金相場に関わるアメリカ経済|金市場の重要性や金保有量について
国際的な金取引において、アメリカ市場は重要といわれています。その影響力は、日本の金市場にとっても小さくありません。また、アメリカ経済も、金相場との関係性が深いと見られています。同国の金市場などについて理解を深めておけば、日本市場で金取引するときにも役立つでしょう。そこで今回は、金相場におけるアメリカ市場の重要性・同国の金保有量やアメリカ経済と金価格との関係についてご紹介します。
金相場におけるアメリカ市場の重要性
金の国際的な取引相場において、アメリカ市場の重要性は高いと考えてよいでしょう。また、日本の金相場に対する影響力も大きいと見られています。
国際市場における重要性
金のアメリカ市場は、国際市場のうち先物取引において重要です。
現在、金取引は、ロンドン・ニューヨークをはじめチューリッヒ・香港・シンガポールなど世界各地で進められています。そのうちロンドンは、金の現物価格について指標を決めている取引市場です。
それに対し、将来の売買を現行価格で進める先物取引は、ニューヨーク市場で取り決めた現時点の価格設定が指標になります。また、金の国際取引は、基本的に米ドル建てで行われています。
これらの仕組みから、アメリカ市場は、金の国際市場のなかでも先物取引で重要になるといえます。
日本市場にとっての重要性
金のアメリカ市場は、日本の国内取引にとっても重要性の高い存在です。
日本の金相場は、ロンドン・ニューヨーク市場の取引価格と密接に連動しています。さらに、国際取引はドル建てであるのに対して国内取引は円建てで行われるため、日本の金価格はドル円為替相場の動きに大きく左右される状況です。
具体的には、ドル安のとき、国際市場でドル建ての金を安値で買いやすくなります。その後、ドル高になったとき円建ての日本市場で売ると、ドル円相場の差額で利益を得られるでしょう。
そのため、米国の金市場は、国際取引と日本の金相場のいずれにとっても重要であると認識されています。
アメリカの金保有量や産出量
アメリカ合衆国は、金の保有量が多いことで知られる国です。また、国内における金の産出量も、世界有数の豊かさを誇ります。
アメリカ合衆国の金保有量
米国における金の保有量は、他国と大差が見られるほどの多さです。
ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が示したデータによれば、同国が保有する金は2023年9月末時点で8,133.46トンでした。その結果、各国の中央銀行・公的機関による金の保有量で世界1位になっています。
このランキングで、世界2位はドイツでした。ただし、ドイツの金保有量は3,352.65トンにとどまっています。それぞれの国の金保有量を比べた場合、米国とドイツとの差は2倍以上です。
3位以降は3,000トンに届かず、米国と残りの国々との間には大きな差が生じています。
国内の産出量・消費需要
米国は、国内における金の産出量や消費需要も豊富です。
近年の世界ランキングを見ると、同国は、金の産出量で上位に入っています。米国の研究機関が作成した資料によれば、2022年に170トンの金を産出し、カナダの220トンに続いて5位になりました。
また、金の消費需要は、WGCの発表によれば2022年の世界3位です。1位の中国と2位のインドで世界シェアの約5割を占めていますが、米国のシェア率は7.8%であり、1割近くに達しています。
以上の数値をふまえた場合、米国は金の保有量・国内の産出量・消費需要ともに豊かであると理解できます。
アメリカ経済と金価格の関係
アメリカ合衆国は、ドル相場と金相場の動きが相互に大きく影響を及ぼしている国といえるでしょう。
アメリカ経済が良好の場合
アメリカ経済が良好の場合、為替相場はドル高が進み、金相場は下がりやすくなります。
米国の経済状況が良好でドル高になると、ドル建ての国際市場で金を売って強い米ドルを入手しようとする動きは活発化します。また、金より株式や債券に投資したほうが利益を得やすくなるため、金が手放されるケースは少なくありません。
結果的に、経済状況が上向きでドル高の流れが進むと、金の評価が下がり取引価格は低下する傾向があります。
経済状況が不安定になった場合
米国の経済状況が不安定になった場合、ドル安が進むなか金相場は上昇傾向を示すケースが多く見られます。
アメリカ経済が不振になると、米ドルは安くなるのが一般的な動きです。主な理由は、通貨への信頼が薄れ、多くの米ドルが手放されるためです。その代わり、資産価値が変わりにくい金の購入は増え、金相場の上昇につながります。
この動きからは、経済状況が振るわずドル安が進めば、金の相場価格は上昇しやすくなるといえます。
具体的な事例
アメリカ経済と金価格の関係性を示す具体例としては、リーマンショックやコロナ禍が挙げられるでしょう。
これらのケースでは、世界的な経済不況のなか米国の経済状況も振るわなくなると、米ドルや株式・債券に対する信頼は揺らぎました。その反動から、主な投資対象は、安定資産の金へ移っていったといわれています。
一方、経済状況がコロナ禍の影響から復活し始めると、米国の為替市場は上昇傾向に転じました。この状況をふまえ、2023年頃には、金に集中していた投資が株式や債券へ分散するだろうと予想する声も出てきています。
これらの動きからは、アメリカ経済と金価格が深く関わっていると分かるでしょう。
ただし、金相場は、米国の経済状況のみで決まるわけではありません。実際、国際市場の取引価格は、さまざまな要因で変わっています。そのため、金取引では、米国経済と金価格の相関関係が常に成立するとは限らない点に注意が必要でしょう。
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