パールと真珠の違いとは?それぞれの特徴と真珠の種類を解説
真珠は日本人にとってなじみの深い宝石のひとつです。パールと呼ばれることもありますが、「パール」と「真珠」、呼び方によって違いを表す場合もあることをご存じでしょうか?詳しく解説いたします。
パールと真珠の違いには何がある?
「パール」と「真珠」は同じ意味の言葉ですが、品質の違いを表すため、下記のように使い分けする場合があります。
パールとは
真珠を模して塗装によって作られたイミテーションのものを指して「パール」と呼ぶことがあります。一般的に「貝パール」は模造品を指し、本物の貝の中で作られた真珠と区別するために使われます。
しかし「天然パール」のように天然であることを強調するために「パール」という言葉が使用される場合もあるので、パール=偽物の模造品とは限らないことだけ押さえておきましょう。
真珠とは
真珠とはアコヤ貝などの貝の中に出来る銀白色の光沢を持つ球状のもので、宝石として世界中で取り扱われています。貝の中に核となる異物が入るとそこへ貝が出す分泌物が層状に沈着することで作られます。
本真珠の特徴
本物の貝の中で作られた真珠は、どんな貝の種類かに関わらず「本真珠」といわれます。ただし本真珠は、その中でも「天然真珠」と、人が手を加えて作る「養殖真珠」とに分けられます。
天然真珠
人の手を加えずにできる「偶然の産物」で、貝の中に異物が侵入してそれが核となり出来た真珠です。稀少価値が高く、大きさはまちまちです。そのため価格の差が激しい側面があります。
養殖真珠
人工的に貝殻から作った核を貝の中に挿入して育てた真珠のことです。世に出回っている製品はほぼ養殖真珠です。大きさを揃えて作ることができ、価格も安定しています。
貝パール(イミテーション)の特徴
貝パール(イミテーション)は一見すると本真珠のような見た目です。本物の真珠に比べて手頃な価格で購入できるため、普段使いできるアクセサリーとして重宝されます。 関連記事真珠の鑑定基準はどこで決まる?|鑑定書と鑑別書の違い
真珠には2つの種類があります。 貝から取り出された天然の真珠のことを「本真珠」。人工的な材料から形成された真珠のことを「模造真珠」と呼び、「本真…
2023.08.23
イミテーションは養殖で使われるものと同じ核に、「パールエッセンス」と呼ばれる塗料を何度も塗り重ねて作ります。特に国産のものは仕上がりが美しく評価が高いです。
真珠の価格の決め手は4つ
真珠や貝パールの価値を決定付ける要素は主に4つあり、それに希少性が加味されて決まります。
- 大きさ(大きいほど高い)
- 形(丸く整っているほど高い)
- 傷(傷がないほど高い)
- 輝き(艶があり輝きが強いほど高い)
中でも「輝き」の点で世界的に評価されるのが日本のアコヤ真珠です。他の真珠とは質の異なるしっとりとした奥深い輝きは世界最高位で唯一無比のものだと言われます。
アコヤ真珠は1つのアコヤ貝から1粒しか採れず、養殖に1~2年かかります。
一方淡水真珠は1つの池蝶貝から20~30粒の真珠が採れ、養殖期間は半年~1年です。
さらにアコヤ貝は一度真珠を取り出してしまうと、もうその貝は使用不可能ですが、池蝶貝なら2、3回は繰り返し真珠を採ることが出来ます。
このような差から本真珠は貝の種類によって希少性や出来栄えが異なり、これが本真珠の価格の差になっています。
一方、貝パールは塗料の塗りが美しいものが評価されます。特に国産のものは均一で滑らかな仕上がりで途上国で生産されるものと比べて高い品質を持っています。この差によって価格相場は数百円から数万円と幅があります。
本真珠と貝パールの違いを見分ける方法
見分けが難しい本真珠と貝パールの簡単な判別ポイントをご紹介します。
真珠同士をごく軽くこすり合わせる
- 本真珠…ざらざら感がある。
- 貝パール…ツルツルと滑る。
自然の中で層が巻かれた本真珠は表面が均一ではありません。
一方、人工塗装の貝パールは表面が均一なため上記のような感触の違いがあります。
大きさ・形を比較する
※ネックレスの場合の見分け方です。
- 本真珠…自然に出来たもので大きさ・形が一つ一つ微妙に違います。
- 貝パール…塗装のため均一でばらつきは見られません。
糸を通す穴を確認
穴の断面をよく見てみましょう。
- 本真珠…核の部分と真珠層の部分が綺麗に見えます。
- 貝パール…塗装が融けたような跡が残っています。
まとめ
パールと真珠は同じ意味ですが、品質の違いを表すためにイミテーションのものをパールと称することもあります。
また、本真珠とイミテーションの違いやその見分け方はポイントさえ掴めば意外と簡単です。これを機に、ご自宅にある真珠を見直してみてはいかがでしょうか。
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