ヒデナイト/Hiddenite
ヒデナイト(ヒッデナイト)は、鉱物名としては、リシア輝石(スポジュメン)と呼ばれる石の宝石名です。
一般的には、クロムイオンが発色要因で、黄緑から緑色をしているものを指し、多色性の見られる、美しい希少石として人気があります。
猫の目のような一条の光の筋である、“シャトヤンシー” も見られることのあるヒデナイトの名称の由来や価値、その特徴やパワーストーンとしての意味などを、詳しくご紹介します。
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宝石の属性
名前 | ヒデナイト(ヒッデナイト) |
英語名 | Hiddenite |
和名 | リシア輝石、黝輝石(ゆうきせき) |
色 | 黄緑、緑 |
グループ(種・変種) | リシア輝石/スポジューメン、クンツァイト、トリフェーン |
硬さ(モース硬度) | 6.5-7 |
光沢 | ガラス光沢 |
化学成分 | LiAlSi2O6 |
結晶系 | 単斜晶系 |
宝石言葉・意味
- 宝石言葉
- 癒やし、知性
- 意味
- 知性を備え、心の平穏を保つ。
※4月16日、29日の誕生日石
産出国・産地
- アメリカ:サウスダコタ/South Dakota、ノースカロライナ/North Carolina、カリフォルニア/California
- カナダ:ケベック/Quebec
- 日本:茨城
- ブラジル:全域
- マダガスカル:全域
- アフガニスタン:全域
- メキシコ:全域
- ロシア:全域
- パキスタン:全域
- スウェーデン:全域
- オーストラリア:全域
- ナイジェリア:全域
特徴・特性
ヒデナイト(ヒッデナイト)は、パイロクシーン(パイロキシン・輝石)グループに属する「リシア輝石/スポジュメン」の一種で、火成岩(かせいがん)(※1)の一種であるペグマタイト(Pegmatite)から採石される、リチウム(Lithium)とアルミニウム(Aluminium)を主成分としたケイ酸塩鉱物です。
結晶としては、伸長方向に並行して、条線(※2)の見られる特徴があります。
また、もうひとつの特徴としては、多色性(※3)も挙げられます。この多色性は、宝石の美しさを左右する重要な要素のひとつであるため、宝石質(※4)のものを加工する場合には、多色性がもっともきれいに現れるように配慮して、カットなどを施すのが一般的です。
ヒデナイトとグリーン スポジュメン
リシア輝石は、この主成分のひとつであるアルミニウムが、何に置換(他の原子などに置き換わること)するかで、さまざまな色合いを見せるのですが、その色合いに応じて、3つの宝石名が付けられています。
マンガンイオンに置換することで、紫色やピンク色を示すものは「クンツァイト/Kunzite」、
黄色系に発色するものを、「トリフェーン/Triphane」、クロムイオンと置き換わることで、緑色の発色をするものをヒデナイトと呼びます。
この緑色は、鉄の関与で発色することもありますが、これはヒデナイトに含まないとする説と、含むとする説に分かれており、含まないとする説が有力です。
含まないとする場合には、その色味を冠して「グリーン スポジュメン/Green spodumene」と呼ばれることが一般的です。
また、トリフェーンは、3つの中でも唯一、発色要因が現段階で特定できていない石なのですが、この石は、“クンツァイトとヒデナイトに属さないものを集約した宝石名である”と解することもあり、その場合は、鉄の関与で緑色を発色したリシア輝石も、ここに分類されます。
名称の由来
ヒデナイトは、1879年にアメリカ ノースカロライナ州で発見されました。発見者は、鉱物学者で鉱山監督でもある、ウイリアム・アール・ヒデン(William Earl Hidden)で、その名前が由来となっています。
お手入れの方法
ヒデナイトは、割れやすい性質を持っているため、衝撃が加わる行為には注意が必要です。普段は、柔らかい布で、やさしく汚れや皮脂を拭うお手入れをおすすめします。
汚れのひどい場合にも、流水や超音波洗浄などは避けてください。どうしても水での洗浄が必要な場合は、ボールなどに溜めた水の中で、やさしくこする程度にとどめ、すぐに乾いた布で水分を完全に拭き取ってください。つけおき洗いもおすすめできません。
また、紫外線や光にさらされることで、変色や退色が顕著な石としても知られています。ディスプレーなどで長期にわたって光にさらすことは避け、保管する場所も、光の届かない冷暗所をおすすめします。
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価値
ヒデナイトは、透明度が高く、鮮明な黄緑から緑色の色味が美しいことから、コレクターに人気の高い宝石です。リシア輝石の3つの宝石の中で、もっとも希少であり、高値で取り引きされている石でもあります。
この石は、硬度も十分なことから宝石としては一見、取り扱いが容易に見えますが、へき開(※5)が二方向に完全であることから衝撃に対してもろく、これが宝石の“カット職人泣かせの石”として知られる要因となっています。
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ヒデナイトと放射線
リシア輝石の一種であるクンツァイトは、強い放射線を照射されることで、緑色に変化することが知られています。この放射線放射によって緑色に変えられた石も、ヒデナイトとして流通することがあります。
これは、ヒデナイトが希少石であり、クンツァイトに比べてより価値のあることから、色を変えて流通させる手段を思い立った経緯があると思われますが、“ヒデナイトは、クロムイオン発色要因のリシア輝石を指す”という考えが主流ですので、クンツァイトを放射線照射して作られたものは、ヒデナイトではないとするのが一般的です。
宝石の価格的価値を求める場合には、クロムイオンが発色要因であるかを確かめてから、購入することをおすすめします。
放射線で色が変化した例
2001年9月11日に、アメリカで起こった同時多発テロ事件の7日後、今度は炭疽(たんそ)菌がメディアや政府関係者などに郵便物としてばらまかれる、不幸な事件が起こりました。このことを教訓としたアメリカは、その後、すべての郵便サービスの荷物に、高エネルギーの放射線照射を行うことで、細菌を死滅させる措置を取りました。
宝石の研究機関であるGIA(※6)は、放射線照射によって、色が変化する宝石のあることから、事を重大であると考え、クンツァイトなどを郵便で送る実験をしました。
その結果、ピンク色のクンツァイトは、もののみごとに緑色に変化してしまったのです。日本では、アメリカに郵便で宝石を送る場合には、放射線で変化する石でないか、確かめてから送る必要のあることはあまり知られていませんが、注意が必要です。
パワーストーンとして
平和、希望、成長、勝利、洞察力、ヒーリング効果、ストレスの解消、関係の改善
心の乱れを鎮め、精神的な平穏と癒やしを与えてくれる、ヒーリング効果の高い石として知られています。
また、同時に、頭脳を明晰にし、洞察力と理解力が増す働きもあることから、“持ち主の成長を促し、勝利や成功に導くパワーストーンである”ともいわれています。事業の成功祈願や、受験などのお守りとしても有効です。