プラチナの純度を徹底解説!特性・用途・基準の違い
結婚指輪の定番素材であるプラチナですが、純度によってどういった違いがあるかよく知らないという方も多いのではないでしょうか。プラチナは、純度により価値や特性、用途が異なります。また、プラチナ・ジュエリーとして認められるための基準も存在するのです。今回は、プラチナの純度について徹底解説します。 関連記事【更新:2024年11月】プラチナの見分け方は?刻印や磁石を使った鑑定方法をご紹介
プラチナは貴金属のなかでも価値が高い分、偽物などが出回ることも少なくありません。そこで今回は、プラチナが本物かどうかを見分ける方法について解説を…
2024.11.06
プラチナの純度とは?
プラチナの純度には、Pt850・Pt900・Pt950・Pt999(Pt1000)などの種類があります。これらの数字は金属としての「プラチナ含有率」を示しており、全体の値を1,000とした場合の割合を意味する千分率で表記します。同じように価値の高い金属である金(ゴールド)は、24分率表記(K24)を用いていることが特徴です。両者を比較するときは気をつけましょう。
通常、Pt850は「プラチナが80%含まれている」ことを意味します。Pt999は、ほぼ100%の純度を持つ純プラチナです。技術上の理由により、本当に純度100%のプラチナというものは存在しないため、Pt1000ではなくPt999と表記されるようになりました。実際の純度は99.5%が上限とされています。
なお、プラチナは日本語で「白金」と呼称する希少金属です。その採掘量は世界規模において、金の約1/20とされています。類似する金属にホワイトゴールドがありますが、これとプラチナは別物の素材です。結婚指輪などでメジャーな素材ではあるものの、金属そのものは、希少性の高いものであると覚えておきましょう。
プラチナの純度|特性の違い
以下、プラチナの特性を純度別でご説明します。
Pt999
純度99.9%(99.5%)の純プラチナです。基本的には投資用のインゴットやコイン、工業用素材として用いられます。ジュエリー類にはあまり使われませんが、プラチナ愛好家の多い国々では、純プラチナのリングが販売されていることもあります。
Pt950
プラチナに「割金」を加え、純度95%になったものです。割金とは、合金を作成する際に、メインとなる金属に加えて強度を高める素材となります。主に5%の割金を加え、プラチナ特有の輝き・しなやかさと、適度な強度の両立を実現しています。
Pt900
プラチナに10%の割金を加え、純度90%となった素材です。とても強度が高く、傷や衝撃に強い特性があります。Pt950に比べてリーズナブルな価格であり、結婚指輪にも多用される素材です。日本での流通量も多く、もっとも親しみのあるプラチナ素材といえるでしょう。
Pt850
割金が15%含まれた、純度85%の素材です。リーズナブルで気軽に購入できる一方、資産価値については高純度のプラチナよりも劣ることがあります。ただ、強度があることからアクセサリーの素材として人気です。
プラチナの純度|用途の違い
プラチナ製品には通常、その純度が刻印されています。純度に比例して価値が高まりますが、必ずしも「高純度=高品質な素材」とはならないのがポイントです。
前提として、プラチナは純度が低いほど強度が高く、重量も軽くなるため、アクセサリーや工業用途に適しています。逆に純度が高いほど、加工が難しくなります。
日本国内でポピュラーなPt900は、アクセサリーやジュエリー用途に最適と考えられています。とりわけパラジウム入りのPt900は需要が高く、ときにはPt950よりも高値がつくことがあります。
また、プラチナは酸化・変色に強い金属であるため、工業用途で幅広く使用されています。具体的には、自動車の排気ガス浄化装置や医療機器、電子部品、化学反応器、石油精製などが代表的な例です。
プラチナの純度|基準の違い
プラチナ純度は、国内基準と国際基準が存在し、それぞれ異なる基準が設けられています。
国際基準でプラチナジュエリーとして認められるのは、Pt950以上です。事実、海外の高級ブランドのプラチナジュエリーでは、Pt950が多用されています。しかし、国内の業界基準はPt900です。強度、加工のしやすさ、輝きのバランスに優れていることから、さまざまなジュエリーに使用されています。
まとめ
プラチナジュエリーは中古市場において高値で取引されることがあります。上記の通り、プラチナの価値は純度で決まるものです。そして、純度はジュエリー本体に刻印されています。ただ、純度不明のプラチナジュエリーをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。その場合は、プラチナをはじめとする貴金属製品の査定にくわしい買取店へ持ち込んでみましょう。
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