「純金」純粋な金の魅力
貴金属の中でも、価値が高い「金」。
とりわけ、混ぜ物が入っていない「純金」は、古い時代から人々を魅了してきました。
一般的に市場に出回っている金製品の多くに使われているのは、純金にあえて混ぜ物をした合金です。混ぜ物をするのは、用途にあった性質の金を得るためで、実際に多種多様な金が誕生しています。
一方で純金はというと、混ぜ物を一切せず、また不純物を極力取り除いて作られる金です。純金にはどのような魅力や歴史があるのでしょうか? 2024年金買取相場急上昇中!! 10月31日(木)現在1gの相場が15,025円を超えました!! 金を売るなら今がチャンス、金買取なら「なんぼや」にお任せください。 金買取相場価格 推移グラフ 基準指数(円) 期間(日単位): 開始日が終了日より後になっています から 終了日が開始日より前になっています ※買取相場価格に手数料は含まれておりません。手数料に関しては宅配買取もしくは店頭にてご案内させていただきます。
純金の定義や、思わず「へぇ」と言いたくなる豆知識を、幅広くご紹介いたします。
純金 黄金の輝きは純金の証
古代から、金は権力や富を誇示するための宝飾品、建築素材として貴族や富裕層の間で親しまれてきました。
純金は、他の金と比べて最も高価です。そのため、その黄金の美しさもさることながら、高級感を演出するためにも、宝飾品・建築物・工芸品などの素材として好んで用いられます。
純金に他の金属を混ぜて合金にすることで、その性質を変化させることができます。混ぜものの種類や配合率次第では、色調をがらりと変えることもできます。
カラーゴールドは銅、銀、パラジウムなどの金属を特殊な配合率で純金に混ぜ合わせることで作られているのです。
カラーゴールドも人気が出始めてはいますが、なんといっても純金の放つ黄金には、不動の魅力があります。「金色」と言われてイメージされるのは、この純金が放つ輝かしい黄金の色調でしょう。
純金は最高級の証
純金は宝飾品素材として使いづらい面もありますので、実用性を重視する場合には、硬さや耐久性を調整する必要があります。
そこで、金に混ぜものを加えることで硬さや耐久性を調整するのです。後で詳しく解説しますが、K22金、K18金などと呼ばれる金は、一定の比率で銀や銅を金に配合させています。
しかし、純金にはこうした混ぜものが一切含まれていません。したがって、金本来の特徴と魅力を楽しむことができるのです。
純金は耐久性などの実用面ではK22、K18などの添加物を含む金よりも劣りますが、リング、ブレスレット、ペンダント、ネックレスなどの最高級素材として重宝されています。
「純金」という響きが、高級志向の人々の心をくすぐるのです。
純金は普遍的な価値を持つ
古代より人々を魅了した純金
純金は、その美しさによって古今東西の人々を魅了してきました。古代から、世界各国で権力を誇示する役割を果たしてきたのも純金です。財宝、工芸品、宝飾品、建築物など、いわゆる「お宝」の多くには純金が用いられてきました。
中世のヨーロッパでは、金細工職人が活躍していました。数々のアンティークには、カラーゴールドとともに純金が用いられることも少なくありませんでした。その他、王冠、宮廷の建築素材などにも用いられてきました。
純金は多くの宗教建築に利用されてきました。紀元前10世紀に古代ソロモン王が建設したソロモンの神殿にも、純金がふんだんに使用されています。純金の放つ黄金は、古代人にとっては神々しいものだったのかもしれません。
ブッダの神聖さを表すために、純金で装飾を施した仏像も数多く作られました。たくさんの仏具にも金が用いられています。
損なわれることのない純金の価値
金は腐食しないため美しさを損なうことがありません。さらに、希少価値も高いことから、古代より通貨としても利用されてきました。世界中で純度の高い金貨が出回っていますし、日本でも大判・小判に金が使われています。
いまでは、純金は投資信託の対象としても人気があります。純金ETFといった金融商品が開発されて、純金は世界経済を支える資産にもなっているのです。
このように、神々しい色調を放つ金には、時代、国、文化を越えた価値があります。純金を活用することで、社会を大きく変えることもできるのです。
純金で経済を活性化
最近では、純金で経済を活性化しようという試みがたくさん見られるようになってきました。
三重県津市にある寶珠山大観音寺の本尊「純金開運寶珠大観世音菩薩」は、純金でできた33メートルの大観音像です。珍スポット、B級スポットとして観光客の人気を集めています。
ジュエリー企業が、機動戦士ガンダムの純金製モデルを制作して、テレビシリーズの放映開始35周年記念として展示するというニュースもありました。純金1キログラムでできたパーツで組み立てられたそうです。
まちおこしにも純金が活躍しています。「ふるさと創生事業」として振り分けられた財源が、純金に使われているのです。
- 兵庫県の淡路島では、1億円の金塊が観光の目玉として活躍しました。
- 熊本県のゆるキャラ、「くまモン」が純金で作られました。この純金製くまモンの販売価格は1億円相当と言われています。
- 高知県高岡郡中土佐町では、純金のカツオ像が作られました。全長が58センチ、総重量53キログラムという大きさです。
- 大分県日田郡中津江村では純金の雌雄の鯛が製作されて話題でした。
- 青森県黒石市で製作された純金こけしが注目を浴びました。
最近では、純金製のメッセージカードや名刺なども記念日などのプレゼントとして人気を博しています。
プレミアム感、高級感を演出したい場面で、純金は大活躍しています。
純金と24金、K24は同じ?
「金」と一口に言っても、たくさんの種類があります。
純金とは、金以外の添加物・不純物が何も含まれていないものを指しますが、単に金と言った場合には、純金だけでなく、銀や銅などが配合されたものも含まれています。
したがって、金の純度を表す言葉に、「純金」、「24金」、「K24」などがあります(「24K」と表記されることもあります)。
海外ではK24を1000分率で換算して1000と表記することがあります。
これらは、同じ純度を指す言葉です。
Kはカラット数を表すKaratが由来の記号です。カラットは24分率でその重量比率を表現します。
重量比にして、24分のいくらだけ金が含まれているかを表しているのです。
たとえば、純金なら金の比率が1ですので、24/24(24分の24)だけ金が含まれています。したがって、純金のカラット表記はK24になります。
重量比にして75%の場合には、金の比率は0.75です。これを24分率で考えますと、18/24(24分の18)ですので、K18になります。K18金には、75重量%の金が含まれており、残りの25%は、銀や銅などの別の金属が含まれているということです。
純金は100%の純度?
ただし、文字どおり純粋な金を得ることは困難です。
純金は天然から採取できる金の純度を人工的に精錬して高めたものです。
数グラム単位などある程度の大きさになりますと、100%の純度の金を得ることはほとんど不可能ですので、わずかに不純物が混入したものになります。
日本ではK24と言えば、99.99%以上の純度を誇るものを指します。
海外では、99.9%でもK24と呼ばれることが多いようです。
純金は金原子の結晶
化学や物理で定義される金は通常、純度100%の金を指しています。
それではそもそも金とは何でしょうか。
金は、原子番号79番の金原子の結晶です。つまり、金が結晶であることを考慮して、強度を調整したり純度を高めたりする技術が開発されてきたのです。
また、純金以外の金、たとえばK22金、K18金、グリーンゴールド、レッドゴールドなどには、銀や銅が配合されています。銀と銅の原子番号はそれぞれ47と29です。原子番号が大きいほど重くなりますので、銅よりも銀、銀よりも金のほうが重くなります。
原子の重さの相対比率を表す原子量は、金が197、銀が108、銅64となっています。つまり、金はおよそ銀の2倍、銅の3倍重いということです。
純金は比重の大きい貴金属
金は結晶ですので、銀や銅を混ぜたからといって、その体積が大きく変わるわけではありません。銀や銅を混ぜて合金にしても、同じ結晶構造が保たれるのです。
したがって、体積あたりの重量(比重)は、金の純度が高いほど大きくなります。純金は、重い金原子だけで構成される結晶ですので、数ある金の中で最も重いものになるのです。
銀を25重量%含むK18グリーンゴールドの比重は15.9 (g/cm3) 、銀を25重量%含むK18レッドゴールドの比重は14.9 (g/cm3) です。それに対して、純金の比重は19.3 (g/cm3)と、ずっしりした重さになっています。
純金が高価である理由
純金の希少価値
古代ギリシャの数学者、アルキメデスが「アルキメデスの原理」を発見したのも、王冠の金が純金であるかどうか調べるためだったと言い伝えられています。
古今東西、金は希少価値のある高価なものなのです。
金はその純度が高ければ高いほど値段が高くなります。多くの場合、純金が最も高価なのです。
これには理由があります。
最近では金の埋蔵量にかぎりが見えてきている一方で、中国やインドでの資産、金融商品としての人気が沸騰しています。
触媒や電気部品などの工業用途のほかにも、美容品、顔料など、さまざまな用途が開発されていますので、金の希少価値はますます高まっています。
したがって、金の経済的価値はその純度にあると言っても過言ではありません。たいへん高価な純金は、宝飾品素材としては最高級品としても重宝されています。
現在金製品の価値が高騰しています。
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混ぜものを配合させると安価になる
また、一般に市場で取り引きされる金には、純金よりも高価なものは混ぜものとして含まれていません。銀、銅の他にパラジウムも金に配合されることがありますが、パラジウムも金より安価な金属です。
たとえばK18金は、純金よりも変形しにくく、傷も付きにくく、比較的安価な金の素材として使用されます。このK18金全体の重量のうち25%を、比較的豊富に採取できる銀と銅が占めています。銀と銅は金よりもはるかに安い金属ですので、混ぜものを含む金ほど、安いものになるのです。
このように、金という元素自体が、たいへん希少なものですので、純度が高ければ高いほど、高価になるというわけです。
金よりも高い値段が付く白金(プラチナ)が配合されることがありますが、金の種類として数えられることは少ないようです。
純金は自然界では手に入らない
純金は、自然界から直接手に入れることはほとんどできません。
「自然金」は、天然で作られる金属鉱物としての金を指す言葉です。この自然金は銀を10%前後含んでおり、純金として得ることはできません。
自然金のうち、特に鉱山の鉱脈から採取される金は「山金」と呼ばれます。山金は、K14からK20くらいの純度になっています。
さらに金を含む鉱脈の岩石が風化して砂となり、川の水に流されて川底に堆積したものは、「砂金」と呼ばれます。
大きいものでは1キログラム以上のものもまれに発見されるようですが、通常、粒状、樹枝状の小さな砂のような形で発見されることが多いようです。
砂金は風化されたり川に流されたりするうちに、含まれる銀などの不純物が溶け出しますので、K20からK22くらいのやや高純度になります。しかし、それでも純金というにはほど遠い濃度です。
現代では、純金を得るためのさまざまな精錬方法が開発されています。溶炉を使いながら電気分解を活用する精錬方法などが採用されています。
純金はサビない
さびた純金を見たことあるでしょうか?きっとないはずです。
純金は非常に腐食しにくい物質ですので、どれだけ古い金貨や金細工であっても、さびているものがありません。
これは、金が酸素と反応しにくいことと関係しています。というのも、サビは金属が酸素と結合することで起きる現象だからです。
ただし、硫黄を含むチオール基と呼ばれる物質には結合します。
金箔はスイーツなどにも使われて、食べても体にはほとんど影響はないのですが、金がチオール基に反応することから、食べ過ぎると健康に影響があるのではないかという懸念もありますので、注意してください。
純金は溶けない
純金は、王水と呼ばれる濃塩酸と濃硝酸とを3:1の体積比で混合してできた、強い酸性を示す溶液でないと溶かすことができないほどです。
金属は電圧をかけることで溶かすこともできますが、純金は、大きな電圧をかけないと溶かすことができません。酸化還元電位が1.8 ボルトととても高くなっています。銀は0.8ボルト 、銅は0.5ボルト程度です。
この酸化還元電位は、イオン化傾向と関係しています。酸化還元電位が高いので、純金はイオン化しにくい物質ということになります。
金属アレルギーの原因のひとつは、金属が汗などで溶けてイオン化してしまうために引き起こるものです。
ところが純金は溶けてイオン化しにくいので、金属のイオン化によって引き起こるアレルギーが非常に起こりにくいと言えます。
※1 酸化還元電位とは、酸化還元反応が起こる、物質間での電子のやり取りに必要なエネルギーを電位(厳密には電極電位)で表したものです。物質がどれだけ電子を放出しやすいか、受け取りやすいかを評価する指標になっています。
※2 イオン化傾向とは、水溶液等の中で金属などの元素がどれくらいイオン(元素の電子が奪われた状態)になりやすいかを表す相対尺度です。
純金 金メダルは純金じゃない
近代オリンピックでは、最も優秀な成績を残したアスリートに、金メダルを授与します。しかし、この金メダルは純金製ではありません。
オリンピック憲章では、金メダルを純金にしないように定めています。
「純度92.5%以上の銀(スターリングシルバーまたはブリタニアシルバー)製メダルの表面に6g以上の金メッキしたもの」というルールが決まっているのです(規則70 付属細則2-2)。
つまり、金メダルは素材としてはほとんどが銀なのです。
純金があまりにも高価ですので、オリンピック開催国によっては純金の使用が大きな負担になります。このことを配慮して、このように定められているのです。
純金 金は石じゃないのに誕生石?!
金は1月10日の誕生石になっています。
誕生石といいますと、ルビー、サファイア、ムーンストーン、ラピスラズリなどの宝石類が主流ですので、あれ?!と思われた方も多いかもしれません。
たしかに金は、石でも宝石でもありません。金は貴金属に分類されています。
しかし身近な金属でもありますので、金を誕生石とする考え方があるようです。
金には誕生石としてのパワーが秘められていると考えられており、金運を高める効果があるとされています。
さらに、神秘的な力があり、邪悪な力を浄化し追い払う効果もあると考えられています。健康を向上させる効果があるとも言われています。
金は石ではありませんが、石言葉が付けられています。
「確実な助言と力」
「愛・人気者・新劇界の貴公子」
がその石言葉です。
この誕生石のもとに生まれた人は、周囲からも頼られる、行動力のある人が多いとされています。
金とは別に、カラーゴールドも誕生石として数えられています。
カラーが変わることでそのパワーも変わると考えられています。
誕生石は、自分の誕生日に選ばれた誕生石を身につけることで力を発揮すると言われています。
1月10日生まれの方は、金をファッションや小物などに身近に取り入れてみてはいかがでしょうか?
純金は変形しやすい素材
金は叩けば叩くほど、どんどん延びて変形します。厚さ1マイクロメートル(1000分の1ミリ)にまで叩いて金箔にすることができます。
このように、金箔にもできるくらいですから、純金はもともと変形しやすい素材です。
押し込み圧力に対する変形のしにくさは、ビッカース硬度という指標で評価されます。
この値が大きいほど、押し込み圧力があってもへこみにくい素材ということを表しています。
純金は、ビッカース硬度が25 (Hv)ほどしかありませんので、他の金に比べますと、はるかに変形しやすい素材です。
比較的変形しやすい素材として知られるK18 グリーンゴールドのビッカース硬度も40 (Hv)程度ですが、純金はこれよりも一層、変形に対する強度がありません。
白金も比較的変形しやすく、微量の添加物を配合させることで強度を高くしています。
しかしそれでも、純粋な白金のビッカース硬度は50(Hv)と、純金よりは変形しにくい素材です。
K18金には75重量%の純金が含まれていますが、残りの25重量%として銀や銅が配合されています。この銀と銅の比率を例えば、銀 : 銅 = 8 : 2くらいにしますと、90 (Hv)にまで硬度は改善されます。
したがって、宝飾品素材としての実用性を重視した場合には、高級感や色調を損なってでも、金に銀や銅を配合することで変形しにくくなるように調整するのです。
純金は傷つきやすい素材
純金は、他の種類の金と比較しますと、最も傷つきやすい素材と言えます。
ひっかき傷に対する強さは、モース硬度と呼ばれる指標で評価されます。モース硬度が大きいほど、傷がつきにくい素材です。
最も傷がつきにくい素材、ダイヤモンドのモース硬度は10です。
しかし、純金のモース硬度はわずか2.5しかありません。
傷つきやすいことで知られるグリーンゴールドでも、モース硬度は3近くあります。
高価な貴金属素材のひとつ、白金(プラチナ)と比べてみても傷つきやすいことが分かります。
純粋な白金のモース硬度は4.3程度です。純金は、白金よりも一段と傷がつきやすい素材なのです。
強度を補強する目的で銀や銅を配合させますと、金の硬度は改善します。
K18金の場合には、モース硬度は3程度にまで改善するので実用性が向上し、宝飾品素材などに好んで用いられます。
純金まとめ
純金は、古今東西、希少で魅力的な貴金属として親しまれてきました。富や権力の象徴、宗教のために使われてきましたが、いまでは投資信託や観光名物にも利用されています。
日本では純金の純度にはこだわりが持たれていますので、99.99%の高純度の金が純金、あるいはK24として表記されています。高度な精錬技術によって、自然金は純金に加工されるのです。
純金はとても腐食に強い物質ですので、さびることもありませんし、溶けることもありません。
したがって、アレルギーが非常に起こりづらい素材です。
純金の欠点としては、変形しやすく、傷つきやすいことが挙げられます。こうした欠点を補って素材としての実用性を高めるために、K22、K18といった銀や銅を配合した金が使用されています。
とはいえ、純金ならではの色調と高級感は、こうした金では得られないものがあります。純金製という高級感、プレミアム感は独特のものがあります。
縁起物として、純金を使った記念品や観光名物が人気を博しています。
時代と文化を越えた、不動の価値が純金にはあるのです。
純金は埋蔵量がかぎられており、一方で、工業製品、医療、美容などの用途がたくさん開発されていますので、希少価値はこれからますます高まっていくと考えられます。
しかも、貨幣経済がどんどんと発達すれば、貨幣の価値が下がる一方で、実物資産としての純金の価値も高まることが期待されます。
世界経済の不安定性も、株などの資産の価値を下げる要因になっています。こうした背景から、純金の資産としての人気が中国やインドで上昇しています。
今後、ますます純金の価値が高まっていくかもしれませんね。