珊瑚という宝石 サンゴとは違う!?
こんにちはなん子です!
珊瑚は古来より世界各地で縁起の良い宝石とされ、珍重されてきました。
例えば、ギリシア神話によると、英雄ペルセウスが、見つめたものを石に変える怪物メドゥーサの首を切り裂いた時、流れた血が地中海に落ちて珊瑚が生まれたとされています。イタリアではこの物語を背景にして、ローマ時代から珊瑚を護符として身につける習慣が生まれたとされています。
また、日本でも3月の誕生石は珊瑚ですし、結婚記念35周年目は珊瑚婚式、となっています。おめでたいことに珊瑚はつきもの、という訳ですね。日本においても、珊瑚は長寿や幸せをもたらす素晴らしい宝石として珍重されてきたのです。
珊瑚という宝石 サンゴとは違う?
珊瑚とサンゴの違いってご存知ですか?
・軟体サンゴ 硬い骨格を持たないサンゴで、ウミトサカやヤギの仲間を指し、非常に軽いのが特徴です。
・造礁サンゴ サンゴ礁を形成するサンゴのことで、大きくて成長が早いという特徴があります。海の中では大変鮮やかな色を発し、その美しさは多くの人の心を動かしてくれます。
・宝石サンゴ 元々、漢字で「珊瑚」と呼ぶのは、この宝石サンゴだけだと言われています。宝石サンゴは、その名の通り宝石として珍重されるサンゴで、深海に生息する上、成長に気の遠くなるような時間を必要とするため、大変希少価値が高くなっています。
ちなみに、サンゴは「刺胞動物」というグループに入る動物です。
そんな生きもののサンゴが、深海で長い年月をかけて成長を重ね、宝石である「珊瑚」になるなんて、なんだかロマンを感じますね。
イタリア商人が求めた日本産珊瑚
日本では、奈良時代以降、シルクロードを伝わってきた「地中海珊瑚」を珍重していたとされています。これは、当時珊瑚の交易に力を入れていたのがイタリアであったことに関係しています。
しかし、イタリアでは乱獲が原因となって宝石サンゴ絶滅に近い状態となってしまい、質の高い珊瑚の輸出は実質不可能となってしまいます。そのせいで、ヨーロッパをはじめ、中国などでも珊瑚を求める声が高まり、代替品が熱望されていました。
そんな中、登場するのが「日本産珊瑚」です。
日本産珊瑚は19世紀に土佐沖で発見されたと言われていますが、その美しい珊瑚を誰よりも先に手に入れようと、珊瑚商人がイタリアから直接買い付けにのりこんでくるようなりました。
イタリア-日本間の航路が安定していない19世紀という時代に、珊瑚を求めて海を渡って商人が押し寄せるなんて凄いですよね。商人自身の商魂がたくましさにも驚かされますが、それだけ珊瑚を熱望する人達が多かったという証明とも言えそうです。
世界的に高い評価を受ける日本産珊瑚
日本産珊瑚のうち、現在でも非常に人気が高いのは、深く鮮やかな赤色をした「アカサンゴ」で、その中でも特に深みのある赤を持つ珊瑚は「血赤珊瑚」「オックスブラッド」「トサ」と呼ばれ、珍重されています。血赤珊瑚は、日本産珊瑚の中でも最高ランクに位置づけらえているため、世界でも手にすることのできる人が限られた、大変貴重な珊瑚となっています。
また、モモイロサンゴは、淡く儚げな美しい桃色をしたものから鮮やかな朱色まで色調が広いため、様々なジュエリーに広く用いられています。特に、淡く透明感のあるピンク色のものは「エンジェルスキン」と呼ばれ、ヨーロッパではアカサンゴよりも人気が高いようですね。
日本産珊瑚は、19世紀に発見されて以来、今なお世界中の人々の心を掴んで離さない美しさを放っているのです。
まとめ
いかがでしたか?
珊瑚は真珠と共に「陸のダイヤ」と呼ばれ、古来より世界中で大切にされてきた宝石です。
最近は、宝飾店などでも貴重な珊瑚を目にすることは少ないですが、機会があればぜひ手にとって、そのなめらかな手触りや、美しく鮮やかな発色を楽しんでみて下さいね。
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