クリソベリル キャッツアイ(Chrysoberyl Cat’s Eye)とは?宝石の特徴や価値
クリソベリル キャッツアイは、クリソベリルの中でも、猫の目のような一条の光を見ることができる石を表す宝石名です。一般的に「キャッツアイ」といえばこの宝石のことを意味します。クリソベリル キャッツアイは、キャッツアイ効果のある石の代表格で、その希少性から高値で取り引きされています。
今回は、クリソベリル キャッツアイの名称の由来や価値、その特徴やパワーストーンとしての意味などを、詳しくご紹介します。
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クリソベリルキャッツアイ宝石の属性
名前 | クリソベリル キャッツアイ |
英語名 | Chrysoberyl Cat’s Eye |
和名 | 猫目石/猫眼石 ねこめいし、猫睛石 びょうせいせき |
色 | 黄色、緑、茶、褐色 |
グループ(種・変種) | クリソベリル、アレキサンドライト、アレキサンドライトキャッツアイ |
硬さ(モース硬度) | 8.5 |
光沢 | ガラス光沢 |
化学成分 | BeAl2O4 |
結晶系 | 斜方晶系 |
クリソベリルキャッツアイ宝石言葉・意味
- 宝石言葉
- 驚嘆
- 意味
- その美しさに驚嘆する
※8月3日、10月5日の誕生日石
クリソベリルキャッツアイ産出国・産地
- ロシア:ウラル(ウラール)/Ural
- ブラジル:ミナスジェライス/ Minas Gerais、エマチータ(ヘマチタ)/Hematita
- スリランカ:ラトナプラ/Ratnapura
- マダガスカル:マニャラ/Manyara、イラカカ/Ilakaka
- インド:オリッサ/Odisha、ナルシパトナム/Narsipatnam、ヴィシャーカパトナム(ビシュナカハプトナム)/Visakhapatnam
- タンザニア:全域
- モザンビーク:全域
- 中国:全域
クリソベリル キャッツアイの特徴・特性
クリソベリルは、火山石の一種であるペグマタイト(Pegmatite)や変成岩(※1)と一緒に採石される、酸化鉱物の一種です。
その中には、ラウンド(球状のカット)やカボション(ドーム状のカット)系に研磨することで、シャトヤンシー(Chatoyancy)(※2)の現れる石もあったため、これを他のクリソベリルと分けるために、宝石名として「クリソベリル キャッツアイ」と呼ぶようになりました。
同様に、クリソベリルでシャトヤンシー(キャッツアイ効果)が見られる石を、他の同効果の宝石と差別化するために、「サイモフェン/Cymophane」という別名で呼ぶこともあります。
また、実はアレキサンドライト キャッツアイも同じクリソベリルですが、変色効果(アレキサンドライト効果)があるかないかで名称を分けています。
シャトヤンシーの見られる宝石は、これ以外にもベリル(Beryl)やトルマリン(Tourmaline)、アパタイト(Apatite)など多数ありますが、もっとも美しいシャトヤンシーの見られる宝石は、クリソベリルです。 関連記事アレキサンドライト キャッツアイ/Alexandrite Cat's Eye
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2024.02.26
そのことから、一般的に「キャッツアイ」といえば、それだけで“クリソベリル キャッツアイ”を示すほどに、周知された名称となっています。
名称の由来
クリソベリルの由来は、ギリシャ語の「chrysos(金)」とベリル(緑柱石)の名称の基となった「beryllos(宝石)」からきています。「クリソベリル キャッツアイ」という宝石名は、見た目そのままに、シャトヤンシーの輝きを「キャッツアイ/Cat’s Eye」と呼んだことから生まれました。
処理宝石が存在しないクリソベリル キャッツアイ
宝石には、トリートメント(※3)と呼ばれる処理が施されていることも少なくありませんが、クリソベリルに関しては、処理方法が存在しないため、処理された宝石も存在しません。
クリソベリル キャッツアイも同様に、処理されたものは存在しないため、入手することのできる石はすべて、“自然”が長い歳月をかけて作り出した、そのままの美しさを見せてくれるのです。
パワーストーン市場でのキャッツアイ
パワーストーン市場で、“キャッツアイ”と呼ばれる石のほとんどは、人工的に樹脂やガラスなどで作られた、安価な石の場合がほとんどです。これは、“パワーストーンの効果は、天然や人工という枠に制限されずに発生する”という考え方があるためです。
パワーストーン市場でも、高級ラインを販売しているところでは、クリソベリル キャッツアイを取り扱っていることがありますので、購入前に確認をすると良いでしょう。
クリソベリル キャッツアイのお手入れ方法
普段のお手入れは、他の宝石と同じく、使用後すぐに柔らかい布などでやさしく拭き取るようにしてください。汚れていないつもりでも汗や皮脂などが付き、時間が経過することで、曇りなどの原因になるためです。
また、汚れが目立つ場合には、流水で洗うか、中性洗剤を薄めたものを毛先の柔らかいブラシに付け、やさしく擦り取る方法も有効です。その場合は、十分にすすぎをしたあと、乾いたタオルなどで完全に水気を拭き取ってから保管するようにしましょう。
注意しなければならない点は、保管時にあります。クリソベリル キャッツアイは、ダイヤモンド(Diamond)、ルビーやサファイアなどのコランダム(Corundum)に続き、3番目に硬度のある石です。傷が付きにくく、取り扱いのしやすい宝石ですが、
クリソベリルよりも硬度の低い宝石と一緒に保管した場合、接触することで他の宝石のほうを傷つけてしまう恐れがあるのです。そのため、他の宝石とは、触れ合うことのないように保管することをおすすめします。
※1 「変成石」とは:マグマなどの熱や圧力で、既存の岩石が個体のまま、再結晶作用により別の鉱物組成に変化した石のこと。
※2 「シャトヤンシー」とは:猫の目のような、一条の光の筋が見られる現象のことを指します。「キャッツアイ効果」や「変彩効果」と同義語です。また、その一条の光の部分を特化して「猫目帯/シャトヤントバンド」と呼ぶこともあります。
※3 「トリートメント」とは:宝石をより美しく見せたり、耐久性を増したりするために施される物理的、科学的な処理のことです。宝石が元来持っている美しさを引き出すための処理ですので、石の価値が下がることはありません。
シャトヤンシー(キャッツアイ効果)の宝石ができる仕組み
基本的に、宝石に特定の条件を持つインクルージョンが現れることで、シャトヤンシーが生じるといわれています。インクルージョンとは、宝石の内包物のこと。石の中に見られる気泡や液体、別の鉱物など、さまざまなものがインクルージョンに該当します。
インクルージョンは宝石の品質に大きな影響を与えることがあります。シャトヤンシーのように神秘的な美しさをもたらすこともあるため、宝石の価値を左右する要素となるのです。
クリソベリルの場合、針やチューブのような形状のインクルージョンが並行に並んでいるものをうまくカットすることで、クリソベリル キャッツアイを生み出すことができます。
上質なクリソベリル キャッツアイは、見る角度を変えると中心のラインがゆらめいて見えることが特徴です。もちろん、これは実際にインクルージョンが動いているわけではなく、光の加減でゆれ動いて見えるのです。
シャトヤンシー(キャッツアイ効果)の見られるその他の宝石
クリソベリル以外にも、さまざまな宝石にシャトヤンシーが見られることがあります。たとえば、エメラルドをはじめとする「ベリル」と呼ばれるグループの宝石です。同グループのアクアマリンにもキャッツアイが生じることがあります。
多彩なカラーが見られるオパールにも、キャッツアイができることがあります。オパールの大きな特徴が「遊色効果」と呼ばれる虹のような色彩の変化です。ただ、シャトヤンシーの生じた石には遊色効果が見られないこともあります。
ほかにも、トルマリンやアパタイト、ムーンストーンなど、さまざまな宝石にキャッツアイ効果が現れることがあります。お好みの色や模様を持つキャッツアイを探してみてはいかがでしょうか。
クリソベリル キャッツアイの価値
クリソベリルは、宝石質(※4)のものが採石されることは非常に少ない石なのですが、その希少性に似合わず、比較的安値で取り引きされることの多い石です。
しかし、ひとたびシャトヤンシーが見られると、その価値は格段に跳ね上がり、シャトヤンシーが見られない同等の石質のものと比べて、100倍以上の価格差になることも珍しくありません。
シャトヤンシーの現れる石は、大きくなればなるほど、その効果を鮮明に見ることができる反面、小さなものは、あまり宝石としての豪華さを感じさせてはくれません。
それでも、“クリソベリル キャッツアイ”となると、その価値は通常のクリソベリルの比ではないのです。
クリソベリル キャッツアイの主要産地
クリソベリル キャッツアイの2大主要産地は、スリランカとブラジルで、宝石質の中でも上質なものが採石されることで知られています。しかし、1980年以降、スリランカでの産出量は大きく減退しました。
現在では、ブラジルの、特にミナス・ジェライス州サンタナ・アメリカーナ(Santana‐ Americana)川流域が、最大の採石地となっています。
また、1990年代に新たに発見された、マダガスカルのイラカカ地域も、良質のものが採石されることから、近年はスリランカに代わる産地として注目を集めています。
日本におけるクリソベリル キャッツアイ
実は、“クリソベリル キャッツアイの最大の需要国は、日本である”といっても過言ではありません。戦後の日本では、オパール(Opal)や翡翠(ひすい/Jade)とともにこの宝石に人気が集まり、高値の世界相場を固守たるものにしたのは、日本からの需要があったからこそといわれています。
これは、希少石や珍しい宝石に対する関心度が、他国とは比べられないほどに高いことが要因だと思われます。
希少石であるはずの、クリソベリル キャッツアイを、宝飾店店頭で頻繁に目にすることができるのは、そのためなのです。
ミルクと蜂蜜効果
クリソベリル キャッツアイの中で、もっとも人気があり、価値の高い色味は、“ハニーイエロー”と呼ばれる濃密な蜂蜜色です。
一般的に蜂蜜色といった場合、その多くは、透明感のある黄色に少しだけオレンジが入ったような色味を想像されると思いますが、ここでいう蜂蜜色は、黄色に少し黄緑褐色が入ることで深みを増した、絹光沢を思わせるような質感のある色合いを指します。
そして、その中でも乳白色のシャトヤンシーがはっきりと濃く現れるものは、その外見から「ミルクと蜂蜜効果」(ミルク アンド ハニー/Milk and honey)の出ている石といわれ、最高品質の証しとされています。
人気のカラー
一番人気は、前出の「ハニー イエロー」ですが、次いで人気のカラーは、青りんごを思わせる色合いの、その名も「アップルグリーン」です。
また、明るい黄色の「レモン イエロー」も、近年、人気が出てきています。
クリソベリル キャッツアイの歴史
クリソベリルのキャッツアイが、ここまで世界的に周知されるようになったのは、近年に入ってからのことです。
歴史をひも解くと、一世紀のローマの文献には、すでにスリランカとインドで産出されていることが紹介されています。そのことから、少なくともこの時期かそれ以前には、キャッツアイの存在は一部には知られていたと考えられます。
しかし、それ以降の長い間、クリソベリル キャッツアイが話題に上ることはありませんでした。この宝石が話題になったのは、19世紀に入ってからのことです。きっかけは、イギリス王室にありました。
ビクトリア女王の、3番目の息子であるコノート公爵(British Duke of Connaught)が、1879年にプロシアの王女であるルイーズ・マーガレット(Louise Margaret)に、クリソベリル キャッツアイの婚約指輪を贈ったのです。
一躍注目の的となったクリソベリル キャッツアイは、その直後から人気の宝石として、多くの需要をつかむことになりました。
世界でもっとも美しいキャッツアイ
世界でもっとも美しいといわれているクリソベリル キャッツアイは、アメリカのワシントンDCにある、スミソニアン博物館群の1つ国立自然史博物館所蔵の「マハラニ キャッツアイ/Maharani Cat’s Eye」(スリランカ産)です。
シャトヤンシーは、大きな石になればなるほど、その効果を発揮します。この石も58.2ctの重さがあります。そのため、最高級と呼ばれる蜂蜜色の石肌からは、くっきりとした一条の光の線を見ることができるのです。
世界最大のキャッツアイ
現在、その存在が確認されている中で、もっとも大きなクリソベリル キャッツアイは、312ctの「ケーキ アイ/Cake Eye」という呼称の付けられたもので、イギリス王室が所有しています。
※4 「宝石質」とは:原石の段階で、“宝石になる可能性のある石”と判断されたものを指します。天然石ビースなどの販売業者が、宝石に次ぐ品質の石のことを「宝石質」と呼ぶ例もありますが、ここでいう「宝石質」とは前者のことです。
クリソベリル キャッツアイのパワーストーンとしての特徴
パワーストーンとしてのクリソベリル キャッツアイは、以下のような特徴を持つといわれています。
魔除け、守護、第三の目の開眼、心身の成長、善意、聡明、自信、幸運を引き寄せる など |
クリソベリル キャッツアイは精神的・肉体的成長を助け、自然体でいながら周囲に和をもたらす存在になれるように導く石といわれています。
また、古来「危険や邪念などから身を守る(魔除け)」「幸運を引き寄せる」石としても珍重されてきました。サードアイ(第三の目)を開眼させる力があり、真実を見抜くことができるようになる石ともいわれています。
クリソベリル キャッツアイを高く売るためには
クリソベリル キャッツアイを使ったジュエリーには、リングやネックレスなどさまざまな種類があります。美しく神秘的な宝石であるクリソベリル キャッツアイは人気が高く、高値で取り引きされることも。ご不要になったジュエリーがある場合は、一度査定に出してみることがおすすめです。
クリソベリル キャッツアイをなるべく高く売却するには、お手入れをして状態の良さを保つことが大切です。査定の前に汚れを拭き取っておきましょう。
付属品を揃えて査定に出すことも重要なポイントです。宝石を買った際に入っていた箱や保証書、鑑別書などがある場合は一緒に提出しましょう。
また、宝石買取実績の豊富な買取業者を探し、査定依頼することもおすすめです。宝石査定のノウハウがない買取店では、相場がわからず低い査定金額をつけられてしまう可能性もあります。宝石の価値がわかる買取店を選びましょう。 関連記事宝石買取で実践したい3つのコツ!お店選びから売却決断まで
身につけたときに、自分自身をキラキラと輝かせてくれる宝石たち。購入時にはワクワクした気持ちで、お気に入りを選んだ方も多いのではないでしょうか。 …
2024.04.05
ただし、宝石買取実績のある専門店でも、クリソベリル キャッツアイの買取には対応していない可能性があります。クリソベリル キャッツアイの買取実績がある店なら安心して査定を任せられるでしょう。
まとめ
クリソベリル キャッツアイは貴重で美しい宝石の一つです。希少価値が高く、上質なものであれば高く買取されることも珍しくありません。
クリソベリル キャッツアイをはじめ、お持ちの宝石を売るなら「なんぼや」をご利用ください。「なんぼや」ではクリソベリル キャッツアイを積極的に高価買取しています。人気の高いブランドのお品や、デザイン性の高いジュエリーなどは、その分の価値も含めて査定金額をおつけします。保証書のないものやパーツが欠けているもの、変色しているものなどでも査定可能です。「売れないかも……」とあきらめる前に、ぜひ「なんぼや」の無料査定をお試しください。
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