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アベンチュリン/Aventurine

アベンチュリン/Aventurine

クォーツァイト(珪岩)の中に、雲母などを内包することでキラキラとした輝きを有する、アベンチュリン効果のある鉱物を総称して、「アベンチュリン」と呼びます。

インクルージョンにより、さまざまな色味を見せる石ですが、一般的にアベンチュリンと言えば「グリーン アベンチュリン」のことです。

ヒーリング ストーンとしても、人気のあるこの石の、名称の由来や価値、その特徴やパワーストーンとしての意味などを、詳しくご紹介します。


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宝石の属性

名前 アベンチュリン
英語名 Aventurine/Green aventurine /Green aventurine quartz
和名 砂金石(さきんせき)/砂金水晶/砂金石英
透明、白、緑系、青系、赤系、桃色、オレンジ、黄、褐色
グループ(種・変種) クォーツァイト、石英(水晶、アメシスト、シトリン、モリオン、ローズクォーツ・スモーキークォーツ、レモン水晶、緑水晶、ミルキークォーツなど)アゲート、カルセドニー
硬さ(モース硬度) 7
光沢 ガラス光沢
化学成分 SiO2
結晶系 三方晶系、六方晶系

宝石言葉・意味

宝石言葉
恋のチャンス・安眠・沈着・勇敢
意味
恋愛のチャンスをつかむ石。また、恋人同士や夫婦には円満の石。

産出国・産地

  • インド:全域
  • ブラジル:全域
  • ジンバブエ:全域
  • ロシア連邦:シベリア/Siberia
  • アメリカ:全域
  • タンザニア:全域

特徴・特性

アベンチュリンは、ひとつの鉱物を示す名称ではありません。

クォーツァイト(珪岩)の中には、主に雲母を内包することで、キラキラとした輝きを放つ “アベンチュリン効果(アベンチュレッセンス)”のある鉱石があります。この光学効果のある石を、総称してアベンチュリンと呼んでいるのです。

※ヘマタイト(赤鉄鉱)、ゲーサイト(針鉄鉱)を微粒子で内包することで、アベンチュリン効果を発するアベンチュリンもあります。

インクルージョン(内包物)により、さまざまな色味を見せる石でもあり、その色により、「オレンジ アベンチュリン」「ブルー アベンチュリン」などと、色名を冠して呼ばれています。

名称の由来

アベンチュリンの特徴でもある、キラキラと輝く内包物があることを意味する、光学効果の「アベンチュレッセンス」が語源です。

その、アベンチュレッセンスの語源は、溶かしたガラスに、銅のくずを落としてしまったことにより、偶然、キラキラと輝く内包物の入ったガラスができたことから、“偶然に起こったこと”を意味するイタリア語の「ア ベンチュラ/a ventura」といわれています。

※ガラスに落とした“物”に関しては、諸説あり、中には「銅の鍋」を落としたと記載している文献もあります。

グリーン アベンチュリンの別名とフォールス・ネーム

一般的にアベンチュリンと言えば、「グリーン アベンチュリン/グリーン アベンチュリン クォーツァイト(Green aventurine /Green aventurine quartz)」のことを意味します。

「ヒマラヤ アベンチュリン」と呼ばれている鉱物も、このグリーン アベンチュリンを指す別名です。

インドで多く産出されているグリーン アベンチュリンは、翡翠(ひすい)に見た目が似ていて、翡翠よりも安価であるため、代用品として使われていました。その経緯から、「インド翡翠」と呼ばれることもありますが、これはフォールス・ネーム(※1)で、翡翠とアベンチュリンは化学組成(化学成分)が全く異なります。

結晶系は六方晶系?三方晶系?

アベンチュリンは、三方晶系(別名:菱面体晶系 りょうめんたいしょうけい)(※2)と呼ばれる結晶の性質を持っています。しかし、三方晶系は六方晶系(※3)に属するという考え方も多く、鉱物や宝石の専門書でも意見の分かれているところです。

そのため、ここでは六方晶系もスペックに記載しています。

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価値

グリーン アベンチュリンを中心とした“アベンチュリン効果”のあるクォーツァイトは、特にヒーリング ジュエリーや、パワーストーンの分野で人気です。

グリーン アベンチュリン

フックサイト(クロム白雲母)は、クロム成分を有することで、きれいな緑色に発色します。そのため、フックサイトを多く含むグリーン アベンチュリンは鮮やかな深緑色になり、アベンチュリン効果の大きいものは、高値となります。

※雲母の結晶は、平行に内包されることで、アベンチュリン効果を発揮します。そのため、フックサイトを内包していても、結晶がバラバラな場合にはアベンチュリン効果が減少、もしくは見ることができません。

グリーン色以外のアベンチュリン

グリーンに次ぐ人気色はレッドです。「レッド アベンチュリン」と呼ばれており、ヘマタイトや赤系のゲーサイトが内包されることで発色しますが、グリーンよりも産出量が少ないため、流通も限られています。

その他、白、淡黄色、ブルー系などの色が産出されることもありますが、さらに産出量が少ないため、流通されることはまれです。

パワーストーン業界におけるアベンチュリン

パワーストーン業界でいうアベンチュリンは、宝石としてのアベンチュリンとは少し違う見方(みかた)がされています。

ストーン効果としてのアベンチュリン

パワーストーンとして流通している石の中には、クォーツァイトを染色した石が、多く見られます。特に「レッド アベンチュリン」「オレンジ アベンチュリン」との名前が付けられている、鮮やかなオレンジ色の石は、ほとんどが染色のものです。

石をいったん粉末にし、再度固める際にアベンチュリン効果を出すために、キラキラの物質を添加した石も見受けられます。

また、アベンチュリン効果のまったくないクォーツァイトを、アベンチュリンとして販売しているケースも多く見られます。

もちろん、これらは宝石としてのアベンチュリンではありません。

しかし、パワーストーンとしての価値は、名称自体と鉱物としてのパワーを重要視することから、アベンチュリンと同じ化学成分であるクォーツァイトからできたこれらも「アベンチュリン」と総括して呼んでいるようです。

宝石としての、“アベンチュリン効果のあるクォーツァイト”をお求めになりたい場合には、確認されることをおすすめします。

5月の誕生石としてのアベンチュリン

日本で一般的な5月の誕生石には、「エメラルド」「翡翠」があります。また、イギリス式の「クリソプレーズ」を採用しているところもあります。
これらの中に、アベンチュリンは入っていませんが、パワーストーン業界(ショップなど)では、アベンチュリンを5月の誕生石として紹介しているところが多くあります。

誕生石は、ポーランドに移住した、ユダヤ人の宝石商が考案したのが始まりで、日本ではアメリカ方式を基に、全国宝石卸商協同組合が制定したものを基準としています。

元々、宝石の付加価値をつけるために商業的に作られた経緯がありますので、業界やショップによって、訴求したい宝石名を誕生石に採用することもあります。それを制限する規制などはないのです。誕生石にばらつきがあるのはそのためです。

アベンチュリンを誕生石として贈り物にする際には、知らない方も多いと考えられることから、一言添えて渡すなどの工夫をすると良いでしょう。

※当宝石事典では、全国宝石卸商協同組合が制定した日本式と、アメリカ式・フランス式・イギリス式を採用しています。そのため、誕生石の欄にアベンチュリンは記載しておりません。ご了承ください。

パワーストーンとして

ネガティブな思考からの解放、疲労回復、ストレスの緩和、精神の安定、幸福、成功、洞察力を高める

身に着けることで、“心身ともに健康でいること”をサポートしてくれる、精神安定のパワーストーンです。疲れた魂を癒やしてくれる石、とも言われています。また、古来チベットでは、仏像の目にあたる部分にこの石を飾っていたことから、洞察力を高め、成功に導く石であるとも言われています。

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