欄間(らんま)とは?|建具が骨董品・古美術として扱われる理由
伝統的な日本家屋で見られる「欄間(らんま)」。欄間は中古市場においてコレクター需要があり、現在も高値で取引されています。今回は、欄間の基礎知識を解説するとともに、買取できる欄間・できない欄間の種類をご紹介します。
欄間とは?
欄間とは、日本建築における建具の一種で、天井と鴨居(かもい)の間に据える開口部材です。その歴史は古く、欄間の原型は平安時代(794~1192年)に考案された説があります。
実際、1053年に建立された「平等院鳳凰堂」の本堂には、“来迎図(らいごうず)”をもとにした、豪華絢爛な欄間があしらわれています。その名も「眞敬寺来迎欄間」。日本有数の寺院欄間であり、歴史的価値が高い仏教彫刻でもあります。
欄間本来の役割は、室内の換気及び採光にあります。原型となった平等院鳳凰堂の欄間も、建立当時は単なる格子に過ぎませんでした。これはあくまでも、採光を目的としていたためです。
意匠性の高い欄間がつくられたのは、江戸中期からでした。厚木を彫ることで立体感を演出し、さらには彩色した欄間まで登場。建具の領域を超え、「工芸品・美術品」として扱われるようになったのです。
骨董品・美術品としての価値を有する「彫刻欄間」
欄間には、「彫刻欄間」「筬欄間(おさらんま)」「透かし彫り欄間」「組子欄間(くみこらんま)」の4種類があります。とりわけ有名なのは、鳳凰や孔雀、龍などを精細に描いた彫刻欄間です。彫刻欄間は建具でありながら、鑑賞目的であしらわれる工芸品・美術品としての側面を持ちます。
筬欄間・透かし彫り欄間・組子欄間は、一般的な日本家屋に多く取り入れられています。一部、意匠性の高い欄間もありますが、採光・換気を目的とした建具にとどまります。
上記からいえるのは、彫刻欄間には古美術・骨董品としての価値があることです。とりわけ見事な彫刻の欄間、有名彫刻家の銘作は、コレクター需要が存在します。
買取できない欄間もある?
一般住宅用の欄間は、ほとんどが買取対象外となります。コレクター需要があるのは、あくまでも鑑定士が「売れる」と判断した品のみです。
また、こうした古美術・骨董品は、中古市場においてもニッチなジャンルに入ります。需要と供給が安定しにくいため、骨董品・美術品の買取専門店においても、欄間を取り扱わないところは少なくありません。
欄間の査定・買取は「なんぼや」にご相談ください
「なんぼや」では、欄間をはじめとする骨董品・美術品の買取を行っております。他店では買取を断られた欄間も、ぜひお持ちください。専属鑑定士の審美眼により、大切なお品の価値を見極めます。