人間国宝・寺井直次|卵殻で表現した純白の美しさ

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寺井直次(てらいなおじ)は、石川県金沢市出身の漆芸家です。革新的な技法を使い、蒔絵(まきえ)の新たな表現方法を確立した作家として、国内外問わず高い評価を受けています。今回は、人間国宝・寺井直次についてご紹介します。

人間国宝・寺井直次

寺井直次は、1912年に石川県金沢市に誕生しました。小学生になると、漆器の表面に模様を描く、蒔絵に興味をもつようになります。

転機が訪れたのは、大学在学中。東京美術大学工芸科漆工部に進学した寺井直次は、六角紫水や松田権六、山崎覚太郎などの著名人から教えを受け、漆芸に関する研究を本格的に開始しました。

その後は第二次世界大戦で臨時招集され、一時研究を中断しますが、終戦後に金沢で作家活動をスタートさせます。第4回・11回・12回「日展」や、第2回「日本伝統工芸展」などで賞を獲得し、寺井直次の名が日本中に広まっていきます。

1977年には「石川県指定無形文化財保持者」、1985年には蒔絵の技術で「重要無形文化財保持者(人間国宝)」に認定されました。そして、1998年に生涯を閉じるまで、数多くの作品を残しています。

寺井直次の残した作品と技法

寺井直次が称賛されているのは、過去に類を見ない技法によって生み出された数々の作品です。「黒柿造平棗鷺蒔絵」は、同じく人間国宝である川北良造との合作で、「卵殻技法」が採用されています。

卵殻技法は、うずらや鶏の卵殻を漆で貼り付け、研磨によって白く見せる技法です。白を表現する場合、今までは漆だけを使用するのが一般的でした。そこに卵殻を使用することで、今まで表現できなかった白さを演出できるようになり、蒔絵の表現方法が大きく変化しました。

卵殻技法を使った作品には、「極光二曲屏風」もあります。卵殻を活用して白を再現するだけでなく、卵殻の凹凸の活用で、立体感のある白狐(びゃっこ)を描いています。彼の卵殻技法については、「蒔絵-寺井直次の卵殻のわざ-」で映画化されました。

寺井直次は、このほかにも「平文(ひょうもん)技法」に関する研究も進めており、さまざまな作品を生み出しています。

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