袋師・土田友湖|茶道具を引き立ててきた名家の由来や作風について

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侘び寂びわびさびの茶道に欠かせないのが、茶器類を包む袋。この名脇役を数多く手がけてきたのが土田友湖です。

優雅で気品に富んだ作品が茶道具をこよなく愛する人々の間で人気なのは言うまでもありません。今回は、多くの名品を生み出してきた袋師・土田友湖の魅力に迫ります。

千家に見いだされた袋師の腕前

土田友湖は千家十職に名を連ねる袋師です。袋師とは、茶器を入れる袋やそれを包む服紗(ふくさ)などの製作に携わる職人のこと。江戸の元禄期に生まれた初代(1689~1765)から十二代当主(1939~)まで、400年近く続く名門です。

もともと土田家は、彦根藩主井伊家に鉄砲組頭として抱えられた武家の出身。初代土田友湖が生きた時代は戦のない太平元禄の世、武家の身分を捨てて西陣織の仲買商人に転身したのも時代の流れだったのでしょう。やがて袋物の名手・亀岡宗理のもとで袋物製作の技術を学び、家業を継承します。その腕前が表千家六代・覚々斎の目にとまり、千家との結びつきが生まれました。土田友湖は初代にして袋作り職人としての確かな地位を築いたのです。

災難や事件、動乱を乗り越え技術を継承

五代当主(1778~1825)のとき、表千家九代・了々斎の協力もあり、服紗製作も手がけるようになります。天明の大火、禁門の変など歴史的事件や災難に遭遇しながらも家督をつなぎ、嫡男の早世といった不幸も先代長女が当主に座るなどして乗り越えました。

十一代(1902~1965)が継承したとき、不運にも太平洋戦争が勃発。茶道の荒廃は免れませんでした。自身も招集や病を得るなど家業に専念できないまま最後を迎えます。それでも土田友湖の名は消えず、戦後に家督を継いだ十二代当主は精力的に活動をこなして多くの作品を発表。古雅で華美な名物袋は茶人の間でも高い評価を獲得し、茶道復興にも貢献しました。

優美な意匠に彩られた袋物の魅力

茶道具を包む仕覆(しふく)は、茶入れにふさわしい機能性と意匠が求められます。仕覆は、袋になる「裂」(きれ)、紐の「緒」、緒を通す「つがり」の部位でなり、いずれもバランスよく作り込み、茶入れにフィットさせる精緻な技術が欠かせません。友湖の作品には茶入れとの高い親和性があるのはもちろん、古雅な雰囲気のなかにもどこか華があり、その芸術性は多くの人を魅了します。茶道具の価値は言うに及ばず、美術品としての鑑賞にも堪えうる名品です。

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