【更新:2024年11月】本真珠の見分け方|鑑定書のランクから模造真珠との違いまで
貝が作り出した美しい宝石の本真珠。価値ある本真珠はどのようにランク分けされ、模造真珠と見分けるにはどんな点をチェックすればよいのでしょうか。本真珠の特徴や、鑑定書のランク、模造真珠との違いについて解説します。
本真珠の特徴
宝石の「本真珠」とは、貝から取れる真珠のことを指します。本真珠には、天然/養殖による違いや、貝が育つ場所による違いがあります。
自然界に生息する貝の中で偶然に作られた真珠は「天然真珠」と呼ばれるものです。天然真珠は、貝の殻に異物などが入り込んだ際に、その周りに真珠層が重なって作られます。一方で、こうした仕組みを利用して、殻の中へ人工的に核となるものを入れて、核の周りに真珠層を作らせたものが「養殖真珠」です。
真珠を作る貝の中でも、海で育つのはアコヤ貝・白蝶貝・黒蝶貝などです。それに対して、川や湖などの淡水で育つ貝には、イケチョウ貝やヒレイケチョウ貝などがあります。これらの淡水で育つ貝から取れた真珠は、海で育つ貝と区別して「淡水パール」と呼ばれます。淡水パールはひとつの貝から取れる真珠の数が多く、海の環境と比べて貝を飼育するコストが低いのが特徴です。そのため、一般的に価格が低い傾向にあります。
貝から取れる宝石の本真珠に対して、さまざまな材料を使って真珠に似せて人工的に形作られたものは、「模造真珠(人工パール・イミテーションパール)」と呼ばれます。模造真珠の材料は、主にプラスチック・ガラス・コットンなどです。近年では技術の向上により、見た目だけでは本真珠と見分けがつきにくい品物も少なくありません。
本真珠のランク
本真珠は複数の基準から美しさが評価され、それぞれ高い基準を満たすものほど価値が高くなります。本真珠の評価は、主に「照り(=光沢)」「巻き(=真珠層の厚みのこと)」「傷」「形」によって決まります。
本真珠のランクの中でも有名なのは「花珠(はなだま)」です。花珠とは、アコヤ貝から取れた本真珠の中でも、上記のすべての項目で高い評価を得た品物のこと。本真珠が花珠であるかどうかは、鑑別機関が発行する鑑別書で確認できます。
真珠の鑑別機関として代表的なのは「真珠科学研究所」と「真珠総合研究所」です。評価基準は機関により多少異なりますが、いずれも国内で信頼性の高い機関であり、鑑別書によって真珠の価値を証明することができます。
さらに、鑑別機関では独自の品質基準を満たした最高級の本真珠に対して、特別な称号が設けられていることも。たとえば、真珠科学研究所の「オーロラ天女」「オーロラ花珠」、真珠総合研究所の「FIVE STAR」「雪白珠」などのランクは、花珠の中でも卓越した美しさを持つ品物に与えられる称号の一例です。
本真珠と模造真珠の違い
本真珠と模造真珠は、ひと目見ただけでは見分けがつきにくいケースもあります。以下のポイントから、違いをチェックしてみましょう。
重さ
プラスチックやコットンなどから作られた模造真珠は、本真珠よりも軽くなります。ただし、素材によって本真珠に近い重みを再現した模造真珠もあるため注意が必要です。
穴の断面
ネックレスの糸を通す穴に注目しましょう。専用の機器を用いて高度な技術で加工する本真珠は、穴の断面がキレイで傷がありません。一方で、模造真珠は穴の周りの塗装が剥げたり、断面が盛り上がったりしているケースが多いといえます。
粒の均一さ
貝から取れる本真珠にはひとつとして同じものがありません。そのため、ネックレスの一つひとつの粒を見たとき、大きさや表面の凹凸などに微細な違いが見られます。反対に、すべての粒が均一なものは、模造真珠である可能性があります。
金具や仕立て
本真珠のジュエリーには、一般的に高価な金具が使用され、仕立てのクオリティも高い傾向にあります。金具の材質や端の処理なども、価値の高い品物を見分ける際にひとつの判断材料となるでしょう。
ブラックライトへの反応
本真珠には蛍光性があるので、ブラックライトを当てると緑色に光るのが特徴です。一方、模造真珠はブラックライトに反応しないため、簡単に見分けることができます。
まとめ
貝から作られた本真珠は、人工的な材料から形成された模造真珠とは異なるものです。模造真珠の中には本真珠との見分けがつきにくい品物もあるためご注意ください。お持ちの本真珠の価値を知るには、査定へ出していただく方法もあります。本真珠のジュエリーの査定は、ぜひ「なんぼや」へお任せください。