金貨の価値の決まり方を知ろう

各種イベントや皇室の慶事に際して発行されるのが、記念金貨です。金を素材として作られた硬貨の存在感は抜群で、高い価値が期待できます。

記念金貨にはどのような価値がるのでしょうか。また、その価値をできるだけ高く見極めてくれるお店はどこなのでしょうか。
ここでは、記念金貨をより高く売るための基礎知識として、「記念金貨の価値」について解説していきます。記念金貨を売るときは、ぜひ参考にしてみてください。

金貨価値 記念貨幣とは

記念貨幣とは、主に国家的なイベントに際して発行される貨幣のことです。
紙幣・硬貨問わず存在しますが、日本では記念硬貨しか作られていません。

イベント開催のお祝いや記念としての意味もありますが、そのイベントを行う資金を調達する意味でも作られます。
実際に、1964年の東京オリンピックでは、記念貨幣の売り上げを運営費として使用しています。

記念貨幣は紙幣のほか、金貨・銀貨・銅貨などが作られます。中でも「記念金貨」は、価値の高い特別な記念貨幣です。国を挙げての喜ばしいイベント時にのみ製造されています。希少で高価な「金」を使っているため、ほかの貨幣と比較すると値段が高いのも特徴です。

近年では、通貨として流通する目的以上にコレクターアイテムの面が強くなっています。そのため、販売の際も収納・ディスプレーできるケースがセットになっているものが多く見られます。

また、鋳造技術の向上により、変わった形や彩色されたコインの製造も実現しています。宝石を組み込んだものも登場しており、これからますますデザインのバリエーションは多様になっていくでしょう。

金貨価値 記念金貨の価値は主に2つ

記念金貨には、そのほかの硬貨にはない、以下のような特徴があります。

• 特別なイベント時にのみ製造・発行される
• 素材が「金」
• 枚数限定

これらの特徴から、以下の2つの価値があるとされています。

「金」という素材としての価値

まずは金貨の素材である、「金」の価値です。
金貨は硬貨でもありますが「金」という素材の塊でもあります。

1グラムあたりの取引価格がはっきりしている「金」だからこそ、金貨にどのぐらいの金が含まれているのかによって、「素材としての価値」が決定されます。

2018年の金の1グラムあたりの買取相場価格は4,000円代後半から5,000円代前半となっています。
どの程度の金が含まれているのかは、金貨の種類によっても異なります。

20グラムの金が含まれる金貨であれば、買取価格は90,000円から110,000円。30グラムの金が含まれる金貨であれば、135,000円から165,000円程度の価値があるという計算になります。

「コレクターアイテム」としての価値

もう1つ、金貨の価値で注目されているのが「コレクターアイテムとしての価値」です。
特別なイベント時のみに発行されるコインで、さらに発行枚数が限られていることで、手に入れるのが非常に難しい金貨も存在しています。

記念金貨の価値で特に注目されるのは、こちらの「コレクターアイテムとしての価値」の方です。

手に入りにくく、人気が高い記念金貨ほど、買取価格はどんどん上昇していきます。

もともとの額面よりもはるかに高い価格で取引されるケースも少なくありませんから、記念金貨を手にしたときには「コレクターアイテムとしての価値」をきちんと見極める必要があります。

金貨価値 記念金貨の種類とそれぞれの価値

記念金貨には長い歴史があります。多くの国で発行され、多種多様なデザインが誕生してきました。そのため、国によって記念金貨のバリエーションは様々です。
日本の記念金貨と海外の記念金貨には、どのような違いがあるのでしょうか。

日本の記念金貨

日本で初めて記念金貨が作られたのは、昭和天皇在位60年のときでした。1986年、そして1987年発行の「天皇陛下御在位60年100,000円金貨」です。
それ以降、日本では皇室の婚礼や即位、オリンピック、サッカーワールドカップ、万国博覧会などで記念金貨が製造されています。また、天皇陛下在位周年記念や、東日本大震災復興事業の際にも記念金貨が作られてきました。

記念金貨は、日本では価値の高い記念品としての側面が強いアイテムです。ただ、日本の記念金貨は「補助貨幣」として発行されているため、一般的な通貨と同じように使うのも可能です。

ただ、記念金貨に設定されている額面は、素材となっている金の価値よりも高額に設定されています。これは世界的に見ても珍しい方式です。

海外の記念金貨

海外の記念金貨も、日本のものと同様、国家的なイベントに際して発行されます。金貨に使われている金地金の値段よりも、額面が低く設定されるものが大半です。

買取金額は金貨によって様々です。コレクション品としてプレミアがついているものであれば、高額取引される場合もあります。査定の際には状態の良さやケースの有無なども査定金額に加味されます。

海外には、「イタリア　50リラ金貨　王国50周年」、「カナダ連邦100年記念　20ドル金貨」など、国の周年記念で発行されるものや、「英領ヴァージン諸島　ローランドヒル没後125年　75ドルバイメタル金貨」のように偉人に関する記念金貨もあります。
ほかにも、イギリスの国民的テレビ番組の放送50周年を記念した「サンダーバード50周年記念コイン」や、香港にエリザベス2世が訪れた記念の金貨など、発行される場面は多彩です。

近年、記念金貨が作られる回数は増加しています。これからも多くの記念金貨が発行されると予想されています。

金貨価値 「金」としての価値を重視する場合の注意点

金の価格が高騰している今、記念金貨の中には「素材として取引した方が高価買取を期待できる」というケースもあるかもしれません。

しかしこのような場合には、法律違反に注意する必要があります。

記念金貨は貨幣損傷等取締法の対象

あくまでも日本の硬貨の1つとして発行される記念金貨は、貨幣を守るための貨幣損傷等取締法の対象となっています。

この法律は、貨幣を損傷させたり溶かして別のものへと作り替えたりしてはならないことを定めた刑法です。

硬貨に穴をあけたり、溶かして素材として使おうとしたりすれば、貨幣損傷等取締法違反で罰せられることになります。
違反すると1年以下の懲役、もしくは20万円以下の罰金に処せられてしまうのです。

記念金貨を「金」として扱い、買取してもらうということは、「金を溶かす可能性」についても考慮しなければいけません。

通常、記念金貨を「金の塊」として扱う業者の場合、この法律の影響を受けない海外へと輸出されるケースが多いようです。

知らない内に法律違反を犯さないよう、金貨と日本の貨幣に関する法律についても、最低限の知識を頭に入れておきましょう。

金貨価値 買取は専門店にお任せするのがベスト

お手持ちの金貨を現金化する際の選択肢は主に「両替」か「買取」の2つに別れます。どちらの方法が最適かは金貨によって異なります。

ここでは、いくつかのポイントを踏まえ、お得に金貨を換金する方法をご紹介します。

価値が高くない場合には「両替」を検討

価値の低い金貨は、額面以下の金額にしか買取されない場合があります。その際は銀行や郵便局にて「両替」を依頼しましょう。両替であれば額面どおりの金額を手に入れられます。額面以下の金額で買取されるよりはお得といえるでしょう。

記念硬貨の両替が可能かどうかは、銀行によって異なります。大手の銀行でも両替を拒否されることもあるはずです。窓口に行く前に問い合わせて確認しておきましょう。
また、記念金貨の両替は、基本的に時間がかかります。余裕のある内に済ませるようにしましょう。

価値の高い金貨は「買取」がおすすめ

額面よりも高い値段で換金できそうな場合は、「買取」を利用するのがおすすめです。
ただ、どこのお店でも同じ額で買取されるわけではありません。買取店によって査定基準は異なるため、買取額は様々です。複数の店舗を回って価値を判断してもらいましょう。

買取時に注意したいのは税金です。銀行での両替と異なり、金を売って手に入れたお金には税金が発生します。
ただ、特別控除の50万円と売買にかかった費用を差し引いた分に課税されるため、金額が大きくなければ気にする必要はありません。
また、銀行での両替には税金がかかりませんが、手数料を差し引かれることもあるため注意しましょう。

きちんと価値を見極められる買取店へ

記念金貨の価値を正しく見極めてくれるのは、リサイクルショップなどではなく、専門の鑑定士が在籍する買取専門店です。

記念金貨の査定には相場や流通量、金貨そのものの価値など様々な要素が絡んでくるためです。金貨買取に慣れないスタッフだと、赤字を避けるためにかなり低い買取価格を提示してくる可能性もあります。専門知識のある鑑定士なら、的確に金貨の価格を査定してくれるはずです。

また、金貨の中には真贋判定が難しく、詳しい鑑定士のいない店では買取拒否されるものもあります。その1つが「天皇陛下御在位60年100,000円金貨」です。
1986年から1987年に発行されたこちらの金貨ですが、1990年になって約10万枚の偽造硬貨が出回っていることが発覚しました。大量の偽物が流通しているため、自然と査定が慎重になるようです。
もし、こういった査定の難しい金貨をお持ちなら、信頼できる買取店へ依頼するのをおすすめします。

金貨価値 記念金貨の価値まとめ

記念金貨の価値を素人が見極めるのは困難です。買取を検討する際には、金貨の査定知識豊富な鑑定士が在籍している専門店に任せましょう。

コレクターアイテムとしての側面も強い記念金貨だからこそ、買取を依頼するタイミングによって、価値が大きく変わってくる可能性もあります。

まずはいくつかの店舗で査定を受けるのがおすすめです。金貨の価値が額面よりも低くなりそうなら銀行に両替へ、高くなるなら買取店へ持ち込みましょう。
どの買取店に査定を依頼するか迷ったら、それぞれ店のホームページを読んで、信頼できる店かどうか調べましょう。無料のLINE査定やメール査定などを利用し、買取金額の目安を確かめるのもおすすめです。

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