スペッサタイトガーネット/Spessartine Garnet
スペッサタイトガーネットは、ビビットなオレンジ色のマンダリンガーネットや、赤だいだい色のタンジェリンガーネットが商品名として知られている、近年人気のあるガーネットのひとつです。
鉱物としてはケイ酸塩鉱物で、アルミニウムを内部に含む、パイラルスパイト(pyralspite)グループに属しています。
スペッサタイトガーネットの名称の由来や価値、その特徴や石にまつわる言葉の意味などを、詳しくご紹介します。
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宝石の属性
名前 | スペッサタイトガーネット(スペサルタイトガーネット/スペサルティンガーネット/スペッサルト) |
英語名 | Spessartine garnet/Spessartine |
和名 | 満礬柘榴石(まんばんざくろいし) |
色 | 淡オレンジ色、オレンジ色、赤褐色、茶色、茶褐色、黄褐色 |
グループ(種・変種) | ガーネット、アルマンディンガーネット(アルマディンガーネット/アルマンダイト)、パイロープガーネット、グロッシュラーライトガーネット(グロッシュラライトガーネット)、アンドラダイト、ウバロバイト、デマントイドガーネット、グリーングロッシュラーガーネット(ツァボライト/サボライト/グリーンガーネット)、ロードライトガーネット、ヘソナイトガーネット |
硬さ(モース硬度) | 7.25 |
光沢 | ガラス光沢 |
化学成分 | Mn3Al2(SiO4)3 |
結晶系 | 等軸晶系 |
誕生石 | 1月(ガーネット全体) |
宝石言葉・意味
- 宝石言葉
- 真実、愛、忠実、色気、エネルギー
- 意味
- 秘めた情熱
産出国・産地
- ナミビア:全域
- ナイジェリア:インセン/Iseyin、イバダン/Ibadan
- タンザニア:ロリオンド/Loliondo
- モザンビーク:全域
- スリランカ:全域
- アフガニスタン:全域
- ミャンマー:全域
- オーストラリア:全域
- ドイツ:全域
- イタリア:全域
- オーストラリア:全域
- 南アフリカ共和国:全域
- ノルウェー:全域
- メキシコ:全域
- ブラジル:ミナスジェライス州/Minas Gerais、セアラー州/Ceará、アラスアヒ/Arassuahy
- アメリカ:アメリア郡/Amelia、サンディエゴ郡/San Diego、ラモナ(ラモーナ)/Ramona、ペンシルベニア州/Pennsylvania、ノースカロライナ州/North Carolina、ニューメキシコ州/New Mexico
- マダガスカル:全域
- パキスタン:アザド・カシミール/Azad kashmir
- ロシア:全域
- 中国:福建省(ふっけんしょう)
- 日本:長野県
特徴・特性
スペッサタイトガーネットはケイ酸塩鉱物で、アルミニウムを内部に含む、パイラルスパイト(pyralspite)グループに属する宝石です。
明るいオレンジ色からコニャック系の黄みがかった茶系までの色が見られるガーネットですが、宝石質(※1)の産出が主要ガーネット6種類(※2)の中でもっとも少ない宝石でもあります。
しかし、まれに採石される宝石質のものは発色が良く、屈折率もサファイアより高い1.78-1.79あるため、カット(研磨)することで、とても美しい輝きを見せてくれます。
中でも明るいオレンジ色からコニャック系の黄色や茶色みがかったオレンジ色で、果物のオレンジのような色を想起させるものはマンダリンガーネット、それよりも赤みの強いものはタンジェリンガーネットという商品名で人気があります。
宝石名の由来
スペッサタイトガーネットは、1800年代中盤に、ドイツ・バイエルン州のシュペッサルト郡(Spessart)で発見されたことから、地名にちなんで命名されました。
マンダリンガーネット
マンダリンガーネット(Mandarin garnet)はマンガン(Mn)が含有することよりオレンジ色に発色する、スペッサタイトガーネットの中でも“まるで果実のようなオレンジ色をしたもの”だけに与えられる商品名です。
その由来は、果実のマンダリン・オレンジからで、1990年代初頭にナミビアのククネ川近くで発見され、その後1998年にナイジェリア、2007年にはタンザニアでも同等の品質のものが発見され採石されるようになりました。
その明るいビタミンカラーは人目を引く色で、持っているだけでワクワクするという方もいるほどの人気色になりましたが、すでに主要鉱山は枯渇しているとの情報もあります。
なお、マンダリンガーネットの産地は、モザンビークにもあります。ただし、上記3鉱山に比べるとコニャック系の色が少し入った落ち着いた色のものが多い傾向にあります。
タンジェリンガーネット
タンジェリンガーネット(Tangerine garnet)は、赤みの濃いオレンジ色から明るい赤褐色のスペッサタイトガーネットを指す、商品名です。
カシミリンガーネット
日本ではあまり周知されていませんが、パキスタンのアザト・カシミール(Azad kashinir)地方でも、1993年に、オレンジや赤みのあるオレンジ、チェリーレッド等のスペッサタイトガーネットが発見されました。
このスペッサタイトガーネットにも、産地の名称からカシミリン(Kashmirine)という商品名が付けられています。
スペッサタイトガーネットのお手入れ方法
通常のお手入れでは、使用後に毎回、柔らかい布などで表面を拭いてから保管することを習慣付けましょう。それだけで、いつもより輝きが長持ちします。
しかし、布だけでは落ちない皮脂汚れなどもあります。前より輝きが鈍くなったなと感じたら、水もしくはぬるま湯の中にキッチン用の中性洗剤を入れて溶かし、その水につけながら洗うと良いでしょう。柔らかいブラシであれば、宝石を直接擦ってもキズなどは付きませんのでご安心ください。その後、十分にすすぎ洗いをしたら、乾いたタオルで水分を取り、その後完全に乾燥してから保管するようにすると良いでしょう。
ただし、セッティングの弱い宝飾品の場合、台座から宝石が取れてしまうこともあります。十分注意の上、洗浄しましょう。