日本画家・下保昭|水墨画で神秘性を帯びた自然を描く

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下保昭は日本画家・水墨画家であり、作品の中に風や匂いなど目に見えないものを表現しようと試みた人物です。今回は下保昭の生い立ちや受賞歴、独特の世界観を持つ作風と作品をご紹介していきます。

下保昭の生い立ちと師との出会い

下保昭は1927年に富山県砺波市で生まれました。
1946年に第1回富山県展にて富山市民賞を受賞します。そのことがきっかけとなり、日本画家・安嶋雨晶に紹介されて、22歳となる1949年に青甲社に入ります。そこで下保昭は京都画壇で名を高めていた西山翠嶂に師事しました。
そしてその翌年となる1950年に第6回日展へ出品した「港が見える」が初入選します。その後も日展・新日展へ意欲的に作品を出品し、第10回日展出品の「裏街」、第13回日展へ出品した「火口原」が特選、及び白寿賞となりました。さらに第4回新日展出品の「沼」が菊花賞、第10回新日展出品の「遙」が文部大臣賞となるなど、下保昭は破竹の勢いでその才能を開花させていきます。

日展を脱会し水墨画を追求する

日展にて活躍した下保昭ですが、1980年代に転機を迎えました。
1982年に日本芸術大賞、1985年に芸術選奨文部大臣賞を受賞した昭は、1988年になり日展を脱会、無所属となったのです。
その後はより自由かつ精力的に作品制作に取り組み、数多くの個展を開いていきます。そうした活動が認められ、1997年に京都美術文化賞、2004年には旭日小綬賞を賜り、日本を代表する日本画家としての地位を確立していきました。

下保昭が表現した神秘性を帯びた自然とは

下保昭の初期作品は社会的なものをモチーフとしたものが中心でした。しかし日展脱会の少し前から水墨画に可能性をと魅力を感じ取り組み始めます。脱会後は一貫して水墨画による作品制作を行い、山水を主題として追求していきました。
「冰雪黄山」などの中国山水シリーズでは、中国大陸の壮大な自然を題材にし、自然界のあふれるエネルギーを水墨画にて見事に表現しています。一方で、「華厳」や「黒部秘境」などの日本の山水シリーズでは、日本らしい穏やかな雰囲気の中にある優しさと、霊的で神秘性を帯びた自然を水墨画で描きました。
下保昭は「⼼とはいかなるものを⾔ふならん墨絵に書きし松風の⾳」という一休禅師の言葉を座右の銘としています。作品の中に自然の風や匂いを描くことを意識し、目に見えないものや耳に聞こえないながらも確かに存在する何かを表現しようと試みていたのでしょう。

下保昭の水墨画や日本画は「なんぼや」にお持ちください

下保昭は日本画家として初期は日展を中心に活躍し、晩年は神秘的で人の心に触れる水墨画を追求した人物です。独特の世界観を持つ下保昭の作品は非常に人気が高く、高価格にて取引されています。
もちろん「なんぼや」でも下保昭の日本画は高価買取対象です。蔵や押入れ、屋根裏に眠っているお宝を査定したい、そんなときはぜひ「なんぼや」にご依頼ください。

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