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パテックフィリップの売却時は保証書を確認!重要な付属品とは?

パテックフィリップの売却時は保証書を確認!重要な付属品とは?

パテックフィリップのような高級時計は、保証書などの付属品の有無が買取価格に大きな影響を及ぼします。売却を希望される方は、箱などと同様に大切に扱いましょう。こちらでは、パテックフィリップの保証書および、もしも保証書がない際に用意したいアーカーブについて解説します。

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パテックフィリップ付属の保証書は重要なアイテム

パテックフィリップに付属する保証書(Certificate of Origin)は、タイムピース確定に必要な情報が網羅された大切な書類です。副本は存在しないため、万が一紛失してしまっても再発行は行われません。そのため、付属品としての価値も高く扱われます。もしもパテックフィリップを売却する際には、必ず持参するようにしてください。以下で、保証書の基本的な知識をまとめます。

保証書はそのまま持参が重要

保証書には名前・住所などが記載されている場合があります。個人情報にはなりますが、塗りつぶしやカットなどは行わずに、売却先へ持参するようにしましょう。保証書に加工があると、2年間のメーカー保証が受けられなくなる可能性があるためです。また、すでにメーカー保証期間を過ぎている場合も、そのままにしておくことが無難です。

保証書から分かる製造年数

パテックフィリップ付属の保証書には、製造年コード(4つのアルファベット)が記載されています。このアルファベットには以下の法則性があるため、読み取ることでおおよその製造年代を推測できます。

P A T E K H R O N S
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

もしも「PRSK」と記載があれば、それは「0694」を示します。前半二桁は月、後半二桁は年を表すため、この個体は1994年6月に製造されたと分かります。なお、製造年コードは2008年に廃止となっているため、それ以降の個体については適用とならないのでご注意ください。

保証書がない場合に取得したい「アーカイブ」とは?

すでにご紹介したとおり、パテックフィリップはもちろん、高級時計によって保証書は資産的価値を担保する重要なアイテムです。しかし、紛失などの理由でパテックフィリップの保証書が手元にないという場合もあるでしょう。その際には、「アーカイブ」と呼ばれる書類の取得を検討してください。

アーカイブとは正式名称「Extract from the Archives(アーカイブ抄本)」と呼ばれる、パテックフィリップ公式の公文書です。本社に記録された時計の製造・販売データを基に、その固体の製造年といった詳細が明記されます。具体的な内容は以下です。

  • 腕時計のタイプ ※
  • ムーブメントのシリアル(個体製造番号)
  • ムーブメントのキャリバー
  • ケースのシリアルナンバー
  • 型番・素材
  • 文字盤の種類
  • 製造年
  • 販売年月日
  • ブレスレットまたは革ベルトの素材
  • 備考

※ 腕時計はwrist watch、懐中時計はpocket watchのように記載される

このように、内容としてはシンプルなものです。ただし、宝石等の鑑定書とは異なり、現状のコンディションなどについては記載がされません。これは、アーカイブがあくまでも、その個体がはじめて出荷された際のデータを示すものだからです。

アーカイブ付属で買取額が上がる?

前述からも分かるとおり、アーカイブは保証書とは異なり、個体の真正の証拠にはなりません。これは、パテックフィリップの公式ホームページにも記載されている内容です。理由は簡単で、アーカイブの発行には「査定」が不要だからです。目的はあくまでも「個体を特定し、その時計に関する情報の提供」であり、パテックフィリップ側が真贋を見極めたわけではありません。ちなみに、これはどの高級時計ブランドでも同じです。

一方で、中古市場では保証書のないヴィンテージ・アンティーク時計の買取には、アーカイブが必須ともされています。なぜなら、付属するアーカイブと時計本体に記載されたシリアルが一致するものは、本物であると見られる向きがほとんどだからです。

たとえばアーカイブの発行時、画像に不鮮明な箇所があったとしましょう。この場合、パテックフィリップ側は個体の送付を申請者に要請するそうです。送付が難しいとなると、アーカイブは発行されません。このように、「真贋を判定するものではない」とはしながらも、アーカイブの発行にはかなり厳格なルールがあり、偽装は困難。買取業者などがアーカイブを評価するのは、こうした背景があるのです。

アーカイブが理由で売れなくなる場合

時計を眺める男性

アーカイブはパテックフィリップを売却する際、高価買取につながる重要なアイテムです。とくに、限定モデルやダブルネームといったレアな逸品の場合は、アーカイブによってその希少性が明示されることにより、より評価を高めてくれるでしょう。一方で、「アーカイブが原因でパテックフィリップが売りにくくなる」という事態も想定されるため、注意が必要です。

実際にあった例を見てみましょう。ある正規代理店が顧客からパテックフィリップの修理を依頼された際に、ムーブメントの在庫切れを理由として、別機械での代替を行いました。顧客も了承済みです。しかし、この時点でアーカイブ情報と実際の個体との間には食い違いが発生しているのです。

もしもこの状態のパテックフィリップをアーカイブと一緒に売りに出したとしましょう。買取業者からすれば「アーカイブ記載のムーブメントと実物が異なるから、これは偽物だ」と考えても仕方ありません。
もしくは、「本物であることはわかるが、アーカイブと異なる部分が大きいから、価値を低く見積もるしかない」と判断されるかもしれません。

このように、とくに年代の古い個体の場合には、アーカイブとの情報に差違が生まれる可能性についても注意をしておきましょう。その場合には、個体を売りにくくなるかもしれません。

アーカイブの申請方法

続いて、アーカイブの具体的な申請方法についても見ていきましょう。

まず用意するのは、時計のムーブメントの、ケース、モデル番号の情報です。申請時には、シリアルやキャリバー、リファレンスなどの記載が必要になります。次に、個体の外装およびムーブメントの写真です。こちらも、申請時に提出する必要があるので撮影しておきましょう。

なお、時計に詳しくない方の場合、詳細な情報を集めるのが困難というケースもあり得ます。この場合は、メーカーや時計修理専門店などに個体を持ち込み、必要な情報を教えてもらうとよいでしょう。

申請に必要な材料が揃ったら、パテクフィリップの公式ホームページから申請を行います。以前まではブティックでの受付もしていましたが、現在はすべてオンラインへと移行されました。この際、500スイスフラン(約6万円)の費用がかかります。その後、とくに問題がなければ10週間でアーカイブが届けられます。

なお、アーカイブ取得条件は2021年4月1日より、以下へと変更されています。

  • 販売日が1990年以降の個体は取得不可
  • アーカイブ発行後、同一個体は5年間再発行不可

パテックフィリップを売るなら保証書かアーカイブを用意

確認する女性

パテックフィリップの売却時には、保証書の有無を必ず確認してください。万が一紛失しているようなら、アーカイブの取得も検討しましょう。手間や時間、費用はかかるものの、単なる保証書なしの条件に比べると高価買取につながりやすくなります。高級品であるパテックフィリップの価値をしっかりと判断してもらえるよう、こうした付属品の用意には十分気を遣うようにしてください。

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