10年後のプラチナ相場を予想
プラチナは、金属の中でも希少性が高く、アクセサリーとしても人気の高い素材です。一方で、さまざまな要因によって価格が変動するため、将来の相場予想が難しい金属としても知られています。今回は、プラチナ価格の近年の推移をご紹介し、10年後の相場予想を行います。 関連記事【更新:2024年11月】プラチナの見分け方は?刻印や磁石を使った鑑定方法をご紹介
プラチナは貴金属のなかでも価値が高い分、偽物などが出回ることも少なくありません。そこで今回は、プラチナが本物かどうかを見分ける方法について解説を…
2024.11.06
2023年のプラチナ価格の推移
近年、金が急激な高騰を見せているのに対して、プラチナの価格変動はそれほど大きくありません。長期的に見れば価格は上昇しているものの、その傾向はとても緩やかです。2023年6月26日時点でのプラチナの価格は、1gあたり4,624円となっています。
以下の表では、2023年1~5月までのプラチナの平均価格をまとめました。
月 | 平均(1gあたり) | 最高(1gあたり) | 最低(1gあたり) |
5月 | 4,756円 | 4,884円 | 4,676円 |
4月 | 4,552円 | 4,864円 | 4,289円 |
3月 | 4,261円 | 4,354円 | 4,166円 |
2月 | 4,173円 | 4,329円 | 4,059円 |
1月 | 4,486円 | 4,668円 | 4,329円 |
プラチナ価格の上昇が鈍化している理由
過去10年間のプラチナ価格の動きを確認すると、2012年には1gあたり4,000円前後なのに対して、2022年には4,100円程度となっており、若干の上昇傾向が見られます。一方、同じ期間の金の価格を調べてみると、4,300円から7,500円に価格が上昇しており、顕著な伸び率を記録しています。
ここまでプラチナ価格の上昇が鈍化している理由には、以下のようなものが考えられます。
世界的な不況による自動車産業のプラチナ需要の低下
中国でのプラチナ需要の低下
産出国である南アフリカやロシアの経済状況の変化
プラチナ製品の売却を考えている場合は、これらのポイントを常にチェックしておくことが大切です。
プラチナと金の関係
そもそも、プラチナは金と比べて算出量が少なく、特に希少性の高い金属です。それにもかかわらず、プラチナよりも金の価格が高騰した理由はどこにあるのでしょうか。
まず、金は用途が幅広いのが特徴です。アクセサリー以外にも工業製品や医療用品、食品、美容品などにも使用されます。一方で、プラチナは工業需要がメインであり、使い道の幅が狭い傾向にあります。そのため、自動車販売不況や宝飾品需要の減少の影響を強く受けてしまい、金との価格の逆転現象が発生しました。この傾向は今後も続くと予想されます。
10年後のプラチナ価格の相場予想
10年後のプラチナ価格はどうなっていると予想できるのでしょうか。こちらでは、今後のプラチナ価格に影響を与えるポイントを2つ解説した後、相場予想を行います。
2021年からの価値回復
プラチナは、新型コロナウイルスの影響により、2019年から2020年にかけて価格を大幅に下げました。実際、2019年と2020年の平均価格は、1gあたり3,100円前後となっています。
その後、2020年下半期からは需要が回復し始め、2021年と2022年は順調に価格が上昇しています。マーケット全体の傾向を見てもこの流れは続くと考えられますが、コロナ禍の影響が一時的なものかどうかを注視し続ける必要があるでしょう。
プラチナとフォルクスワーゲン問題
今後のプラチナ価格を予想するには、自動車産業の変化にも目を向ける必要があります。プラチナはディーゼル車のエンジンに使用されており、ディーゼル車の売上がプラチナの価値に直結するためです。
しかし、2015年に発生したフォルクスワーゲン問題により、ディーゼル車の信頼性は低下しています。それに合わせてプラチナ価格の伸びも鈍化しており、今後の相場予想が難しい状況が続いています。
10年後のプラチナの価格はどうなる?
10年後のプラチナ価格について、現状から予想する場合は、上昇・下落のどちらの可能性も秘めているといえるでしょう。
先に説明した通り、ディーゼル車におけるプラチナ需要は低下しているものの、最近ではガソリン車の浄化装置にプラチナが使用されるようになっています。また、燃料電池車(FCV、水素自動車)の電極部分にもプラチナが使用されており、工業分野での活用が進んでいます。この調子でプラチナのニーズが高まっていけば、価格の上昇も期待できるでしょう。
一方で、世界の主流はEV車に移りつつあります。この流れが加速すると、自動車産業におけるプラチナ需要が減少し、価格が下落する可能性もあります。ただし、EUが2035年以降もエンジン車の販売を容認するなど、EV車の先行きについても不透明な状況が続いているのが現状です。プラチナの価値は多くの要因に左右されるため、世界情勢に目を向け、値動きを把握・分析することが重要になります。
まとめ
価格が上昇している現在は、プラチナ製品の売り時です。ご不要になったプラチナがある場合は、ぜひ「なんぼや」の無料査定をご利用ください。最新の相場価格に基づいて丁寧に査定を行い、高価買取を実現いたします。