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銀の特徴とは|用途や資産価値、ジュエリーとしての魅力

銀の特徴とは|用途や資産価値、ジュエリーとしての魅力

銀にはさまざまな特徴があり、身近なアイテムに使用されることも多い金属です。今回は、銀の用途や資産価値、ジュエリーとしての魅力をお伝えします。

銀の特徴|金属としての特性

銀の特徴

銀の最大の特徴は美しい白銀色の輝きです。金属の中でも特に高い光の反射率を有しており、それにより金やプラチナとも異なる独特の輝きを放ちます。

加工のしやすさも銀の重要な特性の一つです。銀は高い展延性を持ち、加工時に折れたり割れたりせずに薄く伸ばすことができます。この特性のおかげで、銀は装飾品や工芸品など、複雑な形状のアイテムにも加工しやすいとされます。銀の持つ柔軟性と加工性の高さは、金属工芸作家やデザイナーにとって非常に重宝する特性です。

また、銀は電気伝導性にも優れており、電子部品やバッテリーの接触材料など、多くの電気製品に利用されています。さらに、熱伝導性も高いため、銀はアクセサリーや宝飾品としてだけではなく、工業用途においても非常に有用な素材として活用されています。

一方で、銀製品を管理するうえで注意しなければならないのが硫化反応です。銀は空気や皮脂、汗などに含まれる硫黄化合物と触れることで硫化反応を起こし、硫化銀を形成する場合があります。硫化反応が発生すると表面が黒く変色してしまうため、銀製品の保管やメンテナンスには特に気を付ける必要があります。

銀の特徴|主な用途

銀の主な用途

銀は、金属の中でも特に用途の幅が広いことで知られています。ここでは、銀の主な用途をいくつかご紹介します。

宝飾品

美しい輝きを持つ銀は、ジュエリーの地金としても高い人気を誇ります。光を反射しやすい銀を使用することで、ジュエリーに高級感と独特な魅力をもたらすためです。また、銀は柔らかい金属であり、細かなデザインや複雑な形状のジュエリーを作る際にも適しています。ほかの金属との合金やメッキなど、さまざま方法で加工することも可能です。

さらに、購入者の視点に立つと、銀製品は金やプラチナと比べて価格が安価なため、購入しやすいのも魅力です。銀製品は、その手頃な価格と美しさで、幅広い層に愛されています。

投資

銀は、貴金属としての投資価値も高く評価されています。金ほどではないものの、インフレの影響を受けにくい実物資産として、多くの投資家に選ばれています。市場での銀の価格は、経済情勢や産出量、産業需要などによって変動しますが、長期的に見れば安定した価値を保つ傾向にあります。

銀への投資方法としては、現物投資やETF(上場投資信託)、先物取引などがあります。特に、現物投資は銀自体の価値が直接反映される投資方法のため、多くの個人投資家にとって有用な選択肢となります。また、銀は金に比べて価格が安いため、初心者でも始めやすく、少額からの投資がしやすい点も魅力です。

工業

銀は工業用途としての需要も高く、さまざまな製品に使われています。具体的には、電子工業用部材や太陽光発電パネルの電極材、写真フィルム、乾電池など、身近なアイテムにも数多く利用されています。また、銀には抗菌性があることから、医療器具などにも使用されています。

銀の特徴|貴金属としての資産価値

銀の資産価値

続いては、銀の貴金属としての価値に注目してご紹介します。

金と同様、実物資産として価値を持つ

銀は、金やそのほかの金属と同様に、実物資産としての価値を持ちます。歴史的に見ても銀は貨幣として使用されてきた背景があり、その価値が世界中で認められているためです。景気に連動して価格が動きやすいものの、インフレに強い特徴があります。銀の価格変動の要因としては、主に以下の4つが挙げられます。

  • 経済や景気の動向
  • 国際情勢
  • 為替の変動
  • 金利動向

特に2019年以降は、新型コロナウイルスの感染拡大によって世界中で経済不安が蔓延し、銀価格が急激に高騰しました。銀は工業用の需要が高いことから、新型コロナウイルスの影響がより大きくなったと考えられています。銀への投資を検討している場合は、世界情勢などにも注目しておく必要があるでしょう。

純銀の相場価格は金と比べて安価で手が届きやすい

金価格は2023年8月に史上初めて1gあたり10,000円を超えましたが、同時期の銀価格は112円程度であり、銀が比較的安価で入手しやすい金属であることがわかります。少ない初期投資で資産形成を始められるのがメリットです。

ただし、先に説明した通り、銀価格はさまざまな経済的・政治的要因によって変動する可能性があります。そのため、銀投資を行う際は市場の動向を理解し、リスク管理を適切に行うことが重要です。

銀の特徴|アクセサリー素材としての魅力や注意点

銀のアクセサリー

銀といえばアクセサリー素材という印象の方も多いでしょう。そこで最後に、銀のアクセサリー素材としての魅力や扱う際の注意点を解説します。

割金が含まれたSV950やSV925などが多い

銀には、ほかの金属が混ざっていない純銀(SV1000、SV999)と、割金が含まれた合金(SV950、SV925など)の2種類があります。純銀は非常に柔らかく、細かな細工はしやすいものの、普段の使用にはあまり向きません。そのため、アクセサリー製作には、割金が含まれたSV950やSV925が一般的に使用されます。割金を混ぜることで、純銀の美しさを保ちつつ、頑丈なアクセサリーに仕上げることが可能です。

なお、銀を表す場合は「SV950」といった形で表記されます。SVは「Silver」の略称で、後半の数字部分は銀の純度を表しています。数字が1000に近いほど銀の純度が高く、SV1000は割金が混ざっていない純銀を指します。

こまめにお手入れをすることが大切

銀のアクセサリーを使用する場合は、こまめなお手入れを心がけましょう。先に説明した通り、銀は硫黄成分に反応して黒ずみが生じやすいためです。硫黄は皮脂や汗にも含まれるため、普段使用しているだけでも黒く変色してしまいます。

お手入れの方法としては、使用後に柔らかいクロスで毎回汚れを拭き取るのが効果的です。銀は空気中の硫黄化合物とも反応するため、保管する場合はケースやチャック付きの袋に入れるようにしましょう。

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水野 崇さん
(CFP/1級FP技能士)

キャリア20年超の株式トレーダー。講師、取材協力など多方面で活躍する独立系ファイナンシャルプランナー。大学や事業法人で講師を務め「金融リテラシー講義」を毎週行う学校法人専門学校非常勤講師。

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