奥村吉兵衛の魅力|侘び詫びさび寂びを演出する表具の名人

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茶道の世界では、茶器を敷く敷物一つとっても意匠の美しさや気品、形状、素材の質が重視されます。奥村吉兵衛はそんな質素な小道具を手がける名人です。

江戸時代から脈々と受け継がれてきた技術は今日においても精彩を放ち、多くの茶人に親しまれています。今回は、そんな奥村吉兵衛についてご紹介します。

千家十職の表具師・奥村吉兵衛

奥村吉兵衛は、軸装や風炉先屏風、紙釜敷などを手がける表具師で、千家十職に名を連ねる一家です。

つまり茶の本家ともいうべき千家に認められた数少ない名門の一つ。茶を点てる座敷は、表具師が製作する小道具があってこそ侘び寂び詫びさびの空間として引き締まります。

初代吉右衛門(1618~1700)が京に上り、母方の家業であった表具師を継いだのが、1646年。屋号を「近江屋吉兵衛」と名乗り、次男の代に表千家への出入りを許されます。以後、奥村家は千家の職方となりました。二代目は紀州徳川家の御用達にもなるなど、代々続く「表具師・奥村吉兵衛」の礎を築いています。

名手と謳われる八代、九代はお家再建に成功

奥村家は現在まで続く表具師の名門ですが、歴代一の腕前と評されるのが、八代吉兵衛(1804~1867)です。表具師の世界で名人と呼ばれながら、書や国学・儒学にも通じ、尊皇攘夷派の志士や学者、詩人とも交わるなど、多方面で活躍しました。

明治維新以降、文明開化の影響で茶道は衰退期に入ります。九代目(1841~1908)はこの困難な時期に家督を引き継ぎ、存続の危機にあった奥村家の再建に成功しました。

現在の十三代当主(1970~)は2016年に襲名。茶道具を引き立ててきた腕前は今なお健在です。

奥村吉兵衛の代名詞「紙釜敷」

奥村吉兵衛作で多く残っているのが、香合などの茶道具を敷く釜敷の一種・紙釜敷です。

千利休も愛用した懐中紙で、奉書や檀紙、美濃紙など二十四枚から四十八枚を一束とし四つ折りにしたものが使用されます。

奥村吉兵衛が手がけた「紙釜敷五色」は絶品との声もあり、美しく澄んだ色合いと気品の高さはどんな香合をのせても映えさせる効果があります。茶人が重宝するのはもちろん、美術品コレクターが入手を願ってやまない一品です。

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