ルビーの宝石言葉は怖い!?その意味と言い伝え
7月の誕生石であり、牡羊座の宝石としても知られているルビー。
ダイヤモンドよりも希少性の高い赤い宝石は世界で最も高価な宝石のひとつとして知られています。
そんなルビーの宝石言葉が怖いという言い伝えがあるのをご存知でしょうか?
今回はルビーの宝石言葉やその意味などをご紹介していきます。
ルビーに込められた意味
ルビーという名前の語源は「赤」を意味するラテン語の「ルベウス(rubeus)」「ルベル(ruber)」から来ているといわれています。また、サンスクリット語の「宝石の王」を意味する「Ratnaraj(ラトナラジュ)」から来ているという説もあります。
ルビーの採掘の最も古い記録は2500年以上前からとなっており、紀元前480年頃からはギリシャ人とローマ人が使っていたという記録も残っています。
そんな歴史の深いルビーはその深紅の色から「勝利を呼ぶ石」と呼ばれ、そこから恋愛やロマンスを意味する情熱の赤や血液の赤として健康運の上昇の意味を持つ宝石として愛されてきました。一部では賭け事の運上昇にも利用されていたようです。
古代インドの言い伝え
古代インドではルビーの赤は炎と捉え、「太陽の宝石」だと信じられていました。
消えることのない炎を身につけたものは長寿になり、また水を沸かすことができる魔法の宝石といわれています。
また戦いの面では、ルビーの持ち主は敵と平和に生きることができるという興味深い言い伝えも残っています。
スリランカ(古代セイロン)の言い伝え
ルビーの産出国としても有名なスリランカでは、インド神話における羅刹の王ラーヴァナの破滅とも関係があるといわれています。
羅刹の王ラーヴァナがラーマ王子の放った矢に倒れ、その血が流れ込んだ石がルビーとなった伝説があります。
また、アスラ神族の王マハーバリの伝説では、天界神族らの犠牲となったマハーバリは浄化され、その遺体が運ばれる最中にラーヴァナに妨害され、アジア各地に落ちたマハーバリの体が宝石となったという伝説もあります。
「ラーヴァナ・ガンガー」と呼ばれる彼の血が落ちた水底からルビーが発見されたという伝承が残っています。
ルビーの宝石言葉は怖い!?
花言葉のように宝石にも「宝石言葉」「石言葉」があります。
宝石言葉は、民間の伝承や聖書の記述、また色のイメージから発想されたものが多いといわれています。
ルビーにも宝石言葉があり、その赤色から「情熱/熱情/純愛/勇気/自由」など前向きな気持ちや恋愛を表す言葉がつけられています。また「勝利の石」とも呼ばれ、災難や困難を克服する力があるともいわれています。
しかし、その一方で、「愛の疑惑」という少し怖い意味も込められています。
ルビーの赤が「深い愛情」を示す裏に相手への強い愛情が「疑惑」や「嫉妬」などを生むのでしょう。
また、赤は血液を暗示していることもあり、それが怖いイメージを呼び込んでいるのでしょう。
実際には「愛の疑惑」ではなく、「愛の疑惑を消し去る」という意味が込められているようです。
ルビーの宝石にまつわる言い伝え
2500年以上前から書物などにも記載のあるルビーは歴史が深く、ルビーにまつわる言い伝えも多く存在します。
その中で興味深いものが、イギリス国王ヘンリー8世の妻・キャサリンの所有するルビーにまつわるお話です。
キャサリンは非常に綺麗なルビーを所有していましたが、だんだんとそのルビーの赤色は色褪せていったのです。
すると、ヘンリー8世はキャサリン妃の侍女であるアン・ブーリンと恋をし、キャサリン妃との結婚を無効にすることで幽閉されることになります。
このことから、『ルビーの色が変わると持ち主に不幸が訪れる』という言い伝えが広まりました。
同じようにルビーが色あせてから不幸になったという話があるものの、逆に『ルビーの色が変わったので、気をつけたところ不幸を回避できた』という話も増え、現代では、ルビーは持ち主に危機が迫ると、色を変えて教えてくれるものとして認知されています。
ちなみに、キャサリン妃の話には後日談があり、新しい妃となったアン・ブーリンはその後、国王暗殺および不義密通の罪に問われ処刑されています。幽閉されたキャサリンは、これまでの優雅な生活とは異なりましたが、幽閉先で多くの住民に慕われ、葬儀の際にはたくさんの民衆が参列したといわれています。
まとめ:ルビーの宝石には魔力がある
今回はルビーの宝石言葉や言い伝えについて複数紹介していきました。
宝石は古くからその神秘的な色から魔力があるといわれてきました。ルビーも同様で一見すると怖い言い伝えなどもいくつか存在します。
しかし、そのどれもがマイナスのイメージではなく、プラスのイメージを持つものとして現代にも伝えられています。
不思議な魅力が詰まったルビーはいつの世でも私たちの心を魅了する宝石なのです。