生田花朝の掛軸|地元大阪の風物を描き続けた生粋の浪花画家
生田花朝(いくたかちょう)は、地元大阪の風物を描くことに徹底してこだわった日本画家です。そんな浪花っ子が大胆な作風で描く掛軸は、買取市場において高額取引されています。こちらでは、大阪が生んだ近代の女流画家・生田花朝をご紹介します。
大阪出身、国学者の父を持つ女流画家
生田花朝(1889~1978)は、大阪に生を受け、幼い頃より絵画や芸事に触れる環境で育ちました。父は国学者として有名な生田南水。大阪の風物や風俗、文化を大和絵風に描く独自の技法で数々の名作を生み出しました。
24歳のときに、大阪出身の画家・菅盾彦に弟子入りすると、絵画の技法や歴史を学びます。着実に地力を身に付けていった花朝は、帝展10回目の挑戦にして「春日」で入選を果たし、翌年には「浪花天神祭」で特選を獲得。花朝はこれを契機に飛躍を遂げていくことになるのです。
花朝はあくまで地元大阪にこだわり、作品の根底にも大阪の風俗や文化、幼い頃より見て体験した生活風景が流れています。その頑固なまでの姿勢は地元愛の表れといってよく、おのずと大阪での評判は高いものとなりました。なおかつ、細やかな目線での作風は地元を中心に多くの人の共感を誘い、花朝独自の世界観を築いていきます。
細やかな筆使いと優美な作風が生み出す名品の数々
地元大阪を愛し、大阪の風物を描き出すことに画家人生を費やした生田花朝。彼女の個性は、下町情緒あふれる大阪を、さながら大和絵のごとく荘厳できらびやかな世界観に仕上げたことにあります。
大阪の日本画といえば彼女を連想するという人は多いでしょう。それに加えて、優美な筆使いにも定評がありました。代表作である「浪花天神祭」は、落語の寄席である「天満天神繁昌亭」の緞帳(どんちょう)に今も使用されています。大阪市民文化賞、大阪府芸術賞など、大阪ゆかりの栄誉ある賞に縁があるのは、大阪にとことんこだわった芸術活動の当然の帰結と言えるでしょう。
生田花朝作の掛軸としては、「いかのぼり」「一灯」などがあります。高名な作家の作品だけに現在も美術品収集家の間で高く評価されています。
人気の掛軸は、買取実績の多い「なんぼや」で査定を
大阪を代表する日本画家・生田花朝の掛軸は、買取市場において高値で取引されています。「なんぼや」では、生田花朝など、高名な画家の掛軸の買取に力を入れています。当店には掛軸にくわしい査定のスペシャリストが多数在籍しておりますので、安心です。作者不詳の作品でも査定対象となる可能性があるので、お気軽にお持ちください。