マラカイト/Malachite
カット断面が孔雀の羽のような縞模様に見える、美しい緑色の鉱物であるマラカイトは、建設資材としても活用できるほどの大きな石も採石されることから、インテリアの一部として、使用されている石です。また、災厄を取り除き、成功へと導いてくれるパワーストーンとしても人気です。
この石の、名称の由来や価値、その特徴やパワーストーンとしての意味などを、詳しくご紹介します。
2024年宝石買取相場急上昇中!! さらにジュエリーに使われている金は10月31日(木)現在1gの相場が15,025円を超えました!! 20年前と比べておよそ7倍以上値上がりしており、これまでにない高値となっています。 宝石やジュエリーを売るなら今がチャンス、宝石買取なら「なんぼや」にお任せください。
宝石の属性
名前 | マラカイト |
英語名 | Malachite |
和名 | 孔雀石 くじゃくいし |
色 | 緑 |
グループ(種・変種) | ポクロフスキー石(ポクロフスカイト/Pokrovskite) |
硬さ(モース硬度) | 3.5 – 4 |
光沢 | 金剛光沢、ガラス光沢 |
化学成分 | Cu2(CO3)(OH)2 |
結晶系 | 単斜晶系 |
宝石言葉・意味
- 宝石言葉
- 危険な愛情
- 意味
- 一途すぎる心は時に危険を伴う
※6月25日の誕生日石
産出国・産地
- ロシア:ウラル(ウラール)/Ural
- ナミビア:ツメブ/Tsumeb
- イスラエル:ティムナ・バレー/Timna valley
- アメリカ:アリゾナ/Arizona
- 南アフリカ共和国:全域
- コンゴ共和国:全域
- オーストラリア:全域
- シベリア:全域
- メキシコ:全域
- ザンビア:全域
- フランス;全域
- 日本:全域
- 中国:全域
特徴・特性
マラカイトは、銅の二次鉱物(※1)で、銅が産出される場所の周辺で採石される、炭酸塩鉱物です。また、その主成分は、銅にできる青緑色のサビの成分と同じです。
産出の形状は、塊(かたまり)や層状の集合体、皮膜状、粉状で、建築資材として活用できるほどの大きなものも採石されています。
名称の由来
マラカイトは、葵(あおい)科の植物であるゼニ葵の葉の色に似ていたことから、ゼニ葵のギリシャ語である「マラーキー/Malache」を語源とした、という説が主流です。
ほかに、マラカイトの硬度が低く柔らかい石であることから、同じくギリシャ語で柔らかいという意味の「マラコス/Malakos」を由来とする説もあります。
和名の「孔雀石」は、カットしたときに見られる縞模様が、孔雀の羽のように見えることから名付けられました。
顔料としてのマラカイト
マラカイトを粉末にしたものは、古来顔料として利用されてきました。岩絵具として、花火の発色剤として、また、世界初のアイシャドー(化粧品)としても活用されてきました。
特に古代エジプトでは、富裕層の間でマラカイトのアイシャドーが流行り、かのクレオパトラも愛用したといわれています。
顔料の色名としては、「マウンテングリーン」と呼ばれています。日本でも「岩緑青」と呼ばれ、絵の具として日本画に利用されてきた歴史があります。
装身具以外でのマラカイト
ロシア サンクトペテルブルグにある、エルミタージュ美術館本館の冬宮殿内には、「孔雀石の間/マラカイト ルーム」があります。
この部屋にある、円柱、マントルピース(暖炉周りの装飾)、食器、調度品の多くはマラカイトを使用して作られており、マラカイトの巨大な壺(花瓶)があることでも有名です。総計約2トンを使用して作られたといわれています。
また、同じ地区にあるセント アイザック寺院にも、マラカイトを用いて作られた円柱があり、多くの観光客を魅了しています。
これら、円柱などの建築資材や巨大な装飾品にマラカイトが使用できた背景には、19世紀初めに、大規模なマラカイト鉱床がロシアのウラル地方で発見されたことが、大きく貢献しています。
ロココ様式(※2)の建築物が、数多く作られていた時代に発見されたからこそ、実現できた芸術作品と呼べる品々なのです。
人類史上、重要な鉱物としてのマラカイト
人類が、初めて鉱物から金属を取り出したのは、紀元前約4000年前であるといわれています。マラカイトを火であぶることで、金属銅を精錬(※3)したのです。
そのことから、人類が金属を精錬して使用するようになったきっかけの、重要な鉱物とされています。
イスラエルのティムナ渓谷には、紀元前3000年頃にできた、人類最古と呼ばれる溶解施設(金属銅を精錬するための施設)跡が今も残されており、見学することができます。
アズロマラカイトとは
マラカイトは、炭酸塩鉱物で化学成分も似ている「アズライト (アジュライト)/Azurite(藍銅鉱/らんどうこう)」と同じ鉱山で採石されることの多い石です。この2種の鉱物が結合した石を「アズロマラカイト/Azurite malachite」と呼びます。
マラカイトの緑色と、アズライトの藍(あい)色が、マーブル模様のように混ざり合ったもので、ラウンドにカットされたものは地球をイメージさせてくれます。
また、2つのパワーがひとつの石で補えることから、パワーストーン愛好家の中でも人気の石です。
この藍色のアズライト部分ですが、水分を吸収することでマラカイトに変化する性質を持っています。そのため、保管方法などによっては経年により、藍色の部分が減る現象が見えることも考えられますので、注意が必要です。
そのほかのマラカイト結合鉱物
エイラットストーン/Eilat Stone(エイラト石)
ソロモン王の監督下で採石されたことから、別名「ソロモン王の石」と呼ばれる「エイラットストーン」は、イスラエルのエイラットで発見されたことから名付けられました。その産地にちなみ、「イスラエルの涙」と呼ばれることもあります。
マラカイトのほか、コッパー(Copper/自然銅)、クリソコラ(Chrysocolla/珪孔雀石)、ダイオプテーズ(Dioptase/翠銅鉱)、ターコイズ(Turquoise/トルコ石)などの二次鉱物が結合してできました。
明るい緑青色が、強く出ているほど高値になるこの石は、産出量自体が非常に少なく、イスラエルでは国石に指定されたことから、近年では国外への輸出が規制され、入手が難しい石となっています。
コンゴ共和国やメキシコなどでも成分の似た石が採石されているため、エイラットストーンとして流通することもありますが、この名称はイスラエルのエイラット産のものが使用できるとの考え方が主流です。
クォンタムクアトロシリカ/Quantum quattro silica
“クアトロ”が数字の「4」を示す通り、マラカイトのほか、クリソコラ、シャッタカイト(Shattuckite/シャタック石)、スモーキークォーツ(Smoky quartz/煙水晶)の4つの鉱物が含まれる石のことを、「クォンタムクアトロシリカ」と呼ぶことがあります。
そのほか、アズライトやダイオプテーズなどが含まれる場合もあり、定義としては、明確に定められている訳ではありません。
鉱物としては認定されていませんが、豊穣や財を成す、“繁栄の象徴”のパワーストーンとしての価値が高いため、流通名として呼ばれることのある名称です。
マラカイトのお手入れと保管方法
硬度が低いため、割れたり欠けたりしやすい石です。また、水分にも弱いため、水での洗浄や超音波洗浄には向きません。酸やアンモニアにも弱いため、使用時には注意が必要です。汚れた場合は、速やかに柔らかい布でやさしく拭き取るようにしましょう。
また、熱にも弱いため、暑くなる場所や、日光の当たる場所でのディスプレイや保管には適しません。使用しない場合は、なるべく冷暗所に保管されることをおすすめします。
「なんぼや」の宝石買取実績や買取相場はこちら
価値
濃い緑色の中に、縞瑪瑙(めのう)のような縞模様を見ることができるマラカイトは、その模様をいかしたカットを施すことで、ペンダントやブレスレットなどの装身具として利用されています。
また、加工が容易なことから、飾り食器や壺、置物などのインテリア分野でも活用されています。
建築資材としても利用されているほどの、大きな石が採石されることから、ジュエリーとしての価値よりも、個々の模様の美しさやパワーストーンとしての価値に、重きが置かれている石です。
硬度が低いこともあり、宝石に分類できないことから、装飾品に加工されるマラカイトは、半貴石として流通しています。
パワーストーンとして
浄化、予知、洞察力・直感力の強化、ビジネスの成功、眼病を主とした疾患改善、守護
マラカイトは、自分自身や周囲のネガティブな感情からくる厄を取り除き、癒やしを与えてくれると同時に、危険を察知して持ち主を守ってくれる石といわれています。
また、ビジネス上では、トラブルの原因となる事柄を寄せ付けず、成功へと導いてくれる石といわれていることから、経営者や起業を考えている人からも人気があります。
現在、宝石やジュエリーの買取相場が上がっています
写真を撮って送るだけ、店舗に行く前に買取金額が無料で分かります。