モース硬度とは?宝石の硬さを知りたい
宝石の硬さを測る指標として広く用いられているのがモース硬度です。宝石だけでなく、鉱物をはじめさまざまな物の硬度はモース硬度で示すことができます。
今回は、モース硬度の概要から、モース硬度ごとの宝石一覧などをご紹介します。
モース硬度とは?
モース硬度は、宝石などの鉱物に対する硬さを評価するための指標です。モースとは、この尺度を見つけたドイツの鉱物学者であるフリードリッヒ・モースが由来です。
モース硬度は1~10の10段階に分かれています。単位は「mohs」で、たとえばダイヤモンドは10 mohsといった形で示されます。
基準は、鉱物同士を接触させて傷付け合った際、どちらに跡が付くかというシンプルなもの。当たり前ですが、傷が付いたほうのモース硬度が低いということが分かります。
なお、間違いやすいのが“叩いて壊れるか”という基準です。硬さと壊れやすさは実はイコールではありません。たとえばダイヤモンドは、ハンマーなどで叩くと簡単に割れます。 あくまでも、引っかくようにした際に傷がつくかつかないかが重要です。
現在は新モース硬度が使われている
従来のモース硬度は10段階にしか分類ができず、硬さを正確に把握できないとされてきました。この問題を解決するために作られたのが新モース硬度です。段階を10から15に分割し直したことで、より正確な硬さを表せるようになっています。
ただし、新モース硬度はまだ完全に普及しているとは言えません。そのため、以下からは従来のモース硬度で解説を進めます。
モース硬度で見る宝石ランキング
続いて、さまざまな宝石をモース硬度に当てはめたランキングを見ていきましょう。モース硬度は数字が高ければ高いほど硬く、低ければ柔らかいということになります。
宝石(モース硬度) | |
---|---|
第一位 | ダイヤモンド(10) |
第二位 | コランダム(9) |
第三位 |
クリソベリル(8.5) トパーズ(8) アレキサンドライト(8) スピネル(8) |
第四位 |
ベリル系(7.5~8) トルマリン(7~7.5) クォーツ(7) |
第五位 |
ペリドット(6.5~7.5) タンザナイト(6.5~7) フェルスパー(6) オパール(5.5~6.5) |
第六位 |
アパタイト(5) オパール(5) |
第七位 | フローライト(4) |
第八位 |
カルサイト(3) コーラル(3) |
第九位 |
ジプサム(2) パール(2) |
第十位 | タルク(1) |
モース硬度第一位のダイヤモンドはどれくらい硬い?
第一位になったダイヤモンドは、地球上でもっとも硬い宝石とされています。モース硬度は堂々の10。これは、第二位のコランダム(モース硬度9)に比べて何倍もの硬度を持ちます。
具体的には、ダイヤモンドの硬度は7,000~8,500。一方、コランダムは1,600~2,000です。このように、モース硬度10のダイヤモンドは圧倒的硬さがあると言えます。そのため、ダイヤモンドはダイヤモンドでしか削れません。
もっと身近なモース硬度の物は?
「宝石の硬さといってもイメージが湧かない」
こうした方のために、より身近な物のモース硬度を一覧で見てみましょう。
- 人の爪:2.5
- 象牙:2.5
- 10円玉:3.5
- 木工用の釘:4.5
- ガラス:5
- ナイフの刃:5.5
- 歯(永久歯)のエナメル質:6
- 銅鉄のヤスリ:7.5
たとえば爪で何かを引っかいたとして、その物が削れた場合、対象物はモース硬度が2.5以上と言えます。
まとめ
宝石は硬ければ良いというわけではありませんが、日常使いをする上で、柔らかすぎるものは傷がつきやすいと評価できます。ジュエリーなどを購入する際には、購入予定の宝石のモース硬度がどの程度の数値なのかを確認してみましょう。