【更新:2024年11月】ダイヤモンドの硬度と靭性を知ろう……ほかの宝石との違いとは?
ダイヤモンドの価値について説明する際に、重要なポイントの1つとなるのが「硬度」についてです。
ダイヤモンド以外にも魅力的な宝石は多数存在していますが、「硬度」という側面で考えたとき、ダイヤモンドの右に並ぶ宝石はないと言って良いでしょう。
ダイヤモンドの硬度とは、いったいどのくらいなのでしょうか。またそのほかの宝石との違いは、どんなところに表れるのでしょうか。
ダイヤモンドの価値について正しく理解するため、今回は「ダイヤモンドの硬度における特徴と注意点」について解説していきます。
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宝石の「硬度」とは?
ダイヤモンドの性質を説明する上で、よく挙げられるのが「硬度」に関する情報です。
ダイヤモンドは、非常に硬い石として知られていますよね。
宝飾品として目にする機会が多いダイヤモンドですが、その硬さを生かして、工業用品として使われる石も少なくありません。
様々な素材よりも「硬い」ということは、カットや加工も行いやすいということ。
ダイヤモンドが高く評価されているのは、「見た目の美しさ」とともに「高い硬度」を持っているからだと言えるでしょう。
硬度が高い石は、摩擦やひっかき傷に対する抵抗性が非常に高いということです。
この硬度は、ドイツの鉱物学者フリードリヒ・モースによって考案された「モース硬度」という基準によって表現されます。
数値が高ければ高いほど、その宝石の硬度は高いということになります。
ダイヤモンドは唯一の硬度10
モース硬度において、最も高いランクを示しているのが「硬度10」です。そこから数字が低くなるにつれて、摩擦やひっかき傷に対して弱いということになります。
「世界で1番硬い石」なんて評されることもあるダイヤモンドは、モース硬度の中で唯一「硬度10」に分類されている宝石です。
硬度を数値で表しますと、7,000から8,500までの間に位置するといわれています。
ルビーやサファイアとの違いは歴然
「硬度10と言われても、その硬さをイメージできない!」なんて方には、そのほかの宝石との違いについて検討してみるのがオススメです。
先ほどのモース硬度の中で、最高ランクの次にあたる「硬度9」にあたる宝石には、ルビーやサファイアがあります。
10段階中9ですから、ルビーやサファイアも十分に硬いことがお分かりいただけるでしょう。
しかしルビーやサファイアの硬度を数値で表しますと、1,600から2,000です。
ランクとしては「1」しか違わなくても、その差は歴然。ダイヤモンドはほかの宝石とは違い、圧倒的な硬さを誇る石と言えます。
ダイヤモンド以上の硬度がある石とは?
世界でもっとも硬い石とも言われるダイヤモンドですが、実はそれは一般的宝石のなかでの話です。また、モース硬度以外にも、硬さを示す単位としてはヌープ硬度と呼ばれるものがあります。これは、押し込みに対する硬度を示すものです。そのほか、“割れにくさ”という観点で見ると靱性という基準も存在します。後述しますが、ダイヤモンドは靱性の面でいうと、実はルビーやサファイア以下です。このように、石の硬さにはさまざまな基準があるため、一概に“ダイヤモンドが世界一硬い”とは言えません。
上記を踏まえて、ダイヤモンド以上の硬度を持つ石について見ていきましょう。まずはイスラエルの鉱山で採掘されるカルメルタザイト。酸化アルミニウムを含む石で、非常に高い硬度を誇ります。また、さまざまな発色を持つことから、宝石としての価値も高いと考えられます。
次に、ダイヤモンドと構造が似ているウルツァイトです。発見されたのは1967年であり、そこまで新しい石というわけではありません。かなりの高い硬度を持っている点が特徴ですが、透明度の高いウルツァイトはなかなか採掘ができず、宝石としては一般的ではありません。
最後は“宇宙一硬い”とも言われるロンズデーライトです。とにかく高い硬度を持っており、ダイヤモンドはもちろん、カルメルタザイトやウルツァイトよりも硬いとされています。ただし、宝石として用いられることはほとんどなく、工業用の石としての活躍が期待されています。
硬くても、実は壊れやすいダイヤモンド
硬度10で、圧倒的な硬さを誇るダイヤモンド。
様々な工具を用いて、擦り傷やひっかき傷を作ろうとしても、徒労に終わるケースが多いことでしょう。
とはいえここで誤解をしてほしくないのは、「硬度の高さ」=「強さ」ではないということです。
ダイヤモンドは確かにとても硬いですが、だからといって「何をしても壊れない」というわけではありません。
ここには「硬度」とは別の「靭性(じんせい)」という数値が関係しています。
靭性とは、何らかの力が加えられたときに、どの程度抵抗できるのか。
つまり「割れにくいのか」を示す表現となります。
硬くて強いイメージのあるダイヤモンドですが、実は「靭性は弱い」という特徴を持っています。
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単一元素でできたダイヤモンドならではの特徴
ダイヤモンドは、宝石の中で唯一、単一元素から作られています。この元素とは、ずばり「炭素」。
ダイヤモンドの組織の99.95%以上を占める炭素が、規則正しく並ぶことでダイヤモンドを構成しています。
単一の元素が規則正しく並んでいることで、構造的な結びつきが強い方向と弱い方向が存在しています。
この弱い方向に向かって力を加えられますと、意外と簡単にダイヤモンドは割れてしまいます。
ダイヤモンドは硬いのだから、どんな衝撃を与えても大丈夫!と誤解している方も多いのですが、実際にはそういうわけではありません。
あくまでもダイヤモンドが強いのは「日常生活の中で蓄積される傷」についてです。
耐衝撃性はそれほど強くありませんから、大切に扱う必要があります。
割れてしまったダイヤモンドの価値は?
硬度と靭性の違いについて知ったところで、気になるのが「割れてしまったダイヤモンドの価値」についてです。
靭性がそれほど強くないダイヤモンドの場合、硬度は高くても割れてしまうケースが少なくありません。
このような場合、ダイヤの価値はどうなるのでしょうか。
残念ながら、割れてしまったダイヤモンドの価値は大きく下がります。
ダイヤモンド買取店に持ち込んでも「買取不可」と判断されてしまうケースが少なくありません。
このような事態を避けるためにも、慎重に取り扱ってください。
宝石の靭性ランキング
宝石の硬度とともに石の強さを示す指標のひとつが、「靭性」です。靭性は粘り強さを意味し、鉱物が衝撃を受けたときなどの割れにくさを表します。
靭性ランキング
主な宝石について靭性のランキングを示しますと、次のとおりです。それぞれ、左記の数字は靭性値を指しています。
8 :ヒスイ、ルビー、サファイヤ
7.5:ダイヤモンド、アクアマリン、クオーツ
6 :ペリドット
5.5:エメラルド
5 :トパーズ、ムーンストーン、ジルコン
3.5:アパタイト
3 :クンツァイト
2.5:ユカナイト
他に工業用のダイヤモンド「カーボナード」は靭性値が10であり、最も割れにくいと評価されている鉱物です。
靭性から見た宝石の特徴
さまざまな宝石を靭性から見た場合、硬度とは異なる特徴があると分かります。また硬度と靭性ともに高いものは、日常的な使い勝手がよいといわれます。
ランキング上位のヒスイは、とくに割れにくさが有名です。かつて中国の地では、その特徴により「お守り」として重宝されたと伝えられています。古くから知られる靭性の高さは、微細な結晶が繊維状に集合した内部構造に由来します。
ダイヤモンドは宝石のなかで最高の硬度を誇りますが、靭性はヒスイやルビーの数値に及びません。そのため、強い衝撃で簡単に割れる可能性があります。さらにエメラルドは靭性が低いうえ内包物も多く、とりわけ割れやすい傾向が見られます。
宝石の強さをチェックするときは、硬度だけでなく靭性にも目を向けたほうが適切に判断できるでしょう。
まとめ
ダイヤモンドは確かに硬い石ですが、だからといって万能というわけではありません。
強い力が加われば、割れてしまう危険性もありますから注意しましょう。
ダイヤモンドの価値を正しく知るためには、硬度や靭性についての知識も重要なポイント。ぜひ頭に入れておいてください。
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