ベリル/Beryl
ベリルは、さまざまな色合いを持つ鉱物で、アクアマリンやエメラルドなど、その色合いにより宝石名が付けられています。純粋なベリルは無色透明で、ゴシェナイトがそれに該当します。緑柱石という和名が付けられているとおり、緑色系の石が目立つベリルですが、モルガナイトやレッドベリルなど、赤系のものも人気があります。
この石の、名称の由来や価値、その特徴やパワーストーンとしての意味などを、詳しくご紹介します。
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ベリル宝石の属性
名前 | ベリル |
英語名 | Beryl |
和名 | 緑柱石 |
色 | 無色透明、緑、黄緑、黄、ピンク、赤、水色、青 |
グループ(種・変種) | エメラルド・アクアマリン・モルガナイト・ゴシェナイト・ヘリオドール(ゴールデンベリル)・レッドベリル(ビクスバイト)・ペツォッタイト |
硬さ(モース硬度) | 7.5-8 |
光沢 | ガラス光沢 |
化学成分 | Be3Al2Si6O18 |
結晶系 | 六方晶系 |
ベリル宝石言葉・意味
- 宝石言葉
- 幸福、永遠の若さ、聡明、気品
- 意味
- 気品があり、美しく若々しい
ベリル産出国・産地
- アメリカ:ゴーシェン/Goshen、バックフィールド/Buckfield、カリフォルニア/California、ユタ/Utah、ニューメキシコ/New Mexico
- インド:オリッサ/Orissa
- ロシア:ウラル(ウラール)/Ural、シベリア(サイベリア)/Siberia
- パキスタン:ギルギット/Gilgit
- ブラジル:ミナスジェライス/Minas Gerais、サンタマリア/Santa Maria、エスピリトサント/Espirito Santo
- アフガニスタン:クナル/Konar
- ナミビア:エロンゴ/Erongo
- カナダ:全域
- ナイジェリア:全域
- モザンビーク:全域
- マダガスカル:全域
- ザンビア:全域
- スリランカ:全域
- ジンバブエ:全域
- ウクライナ:全域
- タジキスタン:全域
- ミャンマー:全域
ベリル特徴・特性
金属元素のベリリウム(Beryllium)とアルミニウム(Aluminium)を主な成分とする、六角柱状結晶のケイ酸塩鉱物であるベリルは、鉱物中に含まれるアルミニウムが少量、他の原子に置き換わることが多く、置き換わった原子が何であるかにより、さまざまな色合いを見せる宝石です。
命名の由来
ベリルは、ギリシャ語で“海のような青緑色の高貴な石”という意味の、ベリロス(Beryllos)が語源となり、命名されました。
また、ベリルを構成する成分のひとつ「ベリリウム」は、ベリルが語源となっています。
ベリルのお手入れ方法
皮脂などの油分を吸着しやすい性質がありますので、身につけた後は時間を置かずに、柔らかい布などで拭いてから、収納するようにしてください。
また、汚れがひどい場合、アクアマリンとモルガナイトは、柔らかい毛先の歯ブラシなどに泡立てた石鹸をつけてやさしく擦り、水やぬるま湯で洗うことも可能です。その場合は、洗浄の後すぐに、水分をしっかり拭き取るようにしてください。
ただし、インクルージョン(内包物)や、気がつかないような小さなものでもひび割れなどがある場合、ブラシでの洗浄でも破損することが考えられますので、注意が必要です。
また、ベリルは宝石としての硬度は十分にありますが、全般的に衝撃には弱い傾向にありますので、超音波洗浄は避けたほうが無難です。
その他、紫外線により退色する場合があります。保管する際は、日の当たらない冷暗所がおすすめです。
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ベリル価値
ベリルは総合的に、色がクリアで美しく、インクルージョン(内包物)が少なく、透明度の高く大きいものほど価値があります。そうしたもののほとんどは、輝きが美しくみえるファセットカット(※1)を施して流通します。
また、まれにシャトヤンシー(キャッツアイ効果)と呼ばれる“猫の目のような光の筋”を見せる石も、採石されます。その場合は通常、カボションカット(※2)が施されます。
ベリルの宝石名別価値
ベリルの中でも、同じグレードの場合、一番高値で取り引きされるのは、希少石でもあるレッドベリルです。上質なものは、同じカラット数のダイヤモンドよりも高値になります。
次いで、エメラルドとなります。エメラルドは、ハイジュエリーとしても人気の宝石です。
アクアマリンは、比較的お手頃なジュエリーとして人気があり、モルガナイトやヘリオドールは、パワーストーンとしても人気があります。
また、ゴシェナイトの上質なものは、かつて模造ダイヤモンドとしても流通していたことがあるほどに美しく、ダイヤモンドと比較して安価なため、さまざまなファンシーカット(※3)を施されて流通しています。
ペツォッタイトは希少石のため、高値で取り引きされていますが、知名度はこれからの宝石のため、現在は一部のコレクターに人気の宝石となっています。
ベリルの色と宝石名
ベリルの発色要因と色の違いによる宝石名には、大きく分けて7つが存在します。その他、変種や別称も含めますと、多くの名称があることも、ベリルの特徴です。
無色透明のベリル【ゴシェナイト/Goshenite】
ベリルとしての純度が高い、アルミニウムにより無色透明になるベリルを、ゴシェナイトと呼びます。
色がないことから、「カラーレスベリル/Colorless beryl」と呼ばれることもあります。
緑系のベリル【エメラルド/Emerald】
クロム、もしくはバナジウムにより、緑色に発色するベリルがエメラルドです。これ以外の元素が発色要因の緑色のベリルは、エメラルドとは呼びません。
緑・黄緑系のベリル【グリーンベリル/Green Beryl】
2価鉄イオンと3価鉄イオンとの混成で緑~黄緑色になるベリルを、グリーンベリルと呼びます。
その色合いから、「ミントベリル/Mint Beryl」、「ライムベリル/Lime Beryl」と呼ばれることもあります。
また、同じ発色要因で、後出の“サンタマリア”より濃い青色のベリルもあります。ブラジル ミナスジェライス州のマシシ鉱山から採石されたことから、「マシシ/Maxixe」と名付けられたベリルです。しかし、紫外線による退色が著しいため、宝石としての流通は今後も難しいと思われます。
黄色・黄緑系のベリル【ヘリオドール/Heliodor(ゴールデンベリル/Golden beryl)】
3価鉄イオンだけによる要因で、黄色~黄緑色に発色するベリルがヘリオドールです。
その色合いから、「ゴールデンベリル/Golden Beryl」、「イエローベリル/Yellow Beryl」と呼ばれることもあります。
淡青色のベリル【アクアマリン/Aquamarine】
2価鉄イオンが発色要因のベリルを、アクアマリンと呼びます。
水色に近い淡い青色のものが一般的ですが、中には濃い青を示すものもあります。これは通常のアクアマリンよりも価値が高いため、「サンタマリア/Santamaria」 、「サンタマリアアフリカーナ/Santamaria Africana」などと、産地にちなんだ別称で呼ばれることがあります。
ピンク系のベリル【モルガナイト/Morganite】
マンガンが発色要因のベリルに、モルガナイトがあります。
淡い赤色~ピンク色をしているため、その色合いから「ピンクベリル/Pink Beryl」と呼ばれることもあります。
濃ピンク・赤系のベリル【レッドベリル/Red beryl(ビクスバイト/Bixbite)】
モルガナイトと同じ、マンガンが発色要因のベリルにレッドベリルがあります。
「ビクスバイト/Bixbite」が正式な宝石名ですが、似た名称の石があるため、現在ではレッドベリルと呼ぶことが主流となっています。
モルガナイトと同じ発色要因ではありますが、レッドベリルは濃い赤色を有するとても希少な石で、価値も格段に高いことから宝石名が分けられています。
ピンク系のベリルの変種【ペツォッタイト/Pezzottaite】
これまで紹介したものは、ベリルの成分であるアルミニウムが他の原子に置き換わったのに対し、ペツォッタイトは、ベリリウムの一部がセシウムやリチウムと置き換わったものであるため、ベリルと類似構造にある変種として、新鉱物認定された石です。
発色はマンガンが要因で、ピンク色になることから「ラズベリー ベリル」、「ラズベリル」、また、モルガナイトと同じ「ピンクベリル」と呼ばれることもあります。
ベリル パワーストーンとして
勇気、聡明、幸福、富と名誉、平穏、癒し、毒素の排出、洞察力、浄化
ベリルは、不安な思いを取り除き、晴れ晴れとした前向きな気持ちにさせてくれるパワーストーンです。
“物事の見極め”をサポートしてくれる石でもあることから、正しい選択ができるようになり、人生を成功に導いてくれる石としても人気があります。
色の違いによりそのほかの効果もあるため、色違いを複数持つことでパワーの相乗効果も期待できると言われています。
現在、宝石やジュエリーの買取相場が上がっています
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ベリルの種類
アクアマリン
アクアブルー色のきれいな水の色を連想させる、パワーストーンとしても人気のアクアマリンについてはこちら
モルガナイト
ローズベリルと呼ばれることもある、淡いピンク色が近年人気のモルガナイトについてはこちら
ゴシェナイト
ベリルとしての純度が高く、模造ダイヤモンドとして流通したこともある無色のゴシェナイトについてはこちら
ヘリオドール(ゴールデンベリル)
ヘリオドールについてはこちら
ヘリオドール/Heliodor(ゴールデンベリル/Golden beryl)
レッドベリル(ビクスバイト)
ごく限られた地域のみで産出され、鮮やかな赤色が収集家にも人気の高級希少石レッドベリルについてはこちら
レッドベリル/Red beryl(ビクスバイト/Bixbite)
ペツォッタイト
近年ベリルの変種と認められ、認定された新鉱物。ラズベリー色が美しい希少石ペツォッタイトについてはこちら