ホワイトオパール（ライトオパール）／White Opal

オパールの中でもポピュラーで産出量も多いホワイトオパール。特徴はボディーカラー（地色）が滑らかな乳白色をしていることです。

この石から発せられる遊色効果は、ブラックオパール等の強烈なものではなく、柔らかなやさしい色合いです。
そのため、公式の場から普段使い、また、和装など幅広い場での装いにマッチします。

ホワイトオパールの特徴や石にまつわる言葉の意味、価値などを詳しくご紹介します。

ホワイトオパール宝石の属性

ホワイトオパール宝石言葉・意味

宝石言葉

希望・潔白・幸福・安楽

意味

希望に溢れ、幸福感に包まれる潔白な心

ホワイトオパール産出国・産地

• オーストラリア：ライトニング・リッジ／Lightning Ridge、クイーンズランド／Queensland、ミンタビー／Mintabie、ウイントン／Winton、ホワイトクリフ／White Cliffe、コロイット（コロイト）、ヤワー、クーピー、エロマンガ／Eromanga、ジャンダー、クーバーペディ／Coober Pedy、アンダムーカ／Andamooka
  メキシコ：マグダレナ／Magdalena、ケレタロ／Queretaro
• エチオピア連邦民主共和国：ウォロ（ウェロ）／Wello
• アメリカ：ネバダ（ネヴァダ）／Nevada
• ブラジル：全域
• ペルー：全域
• タンザニア：全域
• ジンバブエ：全域
• 南アフリカ共和国：全域
• 日本：全域
• カザフスタン共和国：全域

ホワイトオパール特徴・特性

ケイ酸鉱物の一種で、成分中に約10%までの水分を含有するケイ酸化合物のオパールの中でも、ボディーカラー（地色）が白や乳白色のものの中で、遊色効果の見られるもの（プレシャスオパール）を、ホワイトオパール（ライトオパール／White Opal、light opal）といいます。

オパールの中でもっとも産出量が多く、大きな塊も採石されることから比較的リーズナブルな価格で流通しています。そのため、市場でもっともポピュラーなオパールとして、オパールの代名詞的な役割をしている宝石でもあります。

ホワイトオパールとライトオパール

ホワイトオパールとライトオパールは同じものを指す名称ですが、少し捉え方が異なります。

ライトオパールという名称ができた背景には、白色以外のオパール（乳白色や透明色）もホワイトということに違和感を持ったことが挙げられるからです。

そのことから、ホワイトやホワイトを基本色に濁ったように見える色はホワイトオパール、半透明のものをライトオパール、透明のものをウォーターオパール（クリスタルオパール）と表記している業者も存在します。

しかし、現在はホワイトオパールと透明度の高いウォーターオパール（クリスタルオパール）をひとまとめにしてライトオパールとする、という考え方が主流です。

ただし、小売店ではホワイトオパールの名称がポピュラーで、この名称での流通が着しています。また、鑑別書に記載される宝石名も、鑑別所機関によってホワイトオパール、もしくはオパールと記載されます。

貝の形をしたホワイトオパールは本物か

オパールは、単純に言えば二酸化ケイ素と水分が融合してできた化合物です。

この主成分である二酸化ケイ素が大量に堆積された土地に、様々な自然現象が重なることで成分が染み込み、長い年月をかけて固形化したものがオパールなのです。この時に、貝の化石にも成分が染み込みオパール化することがありました。

これが貝の形をしたオパールの正体で、シェルオパールと呼ばれて一般にも流通しています。形としては二枚貝のものが多く、まれに巻き貝のオパールも採石されます。

なお、貝以外にもオパール化したものはあり、動物や植物などが発見されています。中にはジュラ紀から白亜紀に活動していた恐竜の骨など、希少価値のあるものも採石されています。

ホワイトオパールのお手入れ方法

オパールは、お手入れ方法が難しいと思われることが多いのですが、宝飾品として正規店で販売されているホワイトオパールのほとんどは、通常の宝石のお手入れ方法とほぼ同じで大丈夫です。

唯一、注意が必要なオパールは、エチオピア産の一部に多い水分を吸収してしまう性質のオパールです。これは“ホワイトオパール”と記載の他に“ハイドロフェーンオパール”とも商品に記載があるはずですので、購入時に確かめましょう。

このオパールだけは、水分を吸収してしまうため、水や洗剤での洗浄はおすすめできません。

同じ理由で、不用意に色の付いた水分などにつけてしまったり、ファンデーションや汗が付いてしまったりすると色が抜けなくなることもあります。

お手入れ方法としては、清潔で乾いた柔らかい布でやさしく汚れを落とし、新しく用意した柔らかい布に包んでから、極度に乾燥する場所は避けて冷暗所に保管すると良いでしょう。

なお、その他の一般的なオパールは、取りきれない皮脂や汗などの汚れが気になった時には、キッチン用の中性洗剤を水で薄めた洗浄液の中に浸しながら、指ややわらかい穂先のブラシ等でやさしくこすり洗いすることができます。

ただし、つけ置き洗いはおすすめできません。なるべく短い時間で洗浄を行い、汚れが取れたら清潔な水でしっかり洗浄成分は落としましょう。その後、しっかりと柔らかい布などで水分を拭き取り、乾燥する場所は避けて、紫外線などの届かない冷暗所に保管します。

オパールは衝撃に弱い性質がありますので、他の宝石と重なったり触れ合ったりする保管方法は避けましょう。やわらかい布などにひとつずつ包んで保管する方法がすすめです。

オパールが白く濁ってしまったら？

オパールは、もともと水分を多く含む性質のある天然石です。なかでもエチオピア産のオパールは、水分の含有量が高く、周囲の水分を吸収するという特徴があります。このような特性をもつオパールは、「ハイドロフェーン」または「カメレオン」と呼ばれます。

ハイドロフェーンオパールとは？

ハイドロフェーンオパールは、水に浸けておくと水分を吸収し、ゆっくりと透明になっていきます。水の中で見つけるのが困難になるほどクリアになり、オパール特有の遊色効果もみられません。しかし、乾燥すると透明感がなくなり、全体的に真っ白になってしまうのです。水分が抜けるにしたがって徐々に元に戻りますが、元の透明感と輝きを取り戻すまでには、2～3週間を要するといわれています。

白く濁ってしまったときの対処法と注意点

白く濁ってしまったオパールを元に戻すためには、石の水分を抜く必要があります。しかし、早く水分を抜こうと直射日光に当てたりドライヤーで乾かしたりするのは絶対にやめましょう。
もともと水分を多く含む天然石のため、急激に水分が失われますと、割れや欠けの原因になるおそれがあります。白く濁ってしまったときは、柔らかい布に包み、徐々に水分が抜けるのを待ちましょう。

ホワイトオパール価値

ホワイトオパールの価値は、ボディーカラーの色、遊色効果の色合いやバランス、大きさ、インクルージョン（内包物）や欠損などの有無によって決まります。

ボディーカラーの色の価値

ホワイトオパールは、濁りのない白や乳白色のもの、色にムラのないものが高評価となります。また、不透明に近いものよりも、透明に近づくほど価値が高くなります。

なお、透明なものはウォーターオパール（クリスタルオパール）と呼び名を変えて、高級なオパールとしても流通していますが、境界線が曖昧で基準も明確なものはありません。
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遊色効果の価値

ホワイトオパールは、不透明から半透明のため、石の奥に潜む遊色効果がはっきりと見えないこともあります。

見える範囲の遊色効果としては、基本的には表面が一番はっきりとして、奥のものほど柔らかい色合いになりますが、品質の良いものは奥までまばゆい色を見ることができます。

このバランスが良いこと、また、遊色効果の色の基本であるレッド、オレンジ、イエロー、グリーン、ブルー、パープルの色合いが見られること。特に、希少価値のあるレッドやそれに続くオレンジなどの色合いがはっきり見られることなども高評価の基準となります。

ただし、ホワイトオパールは、ブルーが鮮やかに見えるものが石として綺麗で人気もあるため、遊色の中のブルーの割合やバランスの良いものが、さらに高い評価を得るという特徴もあります。

その他の価値基準

ホワイトオパールは、そのほとんどがカボションカット（※1）やその変形カットなど、遊色効果を最大限魅力的に見せるカットが施されます。このカットのプロポーションがシンメトリー（※2）で、美しいものの評価が高くなります。

なお、クラック（ひび割れ）やフラクチャー（内部亀裂）のあるもの、欠けや穴のあるもの、研磨が十分でない部分があるものもマイナス評価の対象となります。