彫刻家・山崎朝雲|木彫での写実表現に新たな可能性を生み出す

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「山崎朝雲(やまざきちょううん)」は写実表現を追求し、木彫の新たな可能性を開拓した彫刻家です。芸術院会員・帝室技芸員なども歴任し、彫刻界の発展にも寄与しました。今回は山崎朝雲の生い立ちや代表作、その特徴についてご紹介します。

山崎朝雲の生い立ち

山崎朝雲は、1867年に筑前国博多櫛田前町、陶工を営んでいた家に生まれます。幼い頃から芸術に目を向けていて、特に彫刻に対して強い興味を持っていたとされています。1846年、18歳になると地元博多でも高名な仏師であった高田又四郎に師事しました。高田又四郎は博多最後の仏師といわれる人物で、朝雲は伝統的な技術をここでしっかり学びます。
1894年に第4回内国勧業博覧会へ「養老孝子」を出品し、妙技三等賞を受賞しました。そのことがきっかけとなり、1896年に仏師であり彫刻家の高村光雲に師事。高村光雲は仏師でありながら「仏臭のない彫刻」を目指していた人物であり、西洋の写実主義を身に着けた人物です。
その後は1900年にはパリ万国博で「気比斉晴」「少女猫を抱く図」が銀賞受賞、第5回内国勧業博で「海岸の子供」が三等賞など活躍します。そして同年、日本美術協会幹事へ就任しました。
1907年に高村光雲の右腕と称された同門・米原雲海らとともに「日本彫刻会」を結成します。その後、芸術院会員・帝室技芸員などを歴任し木彫による写実的表現を追求して彫刻界の発展に寄与。1952年には文化功労者に選ばれています。

山崎朝雲の特徴・伝統技術と西洋的写実性

山崎朝雲は伝統的な仏師である高田又四郎から伝統的で確かな技術を継承し、高村光雲から新たな木彫の世界を模索する志を受け継いだ人物です。こうした背景から、朝雲の作品は写実性に富み、伝統にとらわれない作風のものが数多くあります。

山崎朝雲の代表的作品「大葉子」

山崎朝雲の代表作として、「大葉子」が挙げられます。本作品には、これまでの木彫作品にはない驚きがありました。特に、柔らかさを感じさせる衣紋、女性らしいふくよかな身体の表現は見事。これは彫刻家・小倉惣次郎から洋風彫刻の技術を学び、作品に応用した結果です。
ほかにも「菅公像」「亀山上皇像」「十八羅漢」「寒夜の衛士」「桂の影」など、山崎朝雲の作品は数多くあり、いずれも高い評価を受けています。

山崎朝雲の彫刻品は「なんぼや」が買取します

山崎朝雲は、木彫による写実的表現に新たな可能性を生み出した彫刻家です。骨董市場でも朝雲の彫刻は人気が高く、高値で取引されています。
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