「金継ぎ」とは?~日本伝統の修復技法の魅力と方法
みなさんは日本に古くから伝わる「金継ぎ(きんつぎ)」という技術についてご存じでしょうか?
金を使って、壊れた器を修理するための伝統技法です。
現代において、金やゴールドと聞きますと、投資や資産運用について思い浮かべる方も多いかと思います。
しかし実際には、金とは日常生活に根付き、人々の生活を支えてきた金属でもあるのです。
金継ぎとはどのような技術で、どう活用されてきたのでしょうか。 2024年金買取相場急上昇中!! 10月31日(木)現在1gの相場が15,025円を超えました!! 金を売るなら今がチャンス、金買取なら「なんぼや」にお任せください。 金買取相場価格 推移グラフ 基準指数(円) 期間(日単位): 開始日が終了日より後になっています から 終了日が開始日より前になっています ※買取相場価格に手数料は含まれておりません。手数料に関しては宅配買取もしくは店頭にてご案内させていただきます。
特徴とともに、金についての知識を深めるための情報をお伝えします。
金継ぎとはどのような伝統技法なのか?
金継ぎとは、金を使って壊れた陶磁器、ガラス製品などを修復するための技法のことを言います。
物がたくさんあふれている現代においては、陶磁器やガラス製品が割れたときには、「廃棄して新たな物を購入する」という方法をとるのが一般的です。
しかし物がまだそれほど多くはなかった時代には、「割れた物を修復し、もう一度使う」という考え方が当たり前でした。
日本人の物を大事にする心によって生まれたのが、「金継ぎ」というすばらしい技術なのです。
近年では、あまり耳にしない伝統技法となっていますが、その歴史は非常に古く、縄文時代の器の中にも、金継ぎと似た技術で修復された器が存在すると言われています。
実はこの金継ぎ、その方法とコツさえ知っていれば、素人でも手軽に実践できる伝統技法です。お気に入りの器が割れてしまったときには、実践してみるのも良いかもしれません。
金継ぎの実践方法を紹介
では金継ぎとは、どのような方法で実践すれば良いのでしょうか。
実践方法を具体的に紹介していきます。
- カップが大きく割れてしまった場合
- 茶碗などがほんの少し欠けてしまった場合
それぞれについて、チェックしてみましょう。
カップが大きく割れてしまった場合の金継ぎ方法
カップを落としたときには、大きく二つに割れてしまうようなケースも少なくありません。
このような場合には、以下の3つのステップで修復していきましょう。
- 破片を集め、漆で作った接着剤でくっつける
- 漆でペーストを作り、接着剤でくっつけたところの隙間を埋める
- 余分なペーストを取り除き、再度、割れ目に沿って丁寧に漆を塗る
- 漆が完全に乾かないうちに、金粉をまぶす
割れた食器を、漆の接着剤でしっかりとくっつけ、その接着面を金粉で彩る作業をイメージしてみてください。割れた後が金色の美しいラインになることで、新たな味わいのある器となってくれることでしょう。
茶碗などがほんの少し欠けてしまった場合の金継ぎ方法
同じように食器類を落としたときには、大きく割れる以外に「ほんの少しだけ欠けてしまう」ということも考えられます。
このような場合でも、金継ぎを行うことで上手に修復できる可能性があります。
以下の手順を参考にしてみてください。
- 欠けている部分の周囲を、マスキングテープで保護する
- 漆でペーストを作り、欠けている部分を埋める
- 埋めた部分に漆を塗り、乾かないうちに金粉をまぶす
漆を使い、欠けてしまった部分をうまく補うことで、器を安全に使い続けられます。お気に入りの器を落としてしまったときには、ぜひこちらの手順で金継ぎを試してみてください。
金継ぎで使うのは金粉のみ
金継ぎという言葉を聞きますと、「金を使って器を直す」というイメージを抱く方も多いのではないでしょうか。この場合、高価な金を使用することで、コスト面が気になってしまいます。
しかし実際に金継ぎを行う際に、接着剤の役割を果たすのは漆です。金はあくまでも、見た目を良くするための装飾品と言って良いでしょう。使用するのは金粉ですから、コストが気になることもありません。
最近ではネット通販でも、初心者向けの金継ぎキットが多数販売されています。こうした製品を使用すれば、初心者でも手軽に金継ぎを実践することができるのです。
現在金・貴金属の価値が高騰しています。
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日本のアートでもある金継ぎ
金継ぎは、壊れた器を修復するための実用的技法であるとともに、日本ならではの美しさを世界に誇るアートでもあります。
金継ぎで修復した器には、割れ面に沿って金の線が走ります。この線を使いながら、器に新たな景色を描き出すことで、器の価値を高められる点が、金継ぎならではのメリットと言って良いでしょう。
この美しい金継ぎの技術が確立したのは、室町時代だったと言われています。
当時の日本では茶の湯が盛んで、器も多く使われていました。
一つずつの器を大切に使うのはもちろんのこと、金継ぎの美しいデザインに魅了された人が多かったことも事実であり、金継ぎは盛んに行われていました。
残念ながら近年では、壊れたものを修復してまで使おうとする方の数は減少傾向にあります。
また金継ぎという伝統的修復方法について、知らない方も増えてきています。
初心者でも手軽に実践できる金継ぎですが、それをアートにまで昇華させようと思えば、やはりそれなりの知識・技術が必要となります。
こうした金継ぎのプロは、徐々に減少傾向にあり、日本の伝統的な技法を守っていく上で今後の課題とされています。
まとめ
漆と金粉を使って器を修復する金継ぎは、日本に古くから伝わる伝統技法の一つです。
日本では、金継ぎを行う人が徐々に減っている一方で、近年映画スターウォーズにもその技法が取り入れられ
海外で話題になっています。「古いものから唯一無二のアイテムを生み出す、すばらしい技術」として注目を集めています。
ちょっとしたコツさえ覚えておけば、金継ぎは、初心者でも実践することが可能です。専用キットも販売されていますから、活用してみるのも良いでしょう。
お気に入りの器を壊してしまったときには、金継ぎで新たなお気に入りへと変身させてみてください。