が使われている可能性があります。黒ずみを落とした後は、隅々までよく水で洗い流してください。
- 耐熱容器にアルミホイルを敷き、スプーン1杯程度の塩を入れます。
- 黒ずみを落としたいシルバー製品を入れ、かぶるくらいの熱湯を注ぎしばらく放置しましょう。
- きれいになったらシルバー製品を取り出し、水でしっかり洗い流した後タオルなどの柔らかい布で水分を拭き取り乾かします。
専用クリーナーを使う方法
重曹や塩を使った方法で黒ずみを落とすと、いぶし加工まで落としてしまう可能性があります。いぶし加工がされているシルバー製品は、専用のクリーナーを使って黒ずみを落とすのがおすすめです。シルバークリーナーは、クリームタイプやクロスタイプがあります。クリームタイプの場合は、柔らかい布につけてから磨きましょう。
- シルバークリーナーをつけた布、またはクロスで、黒ずみを落としたい部分を磨きます。
- クリーナーで輝きを取り戻したい部分だけ優しくこすり、水で洗い流す。
- やわらかい布で水分を拭き取り、乾燥させれば完了です。
シルバー製品の黒ずみを防ぐ使い方
シルバー製品は、硫化や塩化によって黒ずみが発生してしまいます。ここでは、黒ずみを防ぎながら使用するコツをご紹介します。
使用後は汚れを布で拭き取る
シルバーアクセサリーなどを着用すると、知らず知らずのうちに皮脂や汗がついてしまいます。着用後にそのまま放置しておくと、化学変化を起こして黒ずみが発生するおそれがあります。アクセサリーを使用した後は、柔らかい布などで汗や皮脂を拭き取りましょう。
密閉できる入れ物で保管する
空気中にも硫黄が含まれているため、空気に触れた状態で長期間保管すると、硫化反応が起きてしまいます。できるだけ空気に触れさせないようにするため、密閉できる入れ物で保管するのがおすすめです。
硫黄や塩素などになるべく触れないように扱う
シルバー製品の黒ずみを防ぐには、黒ずみの原因になる硫黄や塩素を避けることが大切です。温泉やプールなどに入るときは、シルバーアクセサリーを外しましょう。また、意外なものにも硫黄や塩素が含まれている場合もあるため注意が必要です。たとえば身近なものでは、消毒液や輪ゴムなどにも含まれます。シルバー製品を硫黄や塩素になるべく触れないように扱い、黒ずみを予防しましょう。
硫化と塩化を避けてシルバーの輝きを守ろう
シルバー製品に発生する黒ずみの原因や落とし方、予防法をご紹介しました。空気中にも黒ずみの原因となる硫黄が含まれているため、シルバー製品の使用を続けるうえで黒ずみの発生は避けられません。黒ずみが発生してしまったときは、正しい手入れを行えばご家庭でも簡単に落とすことができます。また、予防策を取ることで、その美しさを長く楽しむことができます。お気に入りのシルバー製品に黒ずみが発生してしまったときは、ご紹介した方法で黒ずみを除去し、きれいな状態を保ちましょう。
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