エメラルドと翡翠の違いと見分け方|どっちが高い？
5月の誕生石として有名なエメラルド。エメラルドカットでも有名で緑色の輝きが心を癒してくれます。
それと同じように5月の誕生石として位置づけられているのが翡翠（ヒスイ）になります。
どちらも緑色をしており、誕生石も同じなので、同じもののような気もしますが、実はまったく違うものなのです。
エメラルドと翡翠（ヒスイ）
エメラルド
- 和名：緑柱石
- 鉱物名：ベリル
- 石言葉：「幸福」「幸運」「愛」「希望」
ダイヤモンド、ルビー、サファイアと並んで世界4大宝石にも数えられる宝石の代表格に位置しているエメラルド。その深い緑色は唯一無二の色合いで、古来インカ・アステカでは永遠の若さと不滅、不死のシンボルとして崇められていました。エジプトの女王クレオパトラもエメラルドに魅了され、ジュエリーだけでなく、アイシャドウとしてエメラルドを利用していました。その熱心ぶりからクレオパトラは自身専用のエメラルド鉱山を所有していたといわれています。
エメラルドは傷ができやすく、壊れやすい性質を持っており、内包物が多い鉱石として有名です。そのため、内包物のない最上級のエメラルドは「ノンエンハンスエメラルド」と呼ばれ、0.87カラットで100万円を超える価格帯はダイヤモンドよりも価値が高いものになっています。
また、壊れやすいエメラルドのために生まれたエメラルドカットは現在もエメラルド以外の宝石に使われている人気のカットになっています。
翡翠（ヒスイ）
- 英名：ジェダイト
- 鉱物名：ヒスイ輝石
- 石言葉：「繁栄」「長寿」「安定」
2016年に日本鉱物科学会によって国石に指定された翡翠は日本でも新潟県糸魚川で採取でき、日本と馴染みの深い鉱石になります。翡翠とは鳥のカワセミのことを指し、カワセミの羽に似た石として翡翠玉と呼ばれました。
本来の色味は無色透明で構成される成分によって色が変わる石になります。そのため、緑だけではなく、ピンク、ラベンダー、ホワイト、ブラック、イエロー、オレンジなど様々な色合いの翡翠があります。
翡翠は肌の油分と馴染んで艶が増す親油性の高い石で、ここからか、かつて護符や魔除けとして使われていたり、不老不死をもたらす石として古代中国の王族が魅了されていたといわれています。
エメラルドと翡翠の違いと見分け方
エメラルドも翡翠も鉱石や成分が異なるため、まったく別のものであることがわかります。実際にエメラルドと翡翠を比べてみてもらえればわかりますが、翡翠は透明度が低く、エメラルドは透明度が高いため、これだけでも2つの鉱石が異なるものだと分かると思います。
ただ、どちらも緑色であることが有名であることと、5月の誕生石であること。また、どちらも「再生」や「不老不死」など古代の人々が崇めていたミステリアスな共通点があることから混同しやすいのかもしれません。
ただし、低品質のエメラルドと高品質の翡翠の見た目がそっくりだともいわれています。エメラルドは基本的に内包物やキズが多い宝石になるので、内包物が多く透明度が高いものがエメラルドと考えるとよいでしょう。また、色味についてもエメラルドの方がより深い緑になっています。
エメラルドと翡翠はどっちが高い？
翡翠は部類的にはパワーストーンの部類に入ることが多く、ジュエリーとして位置づけられるエメラルドの方が価値は高いといえるでしょう。
しかし、翡翠はジェダイト「硬玉」とネフライト「軟玉」に分類され、硬玉のみが翡翠として認められています。この硬玉のうち透明度が高く鮮やかな緑のものは「琅玕（ろうかん）」とも呼ばれ、数百万の値打ちがつく場合があります。人工処理を全く施していないA貨とも呼ばれるランクの翡翠はエメラルドよりも高い値が付く場合があるでしょう。
エメラルドも翡翠も状態が良いものは価値が高い
今回はエメラルドと翡翠の違いについてご紹介していきました。
実際にエメラルドと翡翠を比較するとやはり、翡翠の方はどこか東洋的というかパワーストーンっぽさが感じられると思います。しかし、透明度が高い硬玉になると宝石にもひけをとらない魅力と価値があるものになります。
どちらも魅力と価値が詰まった鉱石になるので、買取市場でも高値で買取が期待できるかもしれません。不要のエメラルドや翡翠がある方は一度査定に持ち込んでみるといいかもしれません。
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