金相場が高騰中!金を売却したら税金はどれくらいかかる?
2023年9月に史上初の1万円台を超えたことでも話題となった金価格。これにより、所持している金製品の売却を検討される方も増えています。金を売却する際には売却によって得た利益に税金がかかることを把握しておく必要があります。そこで今回は、金の売却によって生じる税金と、その算出方法について紹介します。
金を売却すると税金がかかる?
金を売却することで得た利益には、税金がかかります。国税庁は、「金地金の譲渡による所得」を、以下のように定めています。
「給与所得者などが持っている近地金を売却した場合の所得は、原則、譲渡所得として課税されます。給料など他の所得と合わせて総合課税の対象になります。」
ただし、全額が課税対象となるわけではなく、売却して得た金額から、金の購入額や売却するにあたってかかった費用と特別控除の50万円を引いて残った利益に対してのみの課税となります。
金の売却による所得区分とは?
原則、金の売却によって得た所得は譲渡所得として扱われますが、場合によっては雑所得や事業所得として課税される場合も。以下では、それぞれの所得区分について解説します。
譲渡所得とは?
一般的に金を売却した際にかかる税金が「譲渡所得」です。主に、資産を譲渡することによって生じる所得を指します。国税庁は、譲度所得の例として土地や建物、株式やゴルフ会員権などの資産を挙げています。
雑所得とは?
営利目的でかつ継続的に金を売って利益を得た場合は、雑所得となります。国税庁は雑所得を、「公的年金等、非営利用貸金の利子、著述家や作家以外の人が受ける原稿料や印税、講演料や放送謝金などが該当」と国税庁では、定めています。
事業所得とは?
農業や漁業、卸売業がこれにあたり、金を事業として売却した利益は、事業所得となります。
金売却時の税金をシミュレートしてみよう
上述の通り、個人が金を売却して得た利益は通常「譲渡所得」として扱われ、課税対象となります。ここからは、金を売却した際の税金の算出方法について紹介します。
課税譲渡所得金額の計算方法
金を売却した際にかかる税金は、売った金額すべてにかかるわけではなく、購入時の金額や売却時にかかった費用を差し引いた差額、つまり利益にあたる部分が課税の対象となります。
具体例として、金購入時にかかった金額を500万円、売った金額200万円としたときの利益は、以下のような計算式で求めることができます。
売った金額ー購入した金額=利益 (500万円) ー (200万円) =300万円 |
利益にかかる税金は、所有年数によっても異なります。ここからは、上記の金額に加え売却費用を0円とした場合にかかる税金の求め方について解説します。
所有期間が5年以内(短期)
譲渡所得の場合には、年間50万円の特別控除が適用されます。5年以内の短期の場合は「短期譲渡所得」となり、課税所得の求め方は以下のようになります。
売った金額ー(購入した金額+売却費用)ー特別控除50万円=課税所得 500万円 ー( 200万円 + 0円 )ー 50万円 =250万円 |
所有期間が5年以上(長期)
保有期間が5年以上の長期の場合は「長期譲渡所得」となるため、課税所得の算出方法が異なり、以下のようになります。
{売った金額ー(購入した金額+売却費用)ー特別控除50万円}×1/2=課税所得{500万円 ー( 200万円 + 0円 )ー 50万円 } ×1/2=125万円 |
所有期間が5年未満・5年以上どちらもあるとき
短期譲渡所得と長期譲渡所得が混在している場合でも譲渡所得の特別控除は50万円が限度となります。さらに、短期譲渡所得から優先して控除されるため注意が必要です。
短期譲渡所得と長期譲渡所得を比較した際に、5年以上の長期譲渡所得の方が税計算上は有利なことがわかります。
税金の計算方法
税金を求めるには、上記で求めた課税所得に税率をかけることで求めることができます。
(課税所得+給与所得など)×税率=税金 |
給与所得など、他の所得がある場合にはすべての所得を合計した金額により税率が決まります。
所得税は、所得金額に応じて5〜45%、住民税は一律10%となります。
所得税に対する税率は以下の通りです。
課税対象の所得金額 | 税率 | 控除額 |
1,000円から1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円から3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円 から 6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円 から 8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円 から17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円 から39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円 以上 | 45% | 4,796,000円 |
金相場が上がると売却時の税金はどうなる?
過去20年で上昇しているように、金価格が上がった場合には売却時の税金も変動します。以下では、金相場が上がり売却時の金額が800万円になった想定で課税対象となる所得を算出します。
短期譲渡所得の場合
売った金額ー(購入した金額+売却費用)ー特別控除50万円=課税所得 800万円 ー( 200万円 + 0円 )ー 50万円 =550万円 |
長期譲渡所得の場合
{売った金額ー(購入した金額+売却費用)ー特別控除50万円}×1/2=課税所得{800万円 ー( 200万円 + 0円 )ー 50万円 } ×1/2=275万円 |
このように、売却益が上がる分、課税対象となる金額が増えることがわかります。
金相場が上がると売却時の税金がアップする可能性があるため注意が必要
今回は、金を売却した際にかかる税金について紹介しました。現在安定した上昇を続ける金価格。利益として得た分が多いほどかかる税金も多くなります。また、売却時にかかる税金は、保有年数などそれぞれの状況により異なるため、売却のタイミングを検討している場合には「なんぼや」にご相談ください。金の買取実績豊富な「なんぼや」では、お客様のお悩みに合わせた適切な売却方法やタイミングでの買取をご案内いたします。また、金をはじめとする貴金属ジュエリーなどの買取も行っておりますので、お持ちの金製品の価値が知りたいという場合にはお気軽に無料査定をご利用ください。