「刻印」は金の品質を保証する大切なもの

金の製品には、刻印が打たれていることをご存じでしょうか?
刻印にはその金に関する情報を伝える大切な役割があります。
刻印は、例えばリングなら指に接触する内側に打たれていますし、ネックレスなどの場合には留め金の部分に刻印が打たれています。
金のインゴットには、表側に分かりやすく刻印が打たれています。
地金型金貨の場合には、美しいデザインのレリーフが刻印の代わりになりますが、デザインだけでなく純度が彫られています。
刻印は、金の純度や販売・製造元の情報を表示するものです。
また純度だけでなく、カラーゴールド、金メッキ、金張りといった製品情報も記載されています。
金の刻印には、アルファベットや数字、国旗、ひし型などの記号があります。
このように複雑ではありますが、慣れれば簡単に刻印の意味を読み取ることができます。
金は高価な貴金属ですので、偽物が流通していることがあります。刻印があることで、偽物でないことを証明するのにも役立ちますし、偽造防止にも役立ちます。
海外では、盗難防止のために刻印制度が発達している国もあります。刻印に対する考え方は、お国柄によっても違います。
イギリス、フランスなどは、特に金製品の刻印に対しては厳しいようです。
金の品質を保証するのが刻印の役割ですが、そこには歴史や文化まで見え隠れしています。
ここでは、刻印の読み方、刻印の種類、そのほかの豆知識について解説していきます。
意外と奥が深い、刻印の世界を見ていきましょう。
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刻印が必要なのはなぜ?
金の製品には、すべてではありませんが刻印が彫られています。
金に刻印が打たれている理由のひとつは、純度や販売・製造元、カラー・金メッキ・金張りといった製品情報がすぐに分かるようにするためです。
もうひとつの理由としては、偽物でないことを保証する目的が挙げられます。
金は貴重な素材ですので、その価格も徐々に高騰しています。すると、中には偽物の金を作ってもうけようとする人も現れてきます。
その昔、古代ギリシャの数学者アルキメデスが王冠を偽物かどうか見分けるために、ある物理的な原理を考案しました。この原理は、アルキメデスの原理としてよく知られています。
それだけ昔から、金の偽物は出回っています。最近では、金に対する投資商品も増えてきました。
投資の際には、大量の金のインゴットが流通しています。
(インゴットとは、金の延べ棒の形をした「鋳塊(ちゅうかい)」を表します。ゴールド・バーなどとも呼ばれています。)
金はそれだけ取引量も多くなり、しかも価格も高騰してきていますので、まだまだ偽物がなくなることはないでしょう。
例えば亜鉛、銅、ニッケルなどの卑金属との合金や、金メッキを施しただけの別の金属が偽物としてしばしば出回っています。
タングステンなど金と比重がよく似た金属で、偽物のインゴットが作られる場合もあります。
また、純金と偽った純度の低い金が流通してしまうこともあります。
そのため、その品位や販売元を特定して金の品質を保証するために、刻印が打たれているのです。 関連記事偽物?本物?知っておきたい金製品の見分け方 ジュエリーに限らず資産としても人気の高い「金(ゴールド)」ですが、残念なことに、多くの偽物が出回っているのも事実です。偽物は年々手が込んで巧妙に… 2020.12.11
金の偽物を判定するのは簡単ではない
金の偽物が流通してはいますが、偽物は偽物。検査をすれば、本物か偽物かを判定することは可能です。
しかし、偽物かどうか判定するのは、簡単な作業ではありません。
偽物かどうかあやしい金属を切断して中身を確認したり、試金石に削りとったりしてその色を見分ける、硝酸をかけて反応を調べる、といった方法がありますが、これだと製品を傷つけることになります。
製品を傷つけずに金の品質を判定する方法のひとつに、比重を測定する方法があります。
しかし、比重のよく似た金属を使った偽物の場合、高価な測定機器を使わないと見破れないことがあります。
しかも、比重は金属の中身の成分まで調べあげることはできません。
金属の中身の様子を検査する方法に、超音波探査を使った方法がありますが、これは大変高価な測定機器になりますし、成分を特定するまでには至りません。
金を傷つけず、しかも成分まで特定できる方法に、X線分析装置を使った方法がありますが、これも大変高価な装置ですので、気軽に使えるものではありません。
そのため、金の品質を保証するための刻印が必要になってきます。
もちろん、偽物の刻印が打たれていることもありますが、正確に刻印をまねすることは簡単なことではありません。
刻印は、純度や製造元がすぐに分かるためだけでなく、偽物の流通を防止する役目も担っているのです。
金相場は、オリンピック開催で上昇すると言われています。
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純度を表す刻印の記号
刻印の役割のひとつは純度を表記することです。純度を表す記号が刻印として金に打たれています。
指輪の内側やネックレスの留め金の部分を見てみますと、例えば「K18」などの記号が打たれています。
(金の製品であっても、すべての製品に刻印が打たれているわけではありません。中には、刻印が打たれていないものもあります。)
この「K」という記号は、カラット数(Karat)を表しています。
カラット数は、金の純度を24分率の重量比率で表したものです。
例えばK24は、純金を表しています。24分の24、つまり100%に近い純度の金という意味になります。
K18の場合は、18分の24、つまりその金全体の75%が純金成分で、残りの25%がほかの金属ということになります。
(通常、シルバーや銅がいわゆる「割金(わりがね)」として配合されています。カラーゴールドの場合には、ほかにもパラジウム、プラチナ、ニッケル、鉄、アルミニウムなどが含まれる場合があります。)
「K24」、「K18」などを「24金」、「18金」などと呼ぶことがありますが、刻印では通常「K」を用います。
また、「K」の代わりに「KT」が用いられることがあります。
ほかにも、「KP」という表記があります。Pは、英語のPlumbという単語からきています。「きっちり、完全に」という意味があります。
つまり、「カラット数はきっちり18あります」ということを表しているのです。
アメリカの製品などで「18KP」などと表記されることが多いようです。
アトKとは何か?
「K18」という表記のほかに、「18K」という刻印が打たれていることがあります。基本的には、「18K」もカラット数が18ということを表しています。
こうしたKを後ろに持ってくる表記は「アトK」、「あとK」などと呼ばれます。
反対に、「K18」のような表記は、「マエK」などとも呼ばれます。
アトKの場合には、少し注意が必要です。
たとえ「18K」と表記されていても、そのとおりの純度が含まれていない場合があります。表記よりも純度が低く、その純度もばらばらになっている場合があるのです。
これは、「アトK」のものが東南アジアなどの海外で作られたものや、古いものの場合が多いためです。
ただし、ハワイアンジュエリーの場合やイタリア製のものなどは、純度が正確であっても「アトK」で表記していることがあります。
日本製品では「まえK」が主流ですが、それでも万年筆などは「アトK」の刻印が多いようです。
アトKを金属買い取りに出した場合には、お店によってはワンランク下の品位の値段で買い取られることもありますし、買い取りをしてくれないお店もあります。
K(カラット数)以外の純度の表記法
純度を表す記号に、24分率のカラット数があることは先ほどご説明したとおりですが、1000分率の表記もあります。
例えばK18の場合には、75%の重量比率の純度ですので、「750」と表します。
純金の場合には、99.9%以上の純度があるということを「999」で表記します。
99.99%以上の純度を誇る金の場合には、「999.9」と表記されることがあります。
小数点の位置が%表記と、ひとつ右にずれていることに注意してください。
この表記の刻印は、金のインゴットや地金型金貨によく見られます。
また、海外の金製品にも、この表記で純度が表されていることがよくあります。
造幣局のホールマークも1000分率で表されています。
金メッキ、金張りの刻印
金製品は、基本的には純金やほかの金属との合金でできています。
ただし、こうした金を安価に楽しむために、「金メッキ」や「金張り」という方法で作られた金の製品が存在します。
こうした製品は、中身は金以外の金属ですが、表面が金になっているのです。
以下に、それらの製品の刻印についてご紹介します。
「GP」、「GEP」は金メッキ
金メッキは、真ちゅうやシルバーなどの金属の表面に、金でメッキを施したものです。
メッキですので、厚さにして数マイクロメートルくらいの薄い金の膜になります。主にK10やK14の金をメッキにすることが多いようです。
この金メッキは英語でGold Platedと呼ばれています。その略称で「GP」と表されます。
(金メッキは、「ゴールドプレート」、「ゴールドプレーテッド」などとも呼ばれています。)
例えばK14の金でメッキが施されている場合には、「K14GP」などと刻印が打たれていることがあります。
基本的には、こうした金メッキ製品は電気分解と呼ばれる電気的な処理によってメッキが施されています。この製法は、電解メッキ、あるいは電気メッキと呼ばれています。
金の成分を溶かしたメッキ液に、ベースメタル(真ちゅうやシルバー)を浸して電圧をかけることで、金をメッキ液からベースメタルの表面に析出させます。
ですので、電気処理であることを明記するため、Gold Electro Platedの略称で「GEP」と刻印されることがあります。
「HGE」も金メッキ
電気メッキの方法には、さまざまな工夫がこらしてあります。メッキにする金属の硬さを調整するために、コバルトやニッケルといった別の金属を添加物として用いることがあります。
メッキとして表面に析出させたい金と、さまざまな添加物を一緒に電気的に処理することで、金と添加物を一緒に合金として析出させます。
こうした電気メッキによる金メッキ製品は、「HGE」(Hard Gold Electro plated)と表記されることがあります。
一般に、メッキには「硬質:Hard」と「軟質:Soft」の分類があります。特に卑金属などの添加物と一緒に金を析出させて作るメッキは、硬度が高くなりますので「硬質メッキ」と呼ばれています。
添加物を用いない場合は、多くの場合、「軟質メッキ」になります。
また、「M」でメッキの厚さが何マイクロメートルかを表す場合があります。
「3M」なら3マイクロメートルの金メッキの厚さということを表しています。
「GF」は金張り
金張りは、金メッキと同じように、金以外の金属の表面を金で加工したものです。ただし、金よりも厚い層になっていますので、金メッキよりもはがれにくい丈夫な素材です。
厚さにして、数10マイクロメートルの金がろう付けされます。主にK14、K18による金張りが多いようです。
金張りは、高熱で金を圧着する方法で作られています。重量比率として、その全体の5%以上の金を含む場合に金張りと呼ばれます。
金張りは英語でGold Filled(ゴールドフィルド)と呼ばれています。その略称で「GF」と表されます。
金メッキの場合と同様に、例えばK14の金で金張りにしている場合には、「K14GF」などと刻印が打たれています。
また、「1/20」と刻印されることがあります。これは、金張りの芯の部分(真ちゅうやシルバー)以外の、表面に圧着させる金の割合が全体の5%以上、つまり20分の1ということを表しています。
「14/20」と刻印されている場合は、K14の金を用いた金張りで、その金が全体の5%以上の重量を占めていることを表しています。
「RGP」は金の量が少ない金張り
「RGP」の刻印も存在します。これはRolled Gold Plate(ロールドゴールドプレート)の略称です。ロールドゴールドプレートは、金張りと基本的には同じ製法です。
ただし、下地の金属の片面にだけ金を圧着したものや、金の重量が全体の5%に満たないものを指します。
金張りとロールドゴールドプレートを総称して、ゴールドオーバーレイ(Gold Overlay)と呼ぶことがあります。
カラーゴールドの刻印
金には、カラーゴールドと呼ばれる種類があるのをご存じでしょうか?
その名前のとおり、グリーン、レッド、ピンク、ホワイト、イエローといったさまざまな色調の金が存在します。
刻印として、カラーゴールドであることを表す記号が打たれていることがあります。それぞれのカラーを表す英単語の頭文字と、金を表すGoldの頭文字「G」が用いられます。
- グリーンゴールド(Green Gold)の場合には、GGまたはGRG
- レッドゴールド(Red Gold)の場合には、RGまたはRDG
- ピンクゴールド(Pink Gold)の場合には、PG
- ホワイトゴールド(White Gold)の場合には、WG
- イエローゴールド(Yellow Gold)の場合には、YG
例えばK18のイエローゴールドなら、「K18YG」と表記されます。
金以外の貴金属の刻印
ホワイトゴールドとよく似た貴金属に、プラチナ製品とシルバー製品があります。
実はプラチナやシルバーにも特有の刻印があります。
プラチナの刻印
プラチナの場合には、刻印として「Pt」というアルファベットが用いられます。
純プラチナ製品の場合、「Pt1000」、90%の純度の場合には「Pt900」などと表記されます。
古いプラチナ製品の場合には、「Pt」ではなく「Pm」と表されていることがあります。その場合には、表記の数字に満たない純度になっている場合があります。
シルバーの刻印
シルバーの場合には、「SILVER」、「SV」、「SLV」などと表記されます。
92.5%を含むシルバーは、「スターリングシルバー」と呼ばれています。割金として銅やアルミニウムなどを含みます。
その場合には、「SV925」、「STARLING」、「STARLING SILVER」などと表記されています。
プラチナとシルバーの刻印も知っておけば、ホワイトゴールドと間違えることもありませんので覚えておきましょう。
その他の刻印
ニッケル製品の場合には、「SPM」と表記されることがあります。
「PW」という刻印はPewterの略で、すず、鉛などを原料とした合金を表します。
「PWG」と「PWS」で表記されることもあります。
「PWG」は金で艶消しをしたもの、「PWS」は銀で艶消し仕上げをしたものを表しています。
日本の造幣局のホールマーク
造幣局は、金、プラチナ、シルバーといった貴金属の純度検査を行って、その品位を認定しています。その認定にクリアしたものは、「ホールマーク」と呼ばれる造幣局お墨付きの刻印が打たれています。
ホールマークは純分認証極印とも呼ばれ、権威ある機関が定めた貴金属の品位を証明するマークです。
日本の造幣局のホールマークでは、日本の国旗のマークが左側に打たれており、その右側にはひし型のマークが打たれています。
そのひし型のマークのなかには、1000分率で金の純度が刻印されています。K24の純金なら、999と表記されます(表示改正前は1000と表示)。
ホールマークは、このK24からK9の純度(1000分率では375)まで以下のように細かく純度が定められています。
- K24: 999
- K22: 916
- K18: 750
- K14: 585
- K12: 500
- K10: 416
- K9: 375
以上のように、6段階の表記があります。
(国際標準規格(ISO9202)と日本工業規格(JIS H6309)に準じた品位表示になっています。)
プラチナ、シルバー、コンビ製品のホールマーク
プラチナの場合には、さらにその右側に四角のマークがあり、四角の中に「Pt」と表記されています。
プラチナの純度の表示として、999、950、900、850の純度の表示があります。
シルバーの場合には、999、950、925、900、800の表示があります。
金とプラチナを接合して作ったコンビ製品にも、ホールマークが定められています。
このように、造幣局はホールマークによって貴金属製品の品位を保証してくれています。このホールマークがある製品なら、信頼性の高い製品だといえるでしょう。
海外の刻印制度
日本の造幣局だけでなく、海外の造幣局もホールマークを作っています。海外の刻印の事情は、日本とは少し様子が違います。
日本では、金の製品に刻印を打つことが法律で定められているわけではありません。もちろん、由緒正しい製品には刻印が打たれていることが多いのですが、それでも刻印がないものを販売することが禁止されているわけではありません。
日本では、虚偽の刻印を打ったり、虚偽と知りながら製品を販売した場合には罰せられはしますが、刻印を打つこと自体が制度になっているわけではありません。
しかし海外では昔から貴金属の盗難が多く、粗悪品もたくさん流通したため、そうしたことを防ぐために刻印制度が生まれました。
特にイギリスやフランスでは、金の製品には刻印を打たなければならないことが制度として定められてきました。
フランスの刻印制度
フランスでは、金のホールマークとして、ワシの頭の絵があります。このワシのマークは、1838年からずっと使われてきています。このワシのマークがあれば、K18以上の純度であることが分かります。
それ以降、ワシの頭のデザインはリニューアルされ、3代続いています。刻印のデザインの違いから、およその年代が分かる場合もあります。地域によっても少しデザインに違いが出ています。
ほかにも、K18の金のホールマークとしてフクロウがあります。
K14の場合にはサンジャック貝、K9の場合にはクローバーの刻印が打たれています。
金以外の貴金属にも、ホールマークがあります。
プラチナには犬の頭、シルバーにはミネルヴァという女神の横顔がホールマークになっています。
ひし型の中にデザインを施した、工房を表す刻印も打たれていることがあります。
イギリスの刻印制度
イギリスでは刻印制度が700年も続いています。1300年代に粗悪な貴金属製品が流通してしまったため、こうした制度が作られました。
イギリスでは金のホールマークとして王冠の絵が刻印されます。
王冠の横に、916、750、585、375といった数字で純度が表記されています。
また、金以外の貴金属にもホールマークがあります。
プラチナの場合は宝珠、シルバーの場合はライオンパサントの絵になっています。
金の品位以外にも、鑑定した場所を表すマークがあります。
ロンドンならヒョウ、エジンバラなら城、バーミンガムならいかりというように、鑑定の地域ごとに絵柄が違います。
製造メーカーを表すマークも刻印されますし、王の横顔のマークで納税済みを表します(Duty Markと呼ばれます)。
鑑定した年を表すアルファベットのマークまであります(Date Letterと呼ばれます)。
イギリスは王室の国ですので、エリザベス2世即位記念など王室にとって特別な年には、記念の刻印を打つことがあります。
中国の金の刻印
中国の金製品は、「支那金」、「シナ金」と呼ばれています。
こうした支那金の刻印として、中国では独特の表記で金の純度を表しています。
K20にあたる金を「足金」。
K22は「千足金」、K24は「万足金」と刻印されます。
ただし、中国の金製品は純度に幅があることが多く、取引などの際には金の品位検査が必要な場合があります。
金のインゴットの刻印
金のインゴットは、信頼のある企業が作った製品であれば、認定機関が定めるマークが刻印されていることがあります。
ロンドン貴金属市場協会(LBMA; London Bullion Market Association) と呼ばれる、金取引を監督する機関が存在します。ここが定めるロンドン金市場受渡適合品(グッド・デリバリー・バー)と呼ばれる規格を満たすものが、世界標準のインゴットとして流通しています。
純度、精錬会社、試金業、保管・輸送業者などが認定され、そのことを表すマークが刻印されています。
商標マークとして、インゴットを精錬したブランドを表す商標マークが刻印されます。
精錬業者、品位検定業者を表すメルターズマーク、アッセイヤーズマークが刻印されることもあります。
金の品位は999.9といった1000分率で表されます。FINE GOLDと刻印される場合もあります。
インゴットは重量が大切ですので、「500g」などと重量が表記されます。
さらに、製造番号あるいは地金番号と呼ばれる、ひとつひとつのインゴットに割り振られたシリアルナンバーが刻印されます。
インゴットは資産として保存される大切なものですので、こうした厳しい規定のもとで刻印が割り振られているのです。
金貨にも刻印がある
金貨には、地金型金貨と記念金貨があります。
地金型金貨は主に投資用に購入されますが、美しいデザインをしているのでコレクターも収集することがあります。
カナダ王室造幣局のメープルリーフ金貨、オーストラリアのパース造幣局のカンガルー金貨、オーストリア造幣局のウィーン金貨、アメリカ造幣局のバッファロー金貨、イギリスのブリタニア金貨などが有名です。
記念金貨は、何らかの行事などの記念に特別に発行される金貨で、コレクターの間で人気があります。
皇室行事、オリンピック、万博、復興などさまざまなイベントを記念して発行されるのが、記念金貨です。
こうした金貨は、美しいデザインのレリーフとともに刻印が打たれることがあります。
地金型金貨には、999.9などと1000分率での表記が打たれているものがありますし、記念金貨には造幣局のホールマークが打たれていることもあります。
金貨を購入したら、小さなホールマークが打たれていないか確かめてみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?刻印の世界、意外と奥が深いものですよね。
刻印は、金の種類や純度、製造・販売元の情報を伝えてくれます。
それだけでなく、偽造の防止にも役立っています。
金の純度を表すため、カラット数を表すアルファベットのKと24分率の数字が刻印されます。
アトKが刻印されている場合には、東南アジアの製品や古いものである可能性が高く、純度が正確でないこともありますので注意しましょう。
カラーゴールド、金メッキ、金張りといった金の種類を表すためにも刻印は活躍しています。
「GRG」(グリーンゴールド)、「RDG」(レッドゴールド)、「PG」(ピンクゴールド)、「WG」(ホワイトゴールド)、「YG」(イエローゴールド)などのカラーゴールドの表記や、金メッキを表す「GP」と「GEP」、金張りを表す「GF」、「RGP」といった表記も覚えておきましょう。
金は貴重な素材ですので、歴史的にも、盗難や粗悪品の流通が多くなっています。
こうしたことを防ぐためにも、金の刻印はホールマークとして活躍しています。
日本の造幣局のホールマークは、日本の国旗、ひし型のマーク、純度を表す数字が刻印されます。
また、イギリス、フランスなど、国によっては細かい規定のある刻印制度が設けられています。
貴金属の種類、品位鑑定の場所などによってデザインが違いますし、ワシ、王冠、ヒョウなど見ていて楽しいデザインがたくさんあります。
金のインゴットには、認定機関の定めるマーク、純度、そのほかにもシリアルナンバーが刻印されます。
金貨にもホールマークが打たれていることがありますので、確かめてみましょう。
刻印は、金の品質を保証するための大切なマークなのです。
こんなにたくさんの刻印があるのは、それだけたくさんの金の楽しみ方があり、金と人類との関わり方がそれだけ多様であることを意味しています。
国の文化や歴史まで反映しているのが、刻印の重みといえますよね。
日本のホールマークも色々ありますし、海外の製品ではたくさんのデザインの刻印があります。
刻印に注目してみるのも、金の楽しみ方のひとつですね。
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