ルビーの鑑定基準と偽物の見分け方|ブラックライトが光らない?
「紅玉」とも呼ばれるルビーはダイヤモンドに次ぐ硬度を持った、硬い宝石で古くは青銅器時代から人々を魅了してきた歴史があります。カラットあたりの価格はSランクであれば、10万円ほどになり、高級宝石として知られているルビーですが、偽物も多く出回っています。
今回は、ルビーの価値を決める鑑定基準と偽物の見分け方について紹介していきます。
ルビーの鑑定基準はどこを見る?
- 色合い
- 透明度
- キズ
を見ていきます。
色合い
ルビーの鑑定基準の重要な要素を占めるのが「色合い」です。
赤い色が特徴のルビーは『色の濃淡』が鑑定基準に関わってきます。
ルビーは酸化アルミニウムの結晶からできているコランダムという鉱物の一種で、このコランダムに含まれるクロムという物質の量によって色の濃淡が変化します。
クロムが1パーセントほど含まれているルビーは濃い赤色になっており、これが1パーセント未満になると、ピンク色に近くなります。逆にクロムの含有率が多いと、黒に近い色になってしまい価値は下がってしまいます。
最高級のルビーが産出されることで有名なミャンマーの「ピジョンブラッド」と呼ばれるルビーは濃い赤色をしており、「オレンジレッド」「パープリッシュレッド」など色合いによって濃淡が異なっていても評価を受けるものも存在します。
透明度
コランダムの中にある内包物が少ないほど透明度が高いものとして鑑定基準も高くなります。
色合いに比べて鑑定基準としてはさほど厳しくなく、多少の内包物であればそこまで価値は下がりません。
また、内包物の入り方によっては、ルビーの光の反射に作用し、「スタールビー」と呼ばれる非常に価値の高いルビーを生み出すこともあります。
キズ
ルビーはダイヤモンドに次ぐ硬度の硬さが特徴の宝石なので、傷自体がつきにくい魅力があります。
ですが、鑑定基準の面でいえば、「キズがある」こと自体が大きなマイナスになってしまいます。
本物のルビーと偽物のルビー
高級宝石として知られるルビーは偽物が多く出回っており、人工的な処理がなされている「合成ルビー」を天然のルビーと偽って販売している業者などが存在します。
合成ルビーとは
合成ルビーとは、本物に似せて人の手で処理がなされた石のことを指し、「加工石」とも呼ばれています。
天然のルビーはコランダムの中に内包物が混じっているため、肉眼でもルビーの中に内包物を確認することができます。
一方、合成ルビーは内包物が全くなく、色も不自然に綺麗に見えることが特徴です。
合成ルビーの価値は天然のものに比べて、価格は1/1000ほどと言われています。
ルビーの偽物の見分け方
ブラックライトが光る
合成ルビーはブラックライトを当てると蛍光反応を示し、真っ赤に輝きます。天然のルビーも蛍光反応は出ますが、反応が薄く、淡い反応になります。
ただし、蛍光に反応するのはクロムの影響と言われており、鉄が内包物に多いと蛍光反応が弱くなるという意見もあります。ですので、ブラックライトの蛍光反応が淡いものが本物というわけでもないことに注意しましょう。
カットが綺麗過ぎる
天然のルビーは大きさや色合い、美しさに個体差があり、カットが左右非対称になっているものがほとんどです。
そのため、不自然に綺麗な左右対称のルビーは偽物である可能性があります。
光の反射・見え方
天然のルビーは光にかざすことで、光の帯が60度の角度で真っ直ぐ見ることができます。
合成ルビーは、光の帯を視認することができず、視認できても帯が曲がって見えるようです。
光の見え方については近年、上記で述べた「スタールビー」の偽物が横行しており、ルビーの中に光を人工的に作っているものもあります。そう考えると、光の帯が視認できれば本物というわけでもないのが難点です。
合成ルビーは素人目では判別がつきにくい
今回はルビーの鑑定基準と偽物の見分け方について紹介していきました。
ルビーなどの宝石類は色が濃ければいいというわけではなく、また透明であればいいというわけではない、という評価基準の複雑さがあります。
また、合成ルビーに代表される加工宝石の精巧さが年々上がっていることもあり、素人目には天然ルビーか合成ルビーであるのかが一目では判断ができないのが現状です。
ご所有のルビーがどれくらいの価値があるのか、また真偽のほどが判別つかない、などありましたら、一度、宝石鑑別のプロに査定をしてもらうことをオススメします。
「なんぼや」は宝石バリューデザイナー(鑑定士)が在籍しておりますので、正しい価値査定が可能です。ぜひぜひ一度当店にお持ち込みください。